あまぐりころころ

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『食戟のソーマ』第177話感想

2016-10-22 18:40:00 | 食戟のソーマ

 週刊少年ジャンプ2016年35号掲載
 掲載順第7位
 第177話 【立ち上がる女騎士(ジャンヌ・ダルク)】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『麺料理』という課題にも関わらず、肝心の麺が一切無い中で調理に入る創真達。
 そんな創真達を虚勢を張っているだけと見下す遠藤ですが、そんな遠藤の元に、他の反セントラルメンバーも次々と麺を完成させていっているという報が入ってきます。

 創真達が作ろうとしている麺料理、それは―――
 『豪雪うどん』。

 ほお、北海道の地方料理ですか。
 北海道の代表中の代表食材である「じゃが芋」が原料になっている麺とは面白いですね。
 そしてなるほど、料理名に「豪雪」とあることから、今回のハンデに「雪」を用いたわけですか。

 こんな時でも料理を楽しむ創真は、相変わらず抜群の安定感。(^^)


 そうして豪雪うどんを完成させた創真達。
 たとえ麺を完成させたとしても具や汁などに用いる食材が乏しければ合格基準には届きはしないと高を括っていた遠藤でしたが、その豪雪うどんには一般的な葱や紫蘇だけでなく、他の物体も添えられていました。
 それは『芋もち』。
 あ!『芋もち』なら私も作ったことあります!
 手軽に作れるし、あのモチモチ感は癖になる美味しさですよね~。

 具だけでなく、汁にもじゃが芋をすりおろして加えることでとろみと旨味を。

 それは、一椀の中にじゃが芋のあらゆる表情が詰まっている料理でした。
 「一つの椀(皿)にあらゆる表情が詰まった品・・・か。
 食材の“表情”を自分の都合の良いように変えることしか考えていない薊には作れない料理でしょうね。


 アリスに引き続き、創真の台詞を横から掻っ攫うタクミ。
 おいこらぁ!(再怒)

 創真に引き続き、タクミと恵も豪雪うどんを完成させます。
 その中身は同じ模様・・・?

 なんだ、つまんない。



 こうして遠藤の嫌がらせをものともせずに、全員合格に値する見事な麺料理を出した反セントラル勢。
 吉野らがえりなに感謝している様子を見て、遠藤はえりなが反セントラル勢を援助していたことに気付きます。
 えりなの助力さえ無ければこんな奴らは雑魚ばかりと喚く遠藤。
 はあ・・・本当に遠藤って馬鹿?
 反セントラルのメンバーはそのほとんどが秋の選抜に選出された料理人なんですよ?(まあ、青木と佐藤は除くとして)
 しかも例年は70点80点台止まりが多い中で、彼らは86点以上を叩き出したという、冗談でも雑魚なんて言えない実力者ばかりだというのに。

 そんな遠藤に告げるえりな。
 
 それは創真達の実力の全面肯定。
 そして同時に、自身も反セントラル勢だという宣言でもありました。

 毅然としたえりなの姿に、神聖なる女騎士―――ジャンヌ・ダルクを重ねる遠藤。
 うん、悪くない。
 司の[食卓の白騎士]ほどの華美さはないものの・・・。
 豪華絢爛な玉座にふんぞり返って見下している「女王サマ」なんぞよりは、よっぽど魅力的です。
 ちょっと個人的には、「ジャンヌ・ダルク」というと魔女扱いされた末に処刑されてしまうという悲劇のイメージがあるのですがね・・・。
 ですが歴史上において「戦場に自ら赴いて戦う女性」というとジャンヌ・ダルクぐらいしか思い浮かびませんし、この例えは妥当だと思います。

 そんなえりなと創真達の気概に降参し、遠藤は「合格」と認めるのでした。





 その様子を物陰から見ていたのは薊の黒服の部下。

 ・・・やっと動き出すようですね。

 現十傑が。

 

 


 



