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もんじゅ6日にも起動 知事と市長、文科相へ了承伝達 / 起動しないことを祈る

2010-04-30 06:47:20 | ニュース
1995年12月にナトリウム漏れ事故を起こし停止している高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について西川知事と河瀬一治敦賀市長は28日、川端達夫文部科学相とそれぞれ会談し、運転再開を認めると正式に伝えた。日本原子力研究開発機構の岡俊雄理事長にもそれぞれが再開了承を伝達した。原子力機構は5月の大型連休明けに運転再開する。

 岡理事長は知事との会談後、記者団に「国の最終確認後になるが、連休明けに速やかに再起動の操作に入れるようしっかり準備を進めたい」と述べ、6日を軸に原子炉を起動する方向で調整しているとした。

 順調に進めば事故から約14年5カ月ぶりに運転が再スタートする。当面のもんじゅの目的は発電施設としての信頼性実証とナトリウム取り扱い技術の確立。運転再開後の性能試験では3段階で出力を上げ、約3年後に本格運転に入る予定。

 県庁で川端文科相と会談した知事は、先の3者協議で県の要請に対し前向きな発言があったと評価。「敦賀市の意見、県会の議論、協議で示された国の方針などを総合的に勘案し、運転再開を了承することにした」と伝えた。その上で、文科省の現地体制強化や、3者協議で要請した安全確保と北陸新幹線延伸をはじめとする地域振興を、政府全体で着実にするよう求めた。

 文科相は「もんじゅの運転再開は、国のエネルギー政策の推進にとって大きな一歩。政府として確固たる意思を持って進める」と強調。性能試験の実施時に原子力機構を支援、指導し、安全確保と情報公開に万全を期すと述べた。

 河瀬市長は敦賀市役所で文科相と会い「立地地域としては何よりも安全・安心が第一。国の原子力政策はぶれないことが大事だ。もんじゅを立派に育てていけるよう、地元の態勢をとっていきたい」と述べた。

 もんじゅをめぐり、原子力機構は2月に県、敦賀市との安全協定に基づく運転再開の協議願を提出した。経済産業省原子力安全・保安院と原子力安全委員会は3月中旬までに安全性の確認を終え、運転再開を認めた。県も県原子力安全専門委員会の審議で安全性を独自に確認。知事は26日の3者協議で再開了承の意向を明らかにしていた。

もんじゅは未来永劫停止する(言魂)