安田顕ひとり語り・港町13番勝負番外編の番外編。

どうしても見たくて、友人と当日券目当てに通勤ラッシュの中を渋谷へ。
ウン十年前のチケット予約の行列を思い浮かべていたが、
予想に反して、ホール内で座って待つことができた。
しかも、私と友人のほかには、先に一人いるだけ、スタッフもまだ。

しばらくして、隅っこで待つ私たちから一番遠いエレベーターが開き、
ジーンズ姿で細身の男性が一人。
ホールを横切り、劇場の入り口へと歩いていく。
ああ、スタッフの人がようやく来たんだ、とぼ～っとしていたら、
ちらっとこちらを見た時、遠目ながら髭づらが見えた。
ほとんど姿が見えなくなったとき。

・・・ヤスケンさん！？

そう、楽屋入りするご本人！
私たちが入った同じエレベーターで、あまりにも普通～な様子だったので、
興奮するよりも、なんだか冷静に、でも呆然とびっくりした。
ちなみに友人は、全くノーマークだったのと近眼だったのとで、
顔は見えなかったそうな。

しばらくしたら、壁越しに「ブラ１」と発声練習の声が聞こえてきた。
こんな時間から、ちゃんと準備を始めるのか。
舞台やっている人の声は、やっぱり通るんだなあ。
たとえ当日券が手に入らなくても、とりあえず来てよかったと思えた。


でも、遠目とはいえ、あまりに普通過ぎて、
もっといえば芸能人オーラなんか、もう全く無くて。
私たちが来るのがもう少し遅かったら、
ひょっとして、一緒のエレベーターに普通に乗っていたかもしれない。
ちら見してくれたのに、ぼ～っとしていて、目礼も返せなかったよ。
まあ、逆に変に騒がなくて良かったもしれない。
その後の楽屋や（実況中継されていた）舞台では
もちろん、存在感ばっちりだったけどね。

本編前の、ある意味本編に負けず劣らずの出来事。