あまぐりころころ

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『食戟のソーマ』三周年記念考察 ~主要キャラ達の恋愛的展望~(後編)

2016-05-22 14:30:00 | その他感想・考察

 さーてさてさて、さてのさて。
 それではお待たせいたしました!!
 『食戟のソーマ』三周年記念考察の第三部。
 その後編をいざ述べさせて頂きましょう!!





 いよいよこの最終章にて、読者が最も注目している点であり作中においても最大の鍵である、主人公創真とヒロイン達の恋愛的展望について考察していくわけですが・・・。
 改めて、宣言しておきます。
 

 

私は創真至上主義者です。


 

 ヒロインらの幸せよりも
 世界の平和よりも
 創真の幸せが何より大事。
 そう考えているような奴です。

 これから述べる考察は、そんないち創真ファンによるものという事をどうか念頭に置いてご覧くださいませ。



 私がこの作品のラブコメ部分を心から気に入っているのは、大変ピュアでイノセントな交流もさることながら、もう一つあります。
 それは主人公がヒロインらに対して圧倒的主導権を握っているところ(えー)

 最近の少年漫画の主人公はヒロインに振り回されたり頭が上がらなかったりするのが多い中、創真は珍しいほど女性に対して“強い”子です。
 不敵で大胆、マイペースでありながら一切ブレない創真。しかも天然(笑)。
 ですが。
 そんな[荒野]であり[春の嵐]である創真だからこそ。
 ヒロインらの「囚われているもの」を吹き飛ばしてくれるわけです。(^^)




【創真、えりな、恵、それぞれの恋愛観】

 現在の時点で、ヒロインと言える子は4人。
 ご存知えりな・恵・郁魅・倉瀬。
 まずはメインヒロインにあたるえりなと恵、そして主人公である創真が「恋愛」について果たしてどう思っているかを考察してみることにしましょう。


 まずはえりなについてですが・・・。
 彼女の恋愛観は番外編:『夏休みのエリナ』に全て詰め込まれていると言っても過言ではありません。
 城一郎に深い「憧れ」は抱いているものの、それは料理人としてのもの。
 ・・・もっとも、私はその「憧れ」には別の意味も含まれていると思っていますが。

 年頃の女の子らしく恋愛事に本当は興味があるものの、己の道を極めるためには必要ないと考え、切り捨てているえりな。
 城一郎が「良い料理人」になれたのは、「特別に大切な人」の存在がいたからこそだったということを知らずに。

 そんなえりなは、城一郎が掲げる「良い料理人」から最も遠いと言えます。 
 その才能と英才教育によって「凄い料理人」にはなっているものの、自身が憧れ目標にしている城一郎という料理人の“本質”には近づけていません。
 しかもこれまでずっと最高の料理を「捧げられてきた」彼女は、逆に自分が誰かに己の料理を「捧げる」という事自体考えたことすら無いでしょう。
 そんな彼女だからこそ、相手への心からの想いを込めた料理とはどのようなものかを知り、その大切さについて考えていかなければならないわけです。
 そのためにも、「特別に大切な人」の存在は彼女にとって必須と言えます。



 そんなえりなと対照的に、
 「良い料理人」に最も近いと言えるのが恵。
 彼女の実家からの教え。それは謀らずも城一郎の言う「コツ」と本質が同じものでした。
 その教えもあって、恵は料理人の道を歩むのに「特別に大切な人」の存在、ひいては「恋愛」は必要と考えている人物です。
 そして何より、その教えは「たった一人の特別な人」への想いを芽吹かせてくれたという。
 
 その相手とは勿論創真。(^^)
 今はまだ無自覚ではあるものの、創真への想いを勇気に変え、恵は確実に歩んでいます。



 そして当の創真はどうかというと・・・。
 恋愛事に関してだけは、いっそ見事なまでに超鈍感(苦笑)。
 
 ですが。

 実のところ、創真はかなりしっかりした恋愛観を持っていると私は思っています。

 色恋沙汰に全然関心が無いような素振りなのも、料理人という己の道を邁進するのに今は夢中なため。
 もし。
 いずれ誰かを想う気持ちに彼が気付く時が来たならば。
 その気持ちに戸惑うでもなく、否定するでもなく、静かに受け止められると思うんですよね。
 創真はちゃんと自分の気持ちに向き合える大人な子ですから。
 少なくともえりなやタクミと違って、己の道を邁進するのに「恋愛」は必要ないとは思っていないことでしょう。
 実際、恵の実家の教えに賛同してくれていましたしね。

