今日で東日本大震災から9年目を迎えました。
あれからも多くの自然災害を受けた日本。
あの時の悲しみ、不安、恐怖、混乱、喪失・・・。
それらを糧に、私達は少しでも前に進めているのか。学べているのか。
改めて考えさせられる日です。
週刊少年ジャンプ2020年13号掲載
第195話 【めまぐるしく】
戦場外の状況を読者に伝える役目が多い、最近の扉絵。
それだけ同時進行で頑張っている人達が多くいるという証拠ですね。
今回の扉絵は治療中の蜜璃さん。
ずっと蜜璃さんの解毒は完了しているのかどうか気になっていましたが、彼女には茶々丸が血清を運んでくれていました!!
ありがとう、茶々丸ありがとう。
お陰で血毒による皮膚の爛れが消えていますよ。
そういえば蜜璃さんはネコ好きでしたよね。(ファンブックより)
茶々丸、どうかスリスリセラピーと肉球マッサージで蜜璃さんを癒してあげて・・・!
自身の身体に浮き出てきた古傷に、否応無しに縁壱の脅威を思い出す無惨。
化け物は自分ではなく縁壱の方、ですか。
いいえ、縁壱は間違いなく一人の人間です。
ま、無惨のような自分の杓子定規しか認めない奴には言っても分からないでしょうけど。
その一方で炭治郎は察知していました。無惨が取り繕えなくなってきていることを。
今は身体的にですが、最終的には精神的にもそうなることでしょう。
これまで皆が繋げてきたものを想いながら頑張る炭治郎。
あああでも「最期まで」だなんて言わないでほしい・・・。(><。)
そりゃあ、鬼殺隊の人達はそのほとんどが炭治郎のような強くも悲壮な覚悟で戦っているというのは分かっています。
それでもやはり見守る側としては辛い・・・。
前回の描写だけでは無惨の急所と縁壱による傷の位置関係が一致しているのかどうか分からなかったのですが、ちゃんと急所と連動している模様です。
何気にこの作品って細かい点の説明も行き届いているのが親切ですよね。(^^)
こうして「透き通る世界の必要性」という問題点は縁壱のお陰でクリア。
ですが、敵の事だけでなく仲間の事も考える人物なのが炭治郎。
失明している伊黒が鏑丸のサポートだけで戦い続けるのは難しい事をちゃんと思慮していました。
考えを巡らせ、炭治郎が見つけた解決策は。
愈史郎の術符の使用。
な・る・ほ・ど!!!
確かにその手がありました!!
最近は「透明化」という使い方をされていたので、すっかり忘れてしまっていましたよ。
炭治郎がその名案を思い付いた矢先に入る、鎹鴉の時報。
夜明けまであと40分!!
うわわ、炭治郎と無惨の一騎打ちが始まった時は確かあと一時間くらいでしたよね?
ギリギリの一秒一秒を繋いでいって、炭治郎(と伊黒)は約20分も時間を稼いでくれました!
そして、この間無惨は更に1000年分老けた、と♪(←)
で。
その時報を聞いた無惨はどうしたかというと。
逃げた。
一目散にスタコラサッサですよ。
あれ?コイツって数時間前は「鬼狩りは全員自分が倒す」とかほざいていませんでしたっけ??
なんかもう・・・ひたすら呆れた。
これほど一貫性の無いラスボスも珍しい。
さすがは珠世さんに「生き汚い」と言わしめた存在です。
無惨を追うものの、どんどん距離が開く炭治郎。
「こんな負け方あんまりだ」
鬼殺隊を応援している全ての読者が同じことを思ったに違いない。(勿論私も)
一切の躊躇なしに逃げに徹する無惨。
道端に横たわる隊士達の亡骸を平気で踏みつけながら。
無惨のこの心無い行為に怒髪天を突く炭治郎。(当然ですね)
直後、無惨の背後に迫ってきたのは
無数の日輪刀。
第183話の炭治郎の得意技?再びです。
っていうか更にパワーアップしてますね(汗)。
闇雲に投げているのではなく、刃先が全て無惨に向かっているという点が、炭治郎の表情と相まってかなりの気迫。
確認しときますけど、今の炭治郎って片目しか見えていない状態なんですよね???