 まあそういうわけで、今回も味気のないお話でした。
 見事なまでに予想通りの展開だったなあ~・・・。悪い意味で。

 理不尽な妨害に遭っても決して諦めない気概と、どんなに不利な状況に陥ろうが活路を切り開く実力が反セントラル勢にはあること。
 それは一次試験でもう充分に披露されたというのに、何故この二次試験でも全く同じ趣旨にさせたのか。
 それがどうにも理解できませんでした。

 でもまあ、今回は試験官が創真やえりならの気概に降参する姿を見せてくれていた分、まだマシだったかな?
 一次試験の試験官はそれこそ学習も反省もしないカスだったから。 



 それと個人的には、料理面でも不満があったんですよね。
 いえ、「豪雪うどん」という料理自体は良い勉強になりました!
 チョイスとしても悪くなかったと思います!
 実際美味しそうでしたしね。

 ・・・単品でなら。

 正直なところ、創真達が創った「北海道講座印のスペシャル豪雪うどん」には食指が動きませんでした。
 「じゃが芋」って物凄く慣れ親しんでいる食材なだけに、味がはっきりイメージできるじゃありませんか?
 だから麺に芋。汁にも芋。具材までも芋・・・。
 芋・いも・イモ・重!!
 と思えてしまうんですよね~。
 これは完全に個人的な好みの話なので申し訳ない限りなのですが。

 ですが、本当の問題はそれとは別の面。
 なんでタクミも恵も創真と全く同じ内容の豪雪うどんを作ったのでしょう?
 前回述べたように、私としてはタクミにも恵にも、それぞれ己の個性を反映させた品を作ってもらいたかったんですよね。
 食材が少ないという問題点から、ベースが同じ「豪雪うどん」になるのは仕方ない事と思います。
 ですが、それでも。
 トッピングや味付け、盛り付け等でそれぞれの個性を表すのは十分可能だったのでは?
 今回のお題であった「麺料理」。
 そしてメイン食材として取り上げられた「じゃが芋」。
 共に非常に汎用性豊かなジャンルであり食材ですよね?
 折角応用性に富んだジャンルであり食材だったというのに、今回の形はその最大の長所をほとんど活かせなかったと思うんです。
 特にじゃが芋に関しては作中でもえりなが回想にて説明していただけに、尚更その説得力が台無しに。
 しかも。
 この二次試験は「個人戦」。
 お題的にも試験形式的にもまさに相応しかったからこそ、それぞれの個性を反映させた特色豊かな豪雪うどんが見られると思っていたのに、結果は三人とも同じ椀。

 ガッカリでした。

 今回の展開だったら、一次試験と同様にチーム戦でも全く構わなかったのではないでしょうか?





  ・・・さて。
 何だかんだで不満ばかりの一次&二次試験となってしまいましたが、ようやく面白そうな展開に入りそうですね。
 三次試験からはこれまでとは打って変わって手強い試験が課せられるであろうことを考えると、おそらくこの二次試験で作者が描きたかったのは、反セントラル勢の一枚岩さ。
 そういえば、確か二次試験以降からはルートが分岐させられる筈。
 それも踏まえて、作者は創真達の団結性をここで示しておきたかったのでしょう。

 いかにもえりなが反対派のリーダーのように描かれていましたが、実際は彼らの中心にいるのは創真ですけどね。
 ここが『幸平創真』という人物の非常に面白いオールマイティーさ。
 えりなのような強気のキャラと組んでいる時は補佐的に支えることが出来、恵のような弱気なキャラと組んでいる時は先頭に立って引っ張ることが出来る。
 そして強気なキャラも弱気なキャラも入り混じっている大衆の中では、その中心になれる。
 創真は本当にあらゆる位置に立てる子ですね。










 

 どうにもここ最近の展開は「頭」で読ませられている話ばかりになってしまっていると思います。
 正直今回の感想記事も、半分無理して「理由」を探し出しながら書きました。
 毎回面白い話を描いて欲しいとはさすがに言いませんけど・・・。
 そろそろ理屈抜きで思いっきりワクワクさせられるお話が読みたいところですね。

 


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