みっかぼうず。

ものぐさ&ぐ~たら三日坊主の、ドラマ・映画・本のオボエガキ&おりおりの記録。

『N響チューバ奏者 38年ぶり交代の舞台裏』

2005-05-21 08:24:54 | テレビ一般
38年ぶりのオーディション。それもただ一人だけ。

他の交響楽団でも5年や10年交代がないという、「狭き門」。
オーケストラがすべてではないが、こういう状況で
ただでさえ地味な楽器を選んだ人たちに、まず驚く。

そして年間140回ある演奏会を、38年間たった一人で
受け持ってきたという事実に、また驚き。

N響のベテラン奏者は、まるで「入道」、ものすごい迫力と存在感。
著名な指揮者との練習でも、「急にテンポ変えられちゃたまらない。」と
全く臆さない。
仮入団の後継奏者への、淡々としているけれど厳しく気遣いのある視線。
後輩として鍛え、同じ奏者としてともに鍛錬し、後を託すべく支える。
圧倒された。

偶然からチューバを吹くようになり、彼の演奏に憧れて奏者へ道を選んだ後継者。
家族持ちでありながら公務員として安定した地位を捨て、
不確実な、でも自分次第の未来を選んだ。

大先輩の前ではさすがに影が薄い。
それでも先の見えない不安の中で、先輩の後に必死に続こう、
後を継ごうとする静かな強い意志が感じられる。

二人は同じ舞台で演奏する。それも先輩最後の舞台で。
演奏終了後、万来の拍手をうける先輩。
地味な楽器だけれど、38年の功績をたたえられて。
彼が私の後継です、とばかりに一緒に後輩の手をとって答える先輩。
じんとくる光景だった。

団員満場一致で正式入団を許された後輩。
彼が引退する時、また同じような場面を見てみたいと思った。


印象的だったのが、たびたび言われた「合奏」という言葉。
そう、N響ほどのオーケストラでも、「合奏」なんだ。
指揮者も含め、みんなが一緒に一つの曲を演奏する「合奏」。
なんだかオーケストラの曲を聞く意識が変わりそうだ。

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