あまぐりころころ

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『食戟のソーマ』第181話感想

2016-11-11 17:15:00 | 食戟のソーマ

 週刊少年ジャンプ2016年40号掲載
 掲載順第6位
 第181話 【熊肉を攻略せよ】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何故に組体操???
 というツッコミから今回はスタート。


 ノリノリ軍団を引き連れて創真の前に現れたのは、元・十傑第八席 久我照紀!
 久我曰く、創真を助けるためにはるばる北海道に来たとのこと。
 言い方は白々しかったけど(苦笑)。
 さすがは創真さん。一度ぶつかった相手だけあって久我のキャラをすっかり理解してくださっています。

 ただし。
 条件があるとのこと。

 今はその座を剥奪されているとはいえ、この鋭い雰囲気は流石は十傑。
 基本言動がチャラいだけにこのギャップは中々の箔がありますね。
 まあそれは目の前の赤髪主人公も大したものなんですが。

 久我の要求した条件、それは―――

 葉山の十傑第九席の座を賭けて食戟を挑むこと。

 ええええーーーーー!!??
 ここでですか!?

 いや作劇としてはむっちゃ面白くはなりますけど、でも・・・。
 今の葉山から十傑の座を勝ち取っても、その価値は無いのでは・・・。

 やはり創真も、今回の葉山とのリベンジマッチに十傑争いは結び付けて考えていなかった模様。
 どうして久我がそれほど創真をけしかけるのかというと、理由は薊政権への反発があったからでした。



 ここで回想に。
 薊政権への反撃を決めた久我は、竜胆先輩にだけはその旨を伝えていました。
 竜胆先輩と久我は姉弟のように親しかったですものね。
 まあ出会い頭に怒られましたけど(苦笑)。

 でも「俺はもう十傑じゃない」という久我の言葉には黙った竜胆先輩。
 竜胆先輩は最後まで久我や一色先輩が十傑から降ろされるのを反対してくれていましたからね・・・。
 久我を庇いきれなかったことに申し訳なさを感じてくれているのかな・・・。

 加えて久我は「もう俺には失うものは何もない」と言っていますが・・・。
 いえ。そんなことはありませんよ。
 だって。
 久我にはまだ中華研が。自分についてきてくれる部員達がいるじゃありませんか。
 失うものは何もないなんて、そんなこと言わないでください。部員達に失礼ですよ?

 進級試験に横やりを入れることを告げる久我に、「好きにしろ」と笑う竜胆先輩。
 うん、やっぱり竜胆先輩は久我のこの行動を許容してくれましたね。
 ここの竜胆先輩の態度こそがまさに第179話の自身の言葉の反映だと思います。
 自分とは“道”が分岐した相手に対しての。



 創真への助力は自分のためでもあると、目論見を語る久我ですが・・・。
 創真くん、そこ気付いていいんだよ?
 むしろツッコんでいいんだよ?
 代わりに私がツッコみましょうか?
 それってアンタの一人勝ち★

 ・・・ま。
 そんな諸々の理由はあったものの、協力する相手に創真を選んだのは創真なら葉山を倒せるという確信を持ってくれているからでした。
 なんだかんだで創真をちゃんと買ってくれているんですね。ありがと。(^^)



 かくして食戟の件は善処するとして、創真は本格的に熊肉の試作に入ります。
 早速久我が持参したスパイスを使ってみますが、まだまだ扱いがなっていないと久我からダメ出しを受けることに。
 それじゃあと、次に創真が作ったのは「熊鍋」。
 お~~~美味しそう・・・。
 特にこれからの季節にそのチョイスは最強です。
 この熊鍋には久我も絶賛!
 ですが、これでは創真自身の料理とは言えないという事で却下に。
 え~~~勿体無い・・・。
 私からしてみれば充分創真らしい品に昇華出来るジャンルだと思うんですがねえ~。

