OH ! びばッ、イタ~リア (めでたい引き出菓子“チャルダ”の巻)

2011-10-15 12:19:57 | Weblog
伊勢丹イタリア展の会場で無造作に置かれていた「伊勢丹通信(イタリアウィーク SUPECIAL ISSUE)」。
何気なくめくっていると、その中の一つに目が留まりました。

“アーモンドが香る、伝統菓子。”
冊子には「トスカーナ地方の婚礼の際には、上下2枚のウエハースに新郎、新婦それぞれの家紋を刻印し、それをぴったりくっつけて、両家の結びつきを表現したというめでたいお菓子“チャルダ”」といった添え書き。


「えっ 、そんなお菓子あったっけ
イタリアのお菓子(ドルチェ)は結構研究したんだけど(昔ね)、このお菓子は知りませんでした。
冊子をよく読むとモンテカティーニ(トスカーナ州北部の保養地(温泉・飲泉)として有名なところ)のデジデリ社の商品で、極薄に焼き上げたウエハースに粉末にしたアーモンドと砂糖で練り上げたクリーム(乳製品ではない練りもの)を挟んだものが紹介されていました。

興味がわいて会場内を探すと、会場の中央に実演販売のコーナーを発見。デジデリ社のチャルダ製造機械が数台ありましたが、来日しているデジデリ社のジャコモ氏は不在で実演が見られませんでした。ちょっと残念
(左下は伊勢丹さんのブログで紹介されているジャコモ氏)


店番の女性が「どうぞ召し上がってください。美味しいですよ」と作りたてのチャルダを試食させてくれた。
「おッ、これはウマイ
イタリア人が好む味覚だ。
古くからイタリアでポピュラーな(トスカーナのビスコッティ)「松の実とアーモンドのカントゥッチ」に極めて似た風味がある。
ゴーフル(風月堂さんのお菓子)にサンドされているものは(防腐剤入加工)バタークリームだけど、見かけがゴーフル似のチャルダはバター等まったく入れず極めてシンプルな(アーモンドに含まれる油分で練られている添加物を入れない自然食の)お菓子だ。



ポイントは極薄に焼いたバニラ風味のウエハースの食感と濃厚な練りもの(アーモンド+砂糖)のザックリした食感の妙。
ちょっと贅沢でクオリティの高さ(職人技)を感じさせるお菓子だ。

お値段も今回のフェアでは1箱(直径約16cm/5枚入)1,470円(税込)。1枚280円相当、結構な品。
(イタリアでは11ユーロで販売。フェアでは円高還元はなかったね。諸経費かかるもんね)

 


ふと気が付いたのが、日本の温泉地でよく売っている薄皮饅頭。あの世界が頭に浮かびました。

なぜなら、伊勢丹通信にはこのチャルダ
「(ファミリア デジデリ)レ チャルダ ディ モンテカティーニ」と紹介されている。
家族経営(家内工業)のデジデリはさしずめ「有限会社デジデリ」。チャルダは「モンテカティーニ特産」と製品産地明記。

実は、むか~し昔。モンテカティーニの保養地・施設に車でちょっと立ち寄ったことがあって、そこは日本ではなじみのない飲む温泉(飲泉)として欧州では有名なところなんです。(水着着て入るぬるい温泉もあるんだけどね
そこのお土産品としてチャルダは有名らしく(昔立ち寄ったときそんな話は耳にしなかったような...それとも忘れちゃったのか
そこで、イタリア温泉地のお土産品。薄皮チャルダは、日本で言えば、温泉地で売られている薄皮饅頭や薄焼き煎餅といったところかな...
「どこの国にも似たものがあるもんだ」と独りニマニマ

ところが、温泉地のお土産品という前に
このチャルダは婚礼の引き出菓子として、特に(中世の財閥:メディチ家ほか)トスカーナの貴族の婚礼の際になくてはならない意味深い縁起菓子だということを知りました。(日本には紅白饅頭といっためでたいお菓子があるように)

そのことは、アマルが長年お付き合いのあるN氏(イタリアと日本の文化交流の功労者)が貴重な資料とともに解説しているので是非見てみてッ。(これであなたも「チャルダ通」

イタリア食文化/こぼれ話/チャルダ(cialda)

ではでは、

Ciao 









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