 それに・・・。
 私の見立てでは、創真にも既に「特別に大切な人」への想いは芽吹いていると思いますよ?
 「あの子」への優しい眼差しを見れば。(^^)

 恋愛事に無頓着なように見えて、実際に「恋愛」に触れた際はきっと誠実に向き合うことが出来るであろう創真。
 そのバランス加減は彼ならでは。
 「恋愛」という面においても、そして「良い料理人」への距離においても、創真はえりなと恵の中間に位置していると言えるわけです。





【魅力あるヒロイン達の中で、恵を推す理由】

 そんなわけでして、「恋愛」に対する三者三様の関心、考え方を持っている三人。
 ここにサブヒロインにあたる郁魅と倉瀬も関わり、創真を中心にした微妙な関係が繰り広げられているわけです。

 単行本第5巻感想でも述べていますが、
 私は創真が幸せなら誰と結ばれても構いません。

 ですが。
 その一方で、出来れば恵と結ばれて欲しいと願っています。

 何故えりなや郁魅を推さないのか?



 ここで重要となるのが、『幸平創真』という主人公の内面です。



 その家柄や容姿や才能から、多くの人々から憧憬や畏怖、尊敬といったものを一身に浴びているえりな。
 ですが「特別な自分」であり続けなければならないために、自ら周囲に「壁」を作っているという。
 そんなえりなの“孤独”は、これまで随所で描かれてきました。




 実を言うと。





創真も奥底に“孤独”を有している子です。







 あんなにも沢山の仲間やライバルに囲まれ、温かい世界にいつも包まれている創真が何故?とお思いでしょう。
 でも・・・。



 表面的態度とは裏腹に、内面はとても誠実で情に厚く、思慮深い創真。
 そんな創真はこれまで敵味方を問わず、多くの人々を“見て”くれて、そして理解してくれていました。
 そんな創真に多くの者が助けられ、変わっていきました。



 そんな創真をずっと見ていくうちに、いつしか思うようになったんです。





 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

じゃあ、創真を理解してくれている人は・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 改めて考えてみて・・・。

 愕然としました。











 本人さえ素直になれば、理解してくれる人は沢山いるえりな。
 なのに創真はあれほど素直で裏表が無いうえに、作中トップクラスと言える程コミュニケーション能力に秀でていながら
 彼を理解してくれている人はあまりにも少ない。
 何故なら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あまりにも創真の“器”が大きすぎて。思慮が深すぎて。
「普通」の人では理解出来ない域になってしまっているから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 周囲の人達は創真を慕いつつも、時々彼の考えが分からなくなり、時に誤解し、時に非難してしまう。
 そしてヒロイン達もまた、この例に漏れてはいません。

 郁魅は強気で真っ直ぐな子であるが故に、そんな悲しい誤解をしてしまいがち。
 個人としては好きなものの、創真との恋の成就を本気で支持できないのはこれが原因なんです。
 ・・・ゴメンね、郁魅。

 倉瀬は創真をずっと長い間見てきて、彼の「凄いところ」は充分に分かってくれているものの、その引っ込み思案な性格が災いして自分から創真に近づこうとする「一歩」が踏み出せていません。
 そのため、彼の“影”の部分には気付けていないという。
 もし倉瀬が創真の“影”の部分にまで気付いてくれていたならば、例えどんなに出番が少なかろうが彼女を推していたことでしょう。


 そしてメインヒロインであるえりなはというと・・・。
 残念ながら、私から見てえりなは「女王級の力を持った普通の女の子」です。
 そんな彼女が「魔獣級の器」である創真を理解できるとは正直思えません。

 しかも、ただでさええりなは他者に対して“求めて”ばかりいる子。
 そして創真は他者に“与える”子なわけですが、そんな彼女が創真と結ばれてしまったら、それこそ貰って(捧げられて)ばかりになってしまいます。
 それではえりなの成長になりませんし、いずれは葉山の献身に対する汐見のように不安を抱いてしまうかもしれません。