 ここであることに気付く創真。
 それは、「臭さ」は敵ではないという事。
 その通り。
 臭みというのは最初は抵抗があるでしょうが、ある程度慣れてくるとその特有な匂いが逆に魅力になり得るものなんですよね。
 それをまさに体現しているのが貞塚の料理というわけです。
 酒のアテの件も、実際に月饗祭での貞塚の模擬店の客がそれを裏付けてくれていますよね。

 熊肉の匂いを活かせないのは、まだこの食材と出会ったばかりで何も理解していないから―――

 そう考えた創真は、参考にと久我に四川料理との出会いについて尋ねます。
 久我によると、家が裕福だったため幼い頃から海外に行っていたからだそうで。
 それを聞いた創真さん。
 「どら息子」て・・・。(^^;A)
 でもそれを口には出さないのが創真の賢いところ☆(逆にそれを口に出してドツかれるというおバカさんが乾)

 へ~~~!!
 久我も「世界」を体験している料理人なんですね!!
 うん、これで創真達がこれから世界進出する可能性がより一層高まりました!!

 と、高揚した一方で・・・。
 う~む?
 様々な国に行っていながらどうして久我は中華料理を、しかも四川料理のみを選んだのかという肝心な点は明かされませんでしたね。
 個人的に一番知りたかったのはそこだったのでしたが・・・。

 久我の話を聞き、創真は山に入ってみたい・・・と呟きます。
 素材が活きていた場所のことを知りたいと。
 全身で味わってみたいと。

 創真らしいですね。(^^)

 創真のこの言葉は「あの時」を思い出させました。
 予選で葉山に敗れた後の慰労会で、もっと色んな世界を知りたいと恵に打ち明けたあの時を。
 元々強い子だったけど、あの時の言葉の通り、更に強くなってますよね創真は。

 創真のこの意思に賛同してくれた久我は、早速入山する準備を整えてくれます。
 う~ん、何とも頼もしいスポンサーサポーターだ☆

 かくして創真は熊料理へのヒントを掴むため、山に行ってみることに。



 一方その頃、堂島先輩は葉山の試作の様子を視察していました。
 それによると葉山もまた、秋の選抜とは比べ物にならない力を手にしているようですが・・・。

 あのね堂島さん?

 創真の成長を見もせずに「今のお前のままでは勝てない」って言うのは早計じゃありません?(怒)

 

 


 

 

 さて、そういうわけで久我の協力のもと試作編へと本格突入です。

 もともと久我にはトラブルメーカーっぽいけどその反面気持ちのいい交流が見られそうという第一印象がありましたが、今回まさにその予想に応えたやり取りを交わしてくれていましたね。(^^)
 自分の利得をちゃっかり目論見ながらも創真への協力を惜しまないでくれるところが、キャラの魅力として良いバランスになっていると思います。

 そんな交流と共に今回は久我の考えや背景などが色々描かれていましたが、肝心の薊政権と考えが合わなかった理由や四川料理のみに特化した理由、この反逆が誰かの提案に乗っての事だったのかについてはさりげなく逸らされていましたね。
 それらについては後々といったところでしょうか。

 思えばつい最近創真と久我はある共通点を持ちましたよね。
 それは何かというと、共に第一席 司瑛士に敗北したということ。
 
お互いまだその共通点を知ってはいませんが、これが後々どんな展開を呼ぶのか気になるところではあります。
 それだけでなく、創真は竜胆先輩に気に入られていますが、竜胆先輩は久我の事も弟のように気に掛けてくれていますし。
 これからの人間関係において久我も彼なりの重要な働きを成してくると思います。

 人間関係だけでなく料理面でも久我は既に何人かのキャラと関わりがありますよね?
 まずはストレートに中華繋がりで北条美代子。
 最近はご無沙汰となっていますが、私は彼女もこれから先の展開で貞塚ナオと同様に大きな活躍を見せてくれる人物だと思っています。
 そして新戸緋沙子。
 彼女の「薬膳」というジャンルは中華料理の派生形ですから。
 そして、葉山も。
 前回述べたように、中華料理に用いられるスパイスは代表的な物がほとんど。
 しかも思ったのですが、久我は四川料理の辛さや痺れを、そして葉山はスパイスという刺激や鋭さのスペシャリストなわけで。
 共に「刺激」の使い手として、
久我と葉山は料理人のタイプとしては割と似ている者同士なんですよね。
 なのでこの二人が直接ぶつかっていてもかなり面白い勝負が繰り広げられていたに違いないでしょう。


