東京スーパーミニヨン時折ブルー

未来のスーパーエッセイスト・マツドアケミによるカワイイモノのコト、好きなヒトたちのコトと時折プチブルーな日々

お金がなくてもバカンスに行くフランス人。お金があってもバカンスに行かない日本人

2010-09-04 05:24:11 | 日々
ニューヨーク行きでお金を使っちゃったから、、、。
そう言って、「今年のバカンスはお金のかからない場所へ行く」と
話をしていたパリ11区にある食とデザインの本屋をやっている
アンドレア。

彼女はティーンエイジャーのころに、お母さんの結婚で妹
と一緒にパリにやってきたアルゼンチン人。
学校を卒業後はとてもクリエイティブな広告の仕事をしてきて
そののちフランス人の男性と結婚。

事情があって今は13歳の娘のエマちゃんと二人暮らしをしています。

エマちゃんは芸術学校に通う、日本で言ったら中学生。
オシャレに興味を持ちだしたクラスメイトよりもやや小さくて
まだまだ子どもらしさがいっぱいの女の子で私が知る
もっともチャーミングで愛らしい小さなパリジェンヌです。

3か月近くはたっぷりある夏休み。エマちゃんは祖父母の持っている
コルシカ島の広いおうちに遊びに行ったり、友人家族とアルザス
地方に行ったりと、日本では考えられないようなバカンスを
徹底的に楽しむ計画がありました。

「いつもの夏はスペインの小さな海岸で、地方からやってくる
友人ファミリーとコテージを借りて過ごすの」というアンドレア
のバカンス。
でも今年は6月前半にニューヨークの食の展示会に出展
したこともあり、お金がないといいます。

日本人流に考えたら、「今年はお金がないからバカンスはいかない」
という人も多いはず。
でもフランス人は違うんですね。お金がなかったらないなりに
楽しめる場所でバカンスをとるようです。

どうやって過ごすの?
と聞くと、
「ビーチに寝っ転がって、本を読むの」。

その生活が2週間近くあるわけですよ。

10泊以上の旅など、仕事以外でしたのはもう10年以上前の私
にとってはうらやましいような、あきれるようなバカンス。

no moneyを連発する彼女のバカンスは「たぶんエマと一緒に
コルシカ島の別荘へ行くかも」

それもうらやましい。

短いパリの滞在を終えて帰国した私。それから2カ月。

先週アトリエのポストに可愛いポストカードが入っていました。



昨年日本滞在中に、日本語の読み書きをおぼえたエマちゃんと
アンドレアからのポストカード。

結局ママと子どもだけのバカンスはマイレイジを使って
スウェーデンの小さな町に出かけたようです




「後悔すること」について最近よく考える私ですが、
そもそも私の人生には旅の憧れがあって、そのためだけに
仕事を選んだようなところもありました。

今は、雑貨の仕事塾をやったり、本を書いていますが、
「行きたいな」と思う国に旅に出かけなくなった最近は
この「行きたいのにいけなかった旅」を後悔することに
恐怖を感じています。

行きたいと思った場所には必ず行けるように
日ごろの生活を節制することも大切だけど
時に思いきることも大切だとパリジェンヌから
届いた絵ハガキに思う朝なのでした。




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