 それはえりなとは対極の“孤独”。
 いわば、飛び抜けた「才能」を持たされたが故に独りに追いやられているえりなに対し、飛び抜けた「器」を持っているが故に独りになってしまっているのが創真。




 だからこそ。

 

 

 

 

 

彼を本当に理解してくれる人が傍にいて欲しいんです。






 

 自由気質な創真。
 そんな彼の[風(嵐)]の部分を咎めない子が。

 常に歩みを止めない創真。
 そんな彼の[大地(荒野)]の部分に、ずっと付いて行ける子が。

 『幸平創真』という人物の“光”も“影”も、全てひっくるめて受けとめられる子が。

 そんな子が創真の「危うさ」を支え、守ってくれると思うんです。

 私が見る限り、そうなれる子は恵だけ。
 [田園]という水や緑といった“恵み”に溢れる彼女ならば、乾いた大地に潤いを与えてくれるに違いありませんから。





【もう一人のメインヒロインの相手とは】 

 では一体、えりなと結ばれるのは誰になるの?と疑問にお思いでしょう。
 確かに。
 上でも述べましたが、えりなが「良い料理人」になるためには「大切な人の存在」は不可欠です。

 恵推しではありますが、創真とえりなのコンビも決して嫌いではない私。
 創真のマイペースさにきりきり舞いなえりなという様式美は最高ですし♪♪♪(ドS顔)
 そんなわけで、えりなのお相手は創真のファクターを多く持つキャラがお似合いと思うんですよね。
 いつも笑顔で。
 掴めなくって。
 思慮深くて。
 大者で。
 ドS(核爆)。
 そんな人が。



 ・・・もうお分かりになられたでしょうか?





 
そ・れ・は。





 一色先輩。




 (あわわわ、今「え゛え゛え゛―――!!!???」という声がめっちゃ聞こえた・・・/大苦笑)


 彼を選んだ理由も勿論ちゃんとありますよ?
 といっても、最初の切っ掛けもやっぱり「女の勘」だったんですが。(核爆ドッカーン)

 タクミと郁魅の初対面の時と同じです。
 えりなと一色先輩の会話(第40話)を初めて目にした時にピン☆ときたんですよ。
 「あ、この二人仲良いネ」と。
 ・・・なんか私の脳内には、「火花を散らす=仲が良い」という図式がある模様(爆)。

 メタ的なことを言わせてもらえば、えりなは女性キャラの中でも圧倒的に人気のある子です。(なにせ人気投票連続2位)
 ファンからしてみれば、主人公である創真に匹敵する程のキャラクターでないと相手役として納得できないと思うんですよね。
 ですが、一色先輩なら流石に納得できるのでは?
 なにせ一色先輩は創真とは反対の意味でこの作品の世界観の象徴ですもの。
 変態性異常性といった。(核爆ドッカーン×2)
 
 えりなは振り回されてこそ魅力が発揮される子です。
 だからこそ、創真とはまた違った形でマイペースな一色先輩はきっと良い相性な筈。
 一色先輩なら間違いなく、えりなを華麗に手の平で転がしてくれることでしょう♪(どエスマイル)  
 おまけに、えりなは「年上」が好みのようですしネ。(^m^)



 でも。
 この予想が当たろうとも当たらずとも
 どんな紆余曲折があろうとも・・・
 この作品が終焉を迎える頃には。

 たとえ成就しなかった恋であろうが、ちゃんと己の糧に出来る子にえりなは成長してくれているに違いありません。





【メインヒロイン二人の“役割”と、創真への感情故の“障害”】 

 「ヒロイン」には二つの役割があると私は考えています。
 一つは「作品にとってのヒロイン」。
 作品の設定や舞台に大きく関わり、主人公の目的達成や成長に欠かせない存在。
 そしてもう一つは「主人公にとってのヒロイン」。
 これは「ヒロイン」というイメージにストレートに求められる、主人公と恋仲になる存在。

