週刊少年ジャンプ2016年38号掲載
掲載順第11位
第179話 【対面】
次に控える第三次試験は、現十傑との直接対決・・・!!
だけど創真くんはワクワク。
でもってタクミくんもソワソワ。
まともにビビっているのは恵だけでした(苦笑)。
ですが、竜胆先輩は少なくとも創真とは闘うことにはなっていないとのこと。
残念・・・というより、やっぱりといった感じ。
第一席の司との勝負が予想外に早かった分、竜胆先輩との勝負はかなり遅くなるんじゃないかとメタ的な面から思っていたので。
そして明朝。
創真&タクミ&恵は揃いも揃って隈っ子になっていました(大苦笑)。くまくま。
それにしてもここ最近の創真とタクミの意気投合っぷりがやばい。
お願いですから次の人気投票が行われる際はぜひとも「ベストコンビ部門」を設けてください。
全力でこの二人に投票しますので。
そんなどこか緊張感の無い創真達とは違い、えりなは自室で反セントラル勢の事を案じていました。
えりなも勿論この先分断されることを見越した上で対策を取っていました。それが北海道講座だったわけですね。
ですが、十傑が直に刺客として送り込まれたのは予想外だった模様。
さすがにえりなは十傑の一員なこともあって、彼らの実力の高さは重々分かっているようです。
ですが今は信じるしかありませんでした。
自分が見込んだあの料理人達の実力を。
そうして、三次試験が行われる会場へと到着する創真達。
今回の会場は遠月運営の宿泊施設でした。
案の定創真達は他の一般生徒達とは別メニューを課せられることに。
陰湿に企てていた広井や遠藤とは全く違って、なんともあっけらかんに言うあたりさすが竜胆先輩です(苦笑)。
そんな竜胆先輩にえりなは硬い表情で尋ねます。
今度の試験は真っ当かつ正当なものなのかと。これまでの試験のような不正が横行したりしないかと。
えりなとしてもこれ以上の不正は黙っているつもりはないようですね。
えりなの思いを察してか、フェアな勝負を約束する竜胆。
十傑側としてもこれまでの試験の不正は関知していなかったとのこと。
やっぱり広井や遠藤が勝手にやった事でしたか。
独断でセントラルの格を貶めた罰ということでクビにしていいんじゃないスかこの二人?
「ルートは分岐した 薙切ちゃんにできる事はもう 見守ること以外なにもねーんだからさ」
ここの竜胆先輩の言葉に反応した栗うさぎセンサー。(←なんじゃそりゃ)
この言葉って、この場だけでなく別の方面から解釈することもできると思うんですよ。
もし、これまで竜胆先輩と同じ道を歩んでいた仲間が別の道を選んだとしたら。竜胆先輩の道と違う道を歩むことになったならば。
きっと竜胆先輩はそんな相手に対して「見守る」という態度を取ると思うんですよね。
「協力」や「応援」はしない、でも「否定」や「邪魔」もしない。
竜胆先輩はそんな中立的キャラクターだと思います。
そんなところへ、創真の対戦相手となる十傑が到着したとの知らせが。
その相手とは―――
葉山アキラ。
ラストのコマの葉山を見て、思わずポツリ。
あ。薊の中二病が感染しちまった。
というわけで、いかにも仰々しく登場してきた葉山。
創真達は訊きたいことが一杯だろうけど、私としてはツッコみたいことが一杯です。
なんで二階から
なんで髪バサバサ
なにそのコート
あまりの中二病的演出にむしろ引いちまったよ。(葉山ファンの方ごめんなさい)
月饗祭編以来全くの音沙汰無しだっただけに、彼のファンは心配を、それ以外の読者は予想を募らせていたであろう葉山の現状。
私は後者だったわけですが、案の定薊側(セントラル)に加担し、創真達の敵となっていましたね。
まあそういうわけで、敵側についたこともあってか葉山は見事な悪役振り。
「今まで何をしていた」だの
「志が低い」だの
ま~~~言ってくださること。💢
葉山がこうなった原因は間違いなく汐見が関係していることでしょう。
汐見ゼミはどうしたと聞かれ、こともなげに「潰れた」と口にした葉山。
どうやら「汐見が人質にとられているため葉山はあんな行動を取ったのだろう」という予想が多く見受けられますが、私としては、葉山のあの行動は「葉山自身の意思」だと考えています。
何故なら。
葉山は「賢い」子だから。
遠月学園という、日本の美食世界に絶大な影響力を持つ組織。
それに刃向うという事は、日本の美食業界そのものを敵に回すことと同義。
もし自分が薊政権に刃向ったら、自分の上司である汐見も薊政権に刃向ったものと見なされ、酷い迫害を受けることになる。
それを葉山は察知していたのでしょう。
実際に創真達は進級試験であまりにも理不尽な迫害に遭っていますし。
それに、葉山が大切に思っているものは汐見ゼミという“場所”ではありません。
汐見潤という“ただ一人の人間”です。
汐見の安全さえ保障できれば、汐見から教えて貰った「自分の料理」を更に磨き上げることが出来る。遠月学園の頂点への道もより上がりやすくなる(汐見の名声も上がる)。
葉山の価値基準からしてみれば、セントラルに入る事へのデメリットは全く無いんですよね。
物心ついた時から過酷な世界を生きてきたが故に、葉山は歳不相応なまでに現実主義者であり合理主義者ですから。
ですがその一方で、葉山は誇り高い子でもあります。
薊政権の傲慢さに内心ではきっと嫌悪を抱いていることでしょう。
ですが、彼が最優先事項としているのは常に汐見への恩義。
大切な人を守るためならば、自分の手が汚れようが一向に構わない
そういう強くも危うい考えを葉山は持っていると思います。
ですが。
汐見の事を何よりも優先にと考える一方で、葉山は自分の気持ちが洩れ出てしまっていると思うんです。
それが垣間見えるのが
不自然なまでに執拗な創真へのバッシング。
大切な人を守るためとはいえ、内心では気に入らない組織に手を貸すことにした自分。
対して創真は大切な場所を守るため、強大な組織に真っ向から逆らいました。
そんな創真は、葉山からしてみればあまりにも愚かで、無謀で―――
そして、羨ましいのでは。
だからこそ尚更、葉山は創真を非難せずにはいられなかったのでしょう。
それは、嫉妬にも似た反発。
自分には出来ない事が出来る創真。
それは初めて出会った時、
自分には作れないものを作れる葉山に嫉妬を抱いた創真と交錯する心情かもしれません。
どちらにせよ。
これだけは断言できます。
今の葉山に「スペシャリテ」は作れませんね。
第一期でもそうだったため予感済みではありましたが、やはりアニメの進行に合わせて本編の展開を調整してくださった附田先生。
アニメで丁度ぶつかり合っているこのタイミングで、本編ではその闘いのリベンジマッチが始まろうとしている・・・と思うと中々に熱いものがあります。
さて、なが~い間鳴りを潜めていた分、中二病をこじらせて満を持して現れた葉山。
いざ心してこの勝負を見守ることにしましょう。
「今まで何をしていた」だって?
それじゃあ、ご質問に答えましょう。料理でもって。
「志が低い」だって?
そういうキミは志が狭いという事に気付いてないわけ?
こんな葉山だからこそ。
完膚なきまでに打ち負かしてほしい。
その虚勢を。
その狭さを。
ブチ壊してやってください。
今の葉山にそれが出来るのは創真だけですから。
取り敢えず、私が葉山に言いたいことは一つのみ。
髪結え。