いや~~~今週の『暗殺教室』には度肝を抜かされました。
今までは物凄く前向きに「暗殺」というものを捉えられたのですが、いよいよ「暗殺」の“リアル”を思い知ることになるのでしょうかね・・・。
でもこういう描き方が非常に松井先生らしいと納得してしまっている自分です。
そして来月発売の『ソーマ』単行本第11巻の表紙も公開!!
うおーーー!第10巻を境に趣向を変えてきましたね!!
何度も言ってきたと思うけど、ほんと料理漫画に思えん(爆)。
それと一緒に、ドラマCD梱包版の表紙も公開されていましたが・・・。
アレ?
通常版と梱包版ってそれぞれ表紙違うの?
商売上手だな集●社!!!
(二冊買い決定だよ!!)
週刊少年ジャンプ2015年13号掲載。
掲載順第6位
第107話 【理想との距離】
今回の扉絵は前回と打って変わってとても正統派(苦笑)。
そんでもってヘラ顔で凄い事やってる創真さんはやっぱ大物。
何だかんだで順調なスタートを切った、創真と新戸のスタジエール研修。
一方その頃、恵はというと・・・
やっぱガクブルしてました(苦笑)。
一体どうしてこうなっているのやら。
乾の店だったら猫可愛がられてプシュウウウウになってるだろうし(←)、この様子から見るに角崎の店にでも派遣されちゃったのかな?
それともまた黒木場とペアにでも・・・
って
はいいいい!!!???
なんと!
なんと!!
相方がまさかの!!!
えりな!!!
あらまー!
ここでメインヒロインらの邂逅がきてしまうんだなんて!!
てっきり創真を介した恋愛漫画の貸し借りによるものとばかり思っていたのに!!
創真の相方が新戸になった時も驚かされましたが、それ以上に驚かされてしまいました。
うん、附田先生は今日も絶好調のようです。
となると、当の漫画の伏線はどうなるのでしょうかね?
今回の二人の縁を強化することになるのでしょうか。それともまたもや予想の斜め上となる効果を発揮してくるのでしょうか。
そんな二人の研修先は、一つ星獲得目前と言われている高級フレンチレストラン「エクセラン」。
ですがそこの料理長である傘山は外部の者を快く思っておらず、二人に命じたのは皿洗い。
案の定、拒否するえりな。
傘山の見下した態度も問題ありだけど、皿洗いも立派な仕事の内。それを自分には不相応と拒んだえりなはさらに問題ありです。
あまりに険悪な雰囲気に恵ちゃんは気絶寸前。
でも心に思い偲ぶのが創真だったことが嬉しかったり♪(←)
かくしてどうなってしまったかというと―――
えりなは厨房の全てを支配してしまいました。
あ、ここで久し振りに料理関連の専門用語が出てきたので簡単にですが解説を。
ソーシエ・・・ソースを専門に作る係。レストランによっては肉料理と兼任することも。
フランス料理においてソースは非常に重要なものであり、それもあって、この役職に就くのは厨房内のシェフ、もしくは2番手の人が多い。
厨房の組織内で最も尊敬される階級のひとつ。
ちなみに菓子・デザートを受け持つのは「パティシエ」。(これはよく聞きますよね☆)
ポシェ・・・液体を使って低温で茹でること。
(※他にも広い意味があるのですが、ここではフランス料理における一般的な意味を取り上げました)
カリスマ的存在感と的確な指示、そして[神の舌]による秀逸な味見。
その圧倒的な実力によって、店の評価はこれまでより更に上がったと言われるまでに。
えりなに自分のテリトリーを全て掌握されてしまった傘山は、彼女に屈服してしまうのでした。
うっわ~~~どっかの誰かとそっくり★★★
“力”で従わせるえりなのこのやり方。
まさに「厨房の独裁者」。
「あの子」と全く同じです。
その様子を監視していたのが、遠月学園の教務部:西園。
彼女によれば、えりなは研修の合格基準である「目に見える実績を残す」という条件をクリアした模様。
ふーん、ま、確かにそうでしょうね。
全く尊敬はできませんが。
一方その頃、新戸は研修先の店員らとも打ち解け、店長である三田村の店を愛する気持ちに感銘も受けていました。
ですが、創真は順調な今の状態に疑問を。
やはり彼は「実績を残す」という事の意味を単純に捉えてはいない模様です。
でもって「んーーー・・・」なプニ顔が和むったらありゃしないv
帰り道でも、やはり煮え切らない様子の創真。
創真に対して店に何も不満を抱いていない新戸は、「店の力になりたい」と言います。
そんな新戸に、問いかける創真。
見透かされてた。
この店は変わらなきゃダメだと思う。
それ以上は語らず、創真は新戸と別れるのでした。
やっぱり、創真にはドキッとさせられますね。
もう出会ってから二年以上経つというのに。
その言葉が。
その表情が。
その眼差しが。
心を真っ直ぐ射抜きます。
前回で見直したこともあり、どちらかと言えば新戸の方に共感しながら読んでいた私。
「あ~新戸もえりな以外の他者を尊ぶようになったんだな~(^^)」と。
「そうだね、良い人達だし力になりたいよね(^^)」と。
それだけに。
ラストの創真の言葉には考えさせられました。
・・・私なりに考えてみての結論なのですが・・・。
新戸は店の人達に必要とされることで、えりなに必要とされることに対する喜びとすり替えていた・・・?
