『3人家族』をご存知ですか?山田太一さんの脚本が魅せてくれます。

2015-07-17 05:08:37 | レビュー
3人家族 (第1話) 竹脇無我 栗原小巻


3人家族 (8)(9)(10) / 竹脇無我 栗原小巻
知っている人は知っていますね雄一が敬子への初アプローチ17:47以降要チェック


3人家族 クライマックス


二人だけのドライブ...抑えきれない思いと寂しさと


3人家族 (21) / 竹脇無我 栗原小巻




『3人家族』は、TBS系列の「木下恵介アワー」の第4弾で、1968年~1969年に放送されたテレビドラマ。
シリーズ中、歴代No.1の最高平均視聴率の作品となった。優秀映画鑑賞会推薦作品。

制作:木下恵介
脚本:山田太一
演出:木下恵介、中川晴之助、川頭義郎
音楽:木下忠司

松竹で木下惠介監督に師事していた山田太一氏の、初の連続ドラマ単独脚本作品。

朝(夜)の通勤電車で行きずりに(何度も)出会ってしまった2人。
互いの名前も知らないのになぜか2人の心に強く刻まれ惹かれあっていく。

若い2人の心理(恋のもどかしさ・切なさ)を山田太一さんは上手く描いていますね。
矢島 正明さん(『0011ナポレオン・ソロ』のナポレオン・ソロ、『スター・トレック』の
カーク船長等の吹き替え、テレビ朝日『クイズタイムショック』シリーズの出題者として
40年以上担当されている)のナレーションに聞き入ってしまいます。
また日本のニーノロータ(アマルが勝手に命名)こと木下忠司(木下恵介監督の実弟)さんの
音楽がこのドラマの世界感をより魅力あるものに仕上げています。

『二人だけ』
作詞・作曲:木下忠司
歌手:あおい輝彦、瀬間千恵

あの時は何気なく
会った あの人が
なぜか心に残る
淡い恋心
この広い空の下
ぼくの探す 幸せは
あなただけ あなただけ

名前さえ知らないで
好きに なった人
いつも遠くの方から
わたしを見ている
燃えている 夕焼けが
二人だけの 明日を
呼んでいる 呼んでいる

二人だけ二人だけ
そんな 夢を見る
だけど今だって
ぼくは幸せなんだ
あの人の 澄んだ目が
いつもぼくに 微笑みを
投げかける 投げかける
投げかける

※3番の歌詞は販売されたレコードには吹き込まれていません。
上の動画の3番目(3人家族 (21)17:02秒から流れますよ)
雄一(竹脇無我)が敬子(栗原小巻)の左手をそっと握り、敬子がハットするところから
この3番の歌詞が流れるんですね。...あま~い時間に浸らせてくれます。

二人だけの...二人だけの甘い(陶酔の)世界を感じます。

(しかしこんなとき<嬉し恥ずかしのぼせてしまう時期>が恋愛のピークかもしれないね。
この先は..結婚へ、新しい暮らしへ..子どもが...となると現実の世界に引き戻されて...

そこでこのシリーズの次作『二人の世界』も山田太一さんの脚本ながら
恋愛から結婚へ、現実の壁に直面する2人の葛藤・奮闘が描かれていてこちらも
記憶に残る作品でした。


子どものころ、このドラマ(『三人家族』)を観て、恋愛にあこがれてしまいました。
中村雅俊さんも俳優になる前にこのドラマを好きで観ていたそうです。

ちょっと今の若い人にはわかりにくい(古くさすぎる・ピンと来ない)ドラマかな?
でも50代・60代の人なら昭和のあの時代(空気)がわかりますよね。
野心家の男、男の値打ちは仕事で評価されるもの、高度成長期の日本の姿がうかがえます。

ドラマの撮影は虎ノ門にある霞が関ビルが日本一高い(先進の)ビルとされた時代で
敬子の勤務先(航空会社のサービスカウンター)もそこという設定。
今の虎ノ門の高層ビルや街並みと比較すると...
本当に時代(時の流れ)を感じます。

二人の世界 第1話


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