佐賀は動物愛護に対しての意識が遅れているという話をよく耳にします。
それはどうしてだろう?と考えていたのですが、地方であるほどにそういう傾向がある、お年寄りが多いから考え方が古いということ以外で、ちょっと気にかかった点があり、調べてみました。それは、「化け猫伝説」のことです。もちろん、今時「化け猫」を信じている人がいるから動物愛護が遅れている、というストレートな意味ではありません。
佐賀の鍋島藩の化け猫伝説は有名ですね。
佐賀・2代藩主の鍋島勝茂(かつしげ)が、囲碁の場で家臣の龍造寺又一郎(りゅうぞうじまたいちろう)を切り殺した。その又一郎の首をその飼い猫が持ち帰り、飼い主の血をなめて、妖怪となる。そして、側室・お豊に化けて鍋島家に入り込み、復讐する、という話ですが、色々、語り伝えられる中で変化していったものもあります。
そういう言い伝えや、有名な話があると、その中に出てくる動物のイメージが一人歩きし、気持ちの悪いもの・怖いものだというイメージが強く染み付いてしまうことがあります。西洋の「狼」にしても、西洋の魔女のお供の「黒猫」にしても、そのような話の被害者です。西洋の狼は死活問題としてということもあったかもしれませんが、絶滅するまで、それも必要以上に残忍な殺され方をしたとあります。(その狼の子孫である犬が「人類最良の友」となったということはなんとも言えない不思議な縁を感じます。狼の社会は人間の社会に似ていて、いやそれ以上に素晴らしく統率されているといいますから、似たもの同士が戦い争い奪い合った時代があったということでしょうか。)魔女のお供とされた黒猫は、魔女狩りの歴史の中で、たくさん殺されたといいます。今はさすがに魔女とか信じられていないでしょうし、むしろ、日本では「魔女の宅急便」のジジとして親しまれていますね。
日本で、年配の方の中には、猫を「気味が悪い」と言う方がおられますが、それもまた、語り伝えられた話の影響もあるのではないかと思いました。猫についての怪談のような気味の悪い言い伝えがあると、それを直に聞いて育った年配の方ほど「猫は気味が悪い」という印象を持ってしまい、猫は嫌いだと言う。また、それを聞き覚えて育った子供たちも、猫に接する機会がなければ、最初の話のイメージだけで、気味が悪いとか、どちらかというと好きでないという意識を持つことはあるのではないかと思います。
そんなわけで、佐賀の猫に対する愛護意識の遅れは、化け猫伝説発祥の地という土地柄もあるかもしれない?私はそう考えてみました。
そして、主な化け猫伝説のある地域と、その地域の猫の殺処分数(人口比率)を、調べてみたのが以下の結果です。
人口比率からみた猫の殺処分数(平成22年度)
1位 高知県
2位 長崎県
3位 沖縄県
4位 和歌山県
5位 愛媛県
6位 島根県
7位 山口県
8位 佐賀県
9位 徳島県
10位 広島県
このうち、4位の和歌山県には「猫が死人に憑くと死体が動き出す」という言い伝え、
5位の愛媛県に、「猫が死人をまたぐと、蘇生してネコマタになる」という言い伝え、
9位の徳島県には「主人の家を滅ぼされた猫が化け猫になり、敵の家を滅ぼした」という言い伝えがあります。
また、3位の沖縄県と10位の広島県には、「老いた猫が化け猫になり、飼い主を殺す」という言い伝えから、猫が一定の年齢になる前に捨てるという慣習があったそうです。
こうして見ると、少しは関係あるのかな?とも思えますが、
「老いた猫が化け猫になり、飼い主を殺す」という言い伝えは、長野県や茨城県にもあります。
この2つの県はランキングには入っていないし、むしろ、有名な伝承のない県が1位と2位を占めています。
ということで、全体を見ると、非常に関係するというほどではないけれども、少しは関係ある?程度の結果となりました。
愛護の歩みは、そこにどんな意識の「センターの職員(犬猫譲渡や処分に携わる)」がいるか、愛護団体の数なども関係してくるために、地域色がどれだけ反映してくるかをバックグラウンドに、個人により支えられているところも多くあるわけです。殺処分ゼロに近づけた熊本などは良い例ですね。(「殺処分ゼロ」佐賀シェルターにこの本を置いていますので、ぜひ読みに来られて下さいね。)
いずれにしろ、イメージで判断するのではなく、自分で触れ合ったり知ろうとする機会は必要だと思います。テレビの流行や売り文句に踊らされて、生後間もない子たちを購入する悪習も、現代の「誤ったイメージを持たせる伝承」のようなものですね。
動物の心を肌で実感したり、正しい情報を得ようとする機会をたくさんの人が持ち、そのことが正しい教育として言い伝えられたらいいなと思います。
佐賀シェルター 野口
動物達のことを本当の意味で知ろうとする人が増えますように
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それはどうしてだろう?と考えていたのですが、地方であるほどにそういう傾向がある、お年寄りが多いから考え方が古いということ以外で、ちょっと気にかかった点があり、調べてみました。それは、「化け猫伝説」のことです。もちろん、今時「化け猫」を信じている人がいるから動物愛護が遅れている、というストレートな意味ではありません。