それなのにこの抜群のコントロール。
あな恐ろしや。
といっても、個人的に炭治郎のこの攻撃の仕方はかなり好きですけども。
気迫は鬼と見紛うほどですが、その原動力は第183話の時と同様に仲間の無念を晴らすという熱い優しさなのですから。
「今は斬撃よりも体深くに刀が貫通する方が危険」と判断し、飛来する日輪刀を迎撃する無惨。
でも次のページを捲った途端に
ドギャ
伊黒によって、急所の一つがあった首を貫かれました。しかも赫刀で。
伊黒グッジョブ。(d(--))
こんなに早いフラグ回収初めて見ました。
吾峠先生素敵。
無惨ざまあみろ。
すかさず無惨も伊黒に反撃しようとするものの、炭治郎が阻止!(ナイスフォロー!)
そして炭治郎は愈史郎の術符を伊黒に渡そうとします。
鏑丸と伊黒の視覚を共有させようと。
ですが、無惨の「パギャ」によって阻まれてしまいます。
炭治郎も伊黒も技を出して致命傷は避けていますが(流石の順応力の高さ)、やはりダメージは受けてしまい、その衝撃で炭治郎の手から術符が離れてしまいます・・・!
ですが炭治郎は諦めませんでした。
舞い飛んだ術符の位置を伊黒に口頭で知らせ、次に言葉に発したのは―――
「鏑丸頼むーーーっ!!」
うおおおおおおおおおおおおおおお!!!
鏑丸も見事に応え、術符を口でキャッチ!!!
うおおおおおおおおおおおおおおお!!!
テンション爆上がりです。
発想といい気概といい、ホント炭治郎って最高の主人公・・・!!!(感涙)
こうして炭治郎の見事な機転によって無事に伊黒の視覚が開かれることに。
伊黒は言います。
「炭治郎 感謝する」
この瞬間、私の中の伊黒に対する過去の因縁が清算されました。
というわけで、これからは「伊黒さん」と呼ぶことにしましょう。
こうして互いに助け合いながら戦う炭治郎と伊黒さん!
「二人ならできる!!」という伊黒さんの熱い言葉にこれまた感慨深くなる栗うさぎ。
まさかこの二人がこれほどの共闘を見せてくれるんだなんて・・・。(><。)
そんな炭治郎と伊黒さんの奮闘を前に、逃げられない無惨。
そしてとうとう息切れを・・・!!
確実に近づいています。無惨の体力の限界が!!
一方その頃。
場面は戦場の外の様子へ。
佇んでいたのは、愈史郎チームではなく、蜜璃さんでもなく・・・
禰豆子。
その片目は・・・。
いやはや・・・
今回はすっっっごく久し振りに、純粋にワクワクしながら読み進めることが出来ました!!
いつもはワクワクというよりハラハラしながら読むことになってしまうんですもの。(><。)
今回の戦いは、まさに私が待ち望んでいた『竈戸炭治郎の戦い方』になっていました。
第192話の感想でも述べた通り、今回はまさに
想いと共に
考えを巡らし
仲間と一緒に戦う
という、私の願い通りの形に。
お陰でカタルシスが半端なかったです。
なかでも特筆すべきはやはりこれ。
炭治郎の機転による、伊黒さんへのフォロー!!
最初の頃からそうでしたけど、やっぱり炭治郎って咄嗟の機転が利く子ですよね、凄く。
投擲技術といい(笑)、定評のある炭治郎の柔軟性と賢さを今回は久し振りに堪能出来て、興奮と同時に嬉しく思いました。(^^)
それと同じくらい嬉しかったのが、ようやく伊黒さんが炭治郎に心を開いてくれたこと。
そもそも炭治郎は伊黒があれほど邪険にしていながらも、鳴女との戦いで無事だったことが分かった時は泣いてまで安堵してくれましたし。
伊黒さんにとって大切な人である蜜璃さんを、刀の投擲で無惨から守ってくれましたし。
そして今回、相棒の鏑丸をごく当たり前に仲間として信頼してくれましたし。
炭治郎を何度も助けてくれている伊黒さんですが、炭治郎も同じくらい伊黒さんを助けてくれているんですよね。
これで伊黒さんが謝意を認めることが出来ていなかったら暴言の一つも放っていたかもしれません。(←)
なんにせよ、これで私も伊黒さんを素直に認めることが出来ます。(^^)
・・・これで、炭治郎に心を開いていない柱は不死川一人のみ・・・。(悪い笑み)
それはそうと話は変わって、とうとう赫刀で十二ある無惨の急所のうちの一つを斬ることに成功しましたね!!(>▽<)
まず最初の達成者となったのは蛇柱の伊黒さんでした!