 私が思うに、えりなは「作品にとってのヒロイン」で、恵は「主人公にとってのヒロイン」だと思うんですよね。

 いわばえりなはこの作品の「看板」、そして恵は土台にあたる「礎」、そして創真は全てを支える「大黒柱」。

 その作画の美麗さ故に、多くのカラーイラストが描かれてきたこの作品。
 記念イラストやポスター等で恵よりもえりなの方が多く描かれるのは、まさに彼女がこの作品の「看板」だからではないでしょうか。
 そして、これまで三年以上も連載を続けていながら創真と恵のツーショットは一度たりとも描かれていないのも、同種の理由によるものなのでは。
 創真と恵の二人だけを描いてしまった場合、佐伯先生がどう頑張ろうが恋人同士にしか見えないイラストになってしまうんでしょうね、多分(苦笑)。
 二人のツーショットはここ一番!!という時まで温存しておくつもりなのかも。



 ずっと悪態を取り続けてきたものの、ここ最近の展開で最大のネックであった創真への偏見的見下しが改善され始めてきたえりな。
 順当に創真との親睦を深めている恵。
 彼女らと創真との関係が今後どう進展していくのか、非常に興味深いところです。
 ・・・しかしながら。
 恋に障害はつきもの。
 この作品はあくまで料理バトル漫画なため、ゴチャゴチャした人間関係のもつれは無いと思っています。
 それだけに、創真とヒロインらの間に阻む障害は外因的要素ではなく、ヒロイン達がそれぞれ抱いている創真への想いそのものになってしまうような気が・・・。

 これまで散々創真を侮辱してきたという「罪」。
 創真から色々助けてもらったという「恩」。
 丁度対照的な意識を、えりなと恵は創真に対して抱いています。

 彼女達はこれからその想いにもっと深く向き合うことになるでしょう。

 真面目で融通の効かないえりなは、酷い「罪」を重ねた自分が許される筈が無いと、自分で自分を追い詰めることになるのでは。
 自己評価が低い恵は、もし創真への想いを自覚したとしても、彼への「恩」を本当に大切にしているが故にその気持ちを「高望み」として戒めてしまうのでは。
 
 そして、そんな考えの果てに、彼女らは創真との間に“隔たり”を作ってしまうのではないのでしょうか。

 えりなは罪悪感による「壁」を。
 恵は戒めによる「距離」を。



 けれども。



 そんなヒロインらの“隔たり”を、創真は「己の料理」で取り払ってくれるのでは。





【自分の料理の全てを捧げるというのはどういうことか】

 というわけで、記念考察の第一部第二部も、この第三部を語るための補足の役割を兼ねていたのでした☆
 ではいよいよ本題中の本題へ。
 この作品の最重要概念である「自分の料理の全てを捧げたいと思えるような相手に出会うこと」について、いざ、私なりの考察を述べさせて頂きます。

 この作品のキーパーソンである城一郎。
 彼は度々作品のテーマとも言える重要発言をしていますが、これはまさにその代表。
 「良い料理人」になるためには。
 その秘訣として城一郎が掲げたのは「特別に大切な人」の存在でした。

 この言葉の真意について、ずっと考えてきました。
 創真にとって、ヒロイン達にとって、この言葉はどういう意味を成してくるのか。
 それについて、私なりの「答え」を出すヒントになったのは・・・意外にも、最初の頃にあったんです。
 それは、いまや伝説のシリーズとも言える、四宮編の第23話で創真が恵に話した城一郎の教え。

 「料理とは 皿の上に自分の全部を載せること」

 自分の全て。
 それは
 自分の力。
 自分の心。
 自分の人生。

 それらを全部ひっくるめたものなのでは。

 そして、そんな料理を相手に“捧げる”ということは
 自分の力の全てを、その相手のために尽くすことが出来るか。
 自分の心を全て預けることが出来るか。

 自分のこれからの人生を相手に委ねることが出来るか。
 
つまりはそういう事ではないのでしょうか。



 逆に、そんな「自分の全てを載せた料理」を捧げられる相手も覚悟が必要です。
 ある意味当たり前のことを言わせてもらいますが―――


 料理というものは「美味」だけではありません。


 その一皿の中には一般的に好まれる「甘味」や「旨味」だけではなく、「苦味」もありますし、「酸味」も、「塩味」や「辛味」や「渋味」だってあります。
 そんな一般的に嫌われがちな「不味さ」とも言える“味”
 例えるとするならば、そういった“味”は作り手の弱さや醜さ、孤独、闇。
 自分の全てを込めた料理というものは、そういう“味”もあってこそのもの。

