蝸牛の歩み

「お話」を作ってみたくなりました。理由はそれだけです。やってみたら結構面白く、「やりたいこと」の一つになっています。

春に飛んでくる

2016-04-01 20:41:14 | 日記
 黒い傘をさしたご婦人が風に乗って飛んできたのを見た。私の頭の上を通り過ぎた時には、エチケットとして下を向いたのだが、たしかにあれはメアリー・ポピンズだった。ただし、ジュリー・アンドリュースではなかったと思う。
 春になったんだなぁと思っていたら、番傘をさしたどえらく派手な人物が飛んできた。江戸紫の鉢巻。えっ、助六か? 『助六所縁江戸櫻』を南座で見たことを思い出した。見得をきったままで風に吹かれて飛んでいく。
 日傘をさした女性も飛んできた。モネの絵、そのままだ。
 春になって飛んでくるのは花粉だけではない。黄砂も飛んでくるけれど、時には素敵なものも飛んでくる。