私の願望としては、こんな感じで少しずつでいいので、他の柱達や同期組が無惨の急所を一つずつ潰していってもらいたいところ。
折角無惨の急所が十二あるのと同じく、現在の呼吸の型も十二あるのですから。(※日の型を除いて)
ちなみに。
赫刀で無惨の急所を斬った人物第一号は伊黒さんでしたが・・・
今回の炭治郎の日輪刀投擲シーンを見て、私が思いだしたのは第183話のあの炭治郎のファインプレーです。
蜜璃さんを助けるため、そして無惨に殺された隊士達の敵討ちも兼ねて仲間の日輪刀を投げ、無惨を怯ませていた炭治郎。
あの時も炭治郎よくやった!!!と胸がスカッとしましたっけ。
ですがこうして振り返ってみると、あのシーンはカタルシスだけではなく、考察的な意味もあるように思えてきました。
そう。
あの時も無惨は急所の一つである脳(頭)に刀が貫通させられているんですよね。
赫刀でではありませんでしたが、炭治郎は初めて当たった攻撃でありながら無惨の急所に大ダメージを与えていたという、かなり大きな功績を上げていたわけです。
偶然でありながらこの大きな効果。流石は主人公☆
もし。
無惨の弱体化等による影響のお陰で、無惨の急所を「同時に」斬る必要がなくなったならば・・・
炭治郎のこの初撃も後に大きな結果に繋がることになるのではないかと期待してしまいます♪
そんな無惨ですが、いよいよ消耗が目に見て取れるようになってきました。
ただ、失われた体力は「栄養補給」という形でリカバリーすることが出来るわけでして。
その際狙われる可能性が高いのは、やはり「稀血」である不死川。
現在の安否も不明ですし、「無惨の回復」という点において彼もまた一つのキーマンでしょうね。
それにしてもここまで追い詰められても尚無惨が血鬼術を使わないのはどうしてなのでしょう。
これは禰豆子の場合ですが、血(血鬼術)を使いすぎると眠くなってしまうといった旨の説明が単行本第7巻のおまけページにありました。
確かに、自らの血液を用いる血鬼術はそれなりに消耗が大きい力と言えます。
無惨はこれ以上の消耗を避けるために敢えて使っていないのでしょうかね?
そんなわけで炭治郎や伊黒さんの活躍にとてもワクワクさせられた今回。
ただし、ワクワク“だけ”で終わらせないのが吾峠先生。
禰豆子という大きな希望と絶望を併せ持つ存在をここで投入してくるあたりが、いかにも吾峠先生らしいところです。
第189話の扉絵で示唆されていた通り・・・
やはり右目が人間の目に戻っていた禰豆子。
髪の毛を一本だけ垂れさせることによって「人間」と「鬼」の境界線を比喩させていましたが・・・う~ん、個人的にはこの表現は別に必要なかったかも。
人間の方の目から涙が出ていることから、人間としての自我も戻りかけているのが窺えます。
無惨が目に見えて弱体化してきている現在、やはり読者として気になるのは以下三つ。
禰豆子はどのタイミングで人間へと完全に戻るのか。
戦線復帰する前に戻ってしまった場合、鬼としての能力『爆血』は使えるのか。
そして。
果たして禰豆子は無惨に吸収されてしまうのかということ。
どうやらまとめサイト等を見てみると、「禰豆子が無惨に吸収されてしまうのではないか」という点を懸念している人が多い模様。
ですが私はその点においてはあまり心配していません。
禰豆子は炭治郎や善逸がそれこそ全力で守ってくれるでしょうから。
多くの方々が禰豆子を懸念しておられるのは勿論禰豆子自身を心配してのこともあるでしょうが、それによって無惨が日光を克服してしまうという点を案じているのも大きな理由の一つでしょう。
・・・ですが・・・。
個人的にはこの点に他の方々があまり触れていないのが不思議でしょうがありません。
無惨が日光を克服するもう一つの手段として、「青い彼岸花」という方法が残されていることに。
むしろ私としては「戦線復帰する前に戻ってしまった場合、鬼としての能力『爆血』は使えるのか」という点が心配です。・・・今のところは、ですが。
珠世さんの血清のお陰で無惨の血毒を抑え込んでいる鬼殺隊士達ですが、あくまでその血清の効果は一時的なもの。
完全に解毒するには、やはり禰豆子の『爆血』が必要不可欠。
特に一番容態が悪いのが炭治郎ですから・・・。(><。。。)
今回が大きく「希望」を抱かせるような展開になっているだけに、禰豆子の存在が「絶望」に働いてしまうのではないか・・・と読者に不安を抱かせるあたり、吾峠先生は本当に心理操作がお上手ですよね。
・・・天然だろうけど。(←)