 相手はそんな全ての“味”を、料理人の全てを、受け止める責任があると思うんです。

 そして、創真はそんな「不味い味」さえも受け入れながらこれまで料理を創ってきたという。 
 だから創真はあれほどまでに他者を頭ごなしに否定せず、受け止めてくれる子なのでしょうね。
 だからこそ尚更、願わずにはいられないんです。
 創真の“味”の全てを受け止めてくれる子と結ばれてほしいと。



 城一郎の言う「良い料理人」に遠いだけに、えりなはこの言葉を最もストレートな意味で学ぶべき立場です。
 己の才能である[神の舌]に頼った料理を自分のために振るうのではなく、えりなはもっと他者を思い遣った料理を「自分の料理」として確立していかなければなりません。
 そのためには、もっと世界の広さを知り、己の価値観や視野を広げる必要があります。
 料理を通して、自分は他者に何を与えられるか。
 ただ一人の人(城一郎)から、多くの人との繋がりへという“拡大”。
 それが彼女が「良い料理人」になる方法だと思います。


 そして恵は最も「良い料理人」に近くはあるものの、まだ乗り越えるべき試練はあります。
 仮に上記の予想が当たったとして、創真を尊敬するが故の「距離」を取るようなことになったならば尚の事。
 この作品の登場人物はそのほとんどが我の強い者ばかりですよね。
 そんな中、恵は最も我欲の無い子ですが・・・。
 私としては、恵にはもっと「我が儘」になって欲しいんですよ。
 ここもまた、えりなとは逆になるわけです。
 常に他者を思い遣ってばかりの彼女だからこそ。欲の無い子だからこそ。
 これから問われるのは我儘なまでに相手を求める気持ちだと思うんです。
 創真を「料理人」としてではなく、「一人の人間」として必要とする想い。
 沢山の大切な人達から、ただ一人の特別な人(創真)へという“集束”。
 
それが恵が「良い料理人」になるための最後のピースなのでは。



 そして。
 創真はというと―――

 私から見るに、創真は「良い料理人」の“本質”を既に習得しちゃってると思うんですよね☆
 これまでの考察の中で述べてきた通り、創真は「ただ一人の特別な人」の大切さも、「出会い」の大切さも分かっている子ですから。(^^)

 ではそうなると、創真の成長方向はどうなるのというハナシなわけですが・・・。
 単行本第6巻感想でも述べたことですけども。
 創真と城一郎は似た者親子ですが、「同じ」ではありません。


 創真は、彼にしか出来ない解釈で城一郎の言葉を超えていくと思うんです。

 そしてそれが、創真の最終目標のひとつである「父親を超えること」になるであろうと。

 その「可能性」の一端として、記念考察第二部(後編)を述べさせて頂いた次第です。





【総括】

 そんなこんなで、超長々と語ってきたこの三周年記念考察でしたが、ようやく書き切ることができました。
 大満足です♪
 そしてなにより、完結出来たのは見放さずに読んでくださった皆様のお陰です。
 ここまでお付き合いくださり、本当にありがとうございました!!



 最後に。

 ヒロイン達との恋愛、仲間やライバル達との友情、そして親子の愛情といった、多くの“絆”。
 そのほとんどが料理を通して描かれているわけですが―――
 その料理を作るのは、料理人の「手」。
 だからこそ
 それら“絆”の最たる象徴が



 えりなが心の奥底で惹かれている


 恵の心を常に支えてくれている

 

 

 

 

 

“繋がる手”と“重なる手”

 

 

 

 

 

 

 これら二つの「手」であるに違いありません。



 ストーリーのあらゆる部分に、大切な“鍵”がちりばめられているこの作品。
 そのを拾い集めていけば、キャラクターそれぞれの、そしてこの作品の、「これから先」が見えてくるような気がします。

 そして、いつか。

 料理においても。
 恋愛においても。
 
 最後には

 「ごちそうさま」

 と笑顔で見納められるような。

 そんな終着を心から願っています。(^^)

 


 



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