 ただ、やはり久我は十傑きってのトラブルメーカー。
 創真を使って葉山の十傑第九席の座を奪おうと目論むとは・・・。
 こういうところもまた、久我ならではと言えましょう。
 まあ、そういう不穏な事をそそのかしつつも、そのための策自体は随分とテキトーでしたが(苦笑)。
 確かに創真は煽りスキルめっちゃ高いけど、相手に明らかな非がある時ぐらいしか発動させないからなあ~。
 天然で発動もさせるけど、相手を侮辱する形ではないし。

 それに創真も言っていましたが、第九席に値する対価という問題もありますよね。
 退学を賭けるだけでは十傑の席の対価に足りないという事は初期に述べられていますし。
 他に思いつく創真の手持ちといっても・・・
 実家の『ゆきひら』。
 これは創真にとってはかけがえのない大切なものでも、葉山からしてみれば一介の下町の定食屋にすぎません。
 『極星寮』。
 創真は寮生であって所有者ではありません。
 というよりそもそも、実家の「ゆきひら」も極星寮も創真は対価に差し出すことなど決してしないでしょう。

 となると、あと思い当たるのは・・・

 えりながセントラルに入る(薊の元に戻る)こと・・・でしょうかね・・・?

 今はまだ自由にさせているものの、薊の計画にとってえりなは“鍵”となる重要な存在です。
 そのえりなを「食戟」という絶対のルールによって確実に手に入れられるならば、充分対価として釣り合うものになるのではないでしょうか。
 まあ、これも創真は自発的には絶対に提案したりしないでしょうけども。
 だから、もしこれを対価として提案する者がいたならば、葉山か久我か・・・もしくはえりな自らになるかな、と。
 有力候補は葉山ですね。
 今の葉山は本当に色々と大切なものを切り捨ててしまっている状態ですから・・・。
 一応この件は保留となりましたが、果たしてどんな波紋を生んでしまうか気掛かりです。



 そんな不穏分子が発生してしまったものの、創真自身は相変わらず感心な姿勢を見せてくれていました。
 「熊」という素材を理解しようとしたこと。
 これは素材を徹底的に活かすという司の姿勢から。
 久我に四川料理との出会いについて尋ねたこと。
 これは「自分の料理の土台(原点)」を確認する四宮の姿勢から。
 それぞれ学び取ったことだと思うんですよね。

 これまで自らが聞き、触れた経験が今の創真の思考・判断を構築している。

 それもまた、葉山の「今まで何をやっていた」という発言への返答だと思います。


 そして外せないのが「実際に現地に赴き、全身で味わってみたい」という意思。
 それは秋の選抜の予選で恵が述べていた、自分の生まれた故郷を知ってもらいたいという思いと重なる考えだと思うんですよ。
 その土地がどんな処なのか。其処の空気を味わいたい。味わってもらいたいという思い。
 創真と恵のそれは、お互いに共鳴しているものなんですよね。

 「特別に大切な人の存在」の有無から、秋の選抜の勝敗が別れた創真と葉山。
 もし今回の対決にも「特別に大切な人」もしくは「誰かのため」というテーマが暗に課せられるとするならば。
 この繋がりは大変重要な意味を成してくるのではないでしょうか。
 
 奇しくも今回、「熊鍋」を作った創真。
 「鍋」というそのジャンルは恵の『アンコウのどぶ汁カレー』と重なる料理です。
 今現在進行中の「遠月革命編(進級試験編)」はえりながメインの章なため恵が表立ってくることは少ないでしょうが、少なくとも私としてはこの潜伏的な創真と恵の繋がりに大いにテンションが上がりました♪


 さて、果たして創真は熊肉に対するどんなヒントを山で掴めるでしょうか?