だとしたら、新戸は自分の本当の気持ちから逃げていたことになります。
「自分は敗北者だから」という理由でえりなから逃げた時と同じように。
葉山に続き、新戸にとって“痛い”言葉を掛けた創真。
もっとも、最低限に留めてくれましたが。(ここが葉山と違うところ)
創真がこの言葉を敢えて口にしたのは、新戸を気に掛けてくれているからこそでしょう。
新戸が自分自身の心を偽っている。
それを良しとしなかったのでしょうね。
そしてそれは多分葉山にも思っていることなんだろうな・・・、と。
今回はえりなが怖いまでの“力”を見せてきましたが、私はラストに見せた創真の“力”の方が怖かったです。
彼の前ではどんな虚勢も、嘘も、全て見抜かれてしまうのが。
久し振りに[氷の女王]たる実力を見せてたえりな。
確かに「適材適所」というのも職場における一つの事実です。
確かに店の料理の質は以前より上がりました。
でも。
えりなを見てると、本当に自分の事は顧みていないと思わされますね。
創真という外部者が自分の聖域(遠月学園)に居るという事には、あんなにも否定しているというのに。
自分が逆の立場に置かれたら・・・とか考えないんでしょうかこの子?
雑務経験なんてこれまで無かったであろうえりなは今回の研修でどうするのだろうと思ってはいたのですが、こう持ってきましたか附田先生。
新戸はこれまで知らなかった「世界」として大切な経験を積むことが出来ましたが、えりなは自らの手で「外の世界」を知るチャンスを潰してしまったわけです。
でもそれだけではなく、彼女の圧倒的実力も見せつけるという形で。
今回のスタジエール研修。
創真が「外の世界」での経験を積める絶好のチャンスとばかり思っていたのですが、派遣先が創真にとって非常に慣れている環境だったことに正直残念感がありました。(勿論創真が大活躍する姿は非常に嬉しいものがありましたが)
ですが、今回を読んで附田先生の意図を理解。
「一般庶民が集う町の洋食屋」という店に創真を置いたこと。
そして、「敷居が高い高級フレンチレストラン」という店にえりなを置いたこと。
お互いに「昔から非常に慣れている環境」という同じ条件にすることによって、創真とえりな、両者の“やり方”を照らし合わせる意味を持たせたのではないのでしょうか?
今回、えりなは己の圧倒的実力によって場を“支配”しました。
そのやり方は非常に脅威的。
だけど短絡的で無情。
自分は動かず、“上”から冷静に周りに指示を出す。
その姿勢はまさに「氷山」。
そんなえりなに対し、創真は「荒野」であり「春の嵐」。
周囲と同じ場に立ち、一緒に動いて、考えてくれる。それが創真のやり方。
多分、創真が店にもたらすのは“変革”。
でも。
西園が「厄介」と言っていた通り、一筋縄ではいかないでしょうね。
なぜなら、店長である三田村は店を愛し、「昔の店」を理想としているから。
『商店街復興編』では、創真は“内”の人間であり、商店街の人達の要望に応えた形での改革でした。
しかし今回は創真は“外”の人間であり、しかもあと数日で去っていく立場。加えて店の人達は「今の店」を変えようとなど全く考えていません。
・・・酷い言い方になりますが・・・。
店長達からしてみれば、創真は長年愛してきた店を変えてしまう「荒らし」になりかねないのです。
だけど・・・創真はそれらを全て覚悟の上で、現状に沿った変革を起こそうとするでしょうね。
もっとも、創真のことですから「これまでの良い所は変わらず、より良く変えていく」という方法を懸命に模索してくれるでしょうけど。
それに。
自分の店が変わってしまうことの辛さ、寂しさ。
その気持ちが店長と同じくらい分かるのは、他ならない創真です。
それを考えると今回の章は、創真の成長という観点から見れば「大切な人の有無」より「“店を継ぐ”ということの意味」を真のテーマにしているのかもしれません。
あとは、創真達に限らずえりな達にも「遠月学園の生徒」と周囲がやたら特別視するのが気になりました。
「遠月学園」「薙切家」というバック。ブランド。
その“肩書”に埋もれない、「自分にしか出来ない事」を研修先で発揮させることが「目に見える実績を残す」という事なのでは?
えりなは自分の力を見せつけることで、より「遠月学園」の、「薙切家」の名を高く掲げました。
対して、創真は「遠月学園」という名を跳ね除けそう。
っていうかむしろそうして欲しいです(笑)。
えりなのやり方は「自分がいなければ良くなっていかない」という考えに基づいたもの。
対する創真のやり方はきっと、「自分がいなくなっても良くなっていけるように」という考えに基づいたものとなるでしょう。
確かにえりなの取った手段は自分の存在を歴然と現場に刻んでいるけど、自分がいなくなったら元の木阿弥。従業員達も、ただえりなに従っているだけです。
一方創真は、店長を始め店の人達一人一人の意識を変えていってくれそうですね。“強者”に頼りっきりにならず、皆が協力し合って前に進んでいけるように。
そして、創真とずっと一緒にいた恵は、えりなのやり方を見てどう思うのか。
えりなとずっと一緒にいた新戸は、創真のやり方を見てどう思うのか。
それも今回の章のひとつのポイントになりそうです。
ヒロインらの邂逅という面で見れば、恵の働きをえりながどう思うのかも気になるところ。
ですが、恵がもう一人のヒロインである郁魅と順調に仲良くなっていることから見ると、少なくとも今回の件では親しくはならないだろうと思います。
むしろ今のえりなは、恵が何かしら活躍しても「自分のやり方に水を差された」と不快に思いそう。
花音も思いっきり恵に反発してたし。(え)
・・・なにこの章凄い深い(汗)。
「箸休め」なんて冗談でも言えませんね。