佐賀の鍋島藩の化け猫伝説は有名ですね。
佐賀・2代藩主の鍋島勝茂(かつしげ)が、囲碁の場で家臣の龍造寺又一郎(りゅうぞうじまたいちろう)を切り殺した。その又一郎の首をその飼い猫が持ち帰り、飼い主の血をなめて、妖怪となる。そして、側室・お豊に化けて鍋島家に入り込み、復讐する、という話ですが、色々、語り伝えられる中で変化していったものもあります。
そういう言い伝えや、有名な話があると、その中に出てくる動物のイメージが一人歩きし、気持ちの悪いもの・怖いものだというイメージが強く染み付いてしまうことがあります。西洋の「狼」にしても、西洋の魔女のお供の「黒猫」にしても、そのような話の被害者です。西洋の狼は死活問題としてということもあったかもしれませんが、絶滅するまで、それも必要以上に残忍な殺され方をしたとあります。(その狼の子孫である犬が「人類最良の友」となったということはなんとも言えない不思議な縁を感じます。狼の社会は人間の社会に似ていて、いやそれ以上に素晴らしく統率されているといいますから、似たもの同士が戦い争い奪い合った時代があったということでしょうか。)魔女のお供とされた黒猫は、魔女狩りの歴史の中で、たくさん殺されたといいます。今はさすがに魔女とか信じられていないでしょうし、むしろ、日本では「魔女の宅急便」のジジとして親しまれていますね。
日本で、年配の方の中には、猫を「気味が悪い」と言う方がおられますが、それもまた、語り伝えられた話の影響もあるのではないかと思いました。猫についての怪談のような気味の悪い言い伝えがあると、それを直に聞いて育った年配の方ほど「猫は気味が悪い」という印象を持ってしまい、猫は嫌いだと言う。また、それを聞き覚えて育った子供たちも、猫に接する機会がなければ、最初の話のイメージだけで、気味が悪いとか、どちらかというと好きでないという意識を持つことはあるのではないかと思います。
そんなわけで、佐賀の猫に対する愛護意識の遅れは、化け猫伝説発祥の地という土地柄もあるかもしれない?私はそう考えてみました。
そして、主な化け猫伝説のある地域と、その地域の猫の殺処分数(人口比率)を、調べてみたのが以下の結果です。
人口比率からみた猫の殺処分数(平成22年度)
1位 高知県
2位 長崎県
3位 沖縄県
4位 和歌山県
5位 愛媛県
6位 島根県
7位 山口県
8位 佐賀県
9位 徳島県
10位 広島県
このうち、4位の和歌山県には「猫が死人に憑くと死体が動き出す」という言い伝え、
5位の愛媛県に、「猫が死人をまたぐと、蘇生してネコマタになる」という言い伝え、
9位の徳島県には「主人の家を滅ぼされた猫が化け猫になり、敵の家を滅ぼした」という言い伝えがあります。
また、3位の沖縄県と10位の広島県には、「老いた猫が化け猫になり、飼い主を殺す」という言い伝えから、猫が一定の年齢になる前に捨てるという慣習があったそうです。
こうして見ると、少しは関係あるのかな?とも思えますが、
「老いた猫が化け猫になり、飼い主を殺す」という言い伝えは、長野県や茨城県にもあります。
この2つの県はランキングには入っていないし、むしろ、有名な伝承のない県が1位と2位を占めています。
ということで、全体を見ると、非常に関係するというほどではないけれども、少しは関係ある?程度の結果となりました。
愛護の歩みは、そこにどんな意識の「センターの職員(犬猫譲渡や処分に携わる)」がいるか、愛護団体の数なども関係してくるために、地域色がどれだけ反映してくるかをバックグラウンドに、個人により支えられているところも多くあるわけです。殺処分ゼロに近づけた熊本などは良い例ですね。(「殺処分ゼロ」佐賀シェルターにこの本を置いていますので、ぜひ読みに来られて下さいね。)
いずれにしろ、イメージで判断するのではなく、自分で触れ合ったり知ろうとする機会は必要だと思います。テレビの流行や売り文句に踊らされて、生後間もない子たちを購入する悪習も、現代の「誤ったイメージを持たせる伝承」のようなものですね。
動物の心を肌で実感したり、正しい情報を得ようとする機会をたくさんの人が持ち、そのことが正しい教育として言い伝えられたらいいなと思います。
佐賀シェルター 野口
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着眼点がいいですね 成る程 無いとは言えないように 思えてきますね
自分たちが 思っていないけど DNAに刻まれているのかも 知れませんね
ならば これから 長い時間をかければ 良い情報がDNAに刻まれる事になる可能性もあるだろうから 一人一人は小さいけれど 皆が力を合わせて 猫や犬のより良い環境作りに頑張っていきましょう
そういえば、犬は先祖の狼がほとんど滅亡したあとに、犬として進化し、「利他的遺伝子」によって人間と友好関係を結び、生き残ったという説がありましたが、人間にも、そんなふうにDNAに刻まれれば未来は明るいかもしれないですね。自分たち人間のことばかり考えていたら、環境破壊になり、自分たちも滅亡する、けれども、利他的遺伝子が刻まれれば・・・と考えました。犬からも学ぶところが大きいかと思います。