おお・・・今週の『火ノ丸相撲』、掲載順1位ですか・・・!
連載開始早々この結果は凄いですね。
でも驚きはしたものの納得です。
この作品は、ここ最近あまり見ないほどの熱く清々しいスポーツ漫画ですもの!(^^)
栗うさぎは基本的に飾り気の無いキャラクターが好きなので、主人公の裏表無い真っ直ぐな人柄も素直に好感を抱けましたし。
勿論それだけでなく周囲のキャラクターもそれぞれ良い味を持っていますし、読みやすいですし、ここ最近のジャンプ新連載陣の中では一番楽しんで読んでいます。
この勢いと質をこのまま貫いていってもらいたいですね。
ん・・・?
次号の発売日って今日・・・?
アウチ★
週刊少年ジャンプ2014年33号掲載。
掲載順第8位
第78話 【紙一重の攻防】
当初に予定されていた「第2回レシピ選手権」の発表が変更となり、森崎先生のインタビューと、公式ツイッターにてその模様の一部が伝えられていた、ドラマ「高校生レストラン」で有名な相可高等学校調理クラブの取材記事が掲載。
森崎先生のコメントからは『食戟のソーマ』という作品への、相可高等学校調理クラブの学生さん達の姿からは料理を学ぶことへの、それぞれ真摯な思いが伝わってきて読んでて嬉しくなりました。(^^)
さて、附田先生はこの度の取材で得たことをどのように作品に活かしてくださるのでしょう?
そこもまた楽しみです♪
そして扉絵はセンターカラー。
イタリアンマフィアなアルディーニ兄弟がきましたよ☆
センターにタクミ、その隣に付き添うように佇むイサミ。
タクミはマフィアのドンらしく、どーんと座っていますね。(※栗うさぎの半分はオヤジギャグで出来ています)
「イタリア」繋がりとはいえ、「マフィア」に行っちまうところが佐伯先生の驚異的なセンスだと思う。
少し前のカラーのヤンキースタイルなイケメンカルテット&恵といい、「ちょい悪」が今の佐伯先生のブームなのでしょうか・・・?
さて本編。
美作遂にアウト領域に入っちゃった★
これまでのストーカー・・・いや盗撮・・・でなくて調査行動はギリギリセーフと思っていたのですが、部屋中に写真を貼りまくるのはもはや誰がどう見ても異常。
あ~あ・・・第73話から比べて美作支持の人どれぐらい減っちゃったんだろう・・・。
自分の手の内が知られてしまっている以上、これまでの自分の料理を更に超えるしかない。
そう決意はしたものの、思いのほか苦戦してしまっているタクミ。
「タクミっちの品を完璧に予測してるのなら今のうちに対策を・・・」と言う吉野。
「タクミっちの品を・・・」と。
「タクミっち」
吉野、キミいつの間にタクミとそんな仲に!!??(←)
一晩寝食を共にすることでこれほど親しい仲になるとは驚き!
これでタクミが吉野を「よしのん」とか呼んだりしたらどうしよう。(ありえねえから)
タクミが苦戦している理由の一つ目。
それは美作の品を上回る工夫に使えそうな食材がほとんど残っていなかったこと。
デザート(お菓子)作りは精密に行われる分、材料に余りが出にくいという思わぬ落とし穴が。(小麦粉までピッタリだったの?と野暮な疑問を持ってしまったのはここだけの話)
タクミの手元にある残りの材料はこれだけ。
卵数個、トッピング用のレモン1個、バターほんの少し、あとは砂糖、グラニュー糖等の調味料。
確かにこれは中々厳しいですね。
これじゃあカスタードクリームも作れやしませんよ。
必死に思考を巡らすものの、時間は待ってはくれず。
時間に押される形でただ当初のレシピの通りに調理を進めるしかないタクミ。
これがタクミの苦戦の理由の二つ目。
自分の敷いた筈のレールに縛られてしまっているということ。
これは非常に興味深い着目点であり表現でした。
事前にしっかり考え抜かれていたレシピだからこそ、急ごしらえの策を無闇に加えれば全体の味のバランスを壊してしまう。
そして調理開始から完成までの手順もしっかり計画していたからこそ、次々と最初に決めていた通りの流れが来て、それを遮ると時間切れという自爆に陥ってしまう。
自分で考え計画したことが、まさか自分自身を逆に苦しめることになってしまうんだなんて・・!
一方の美作は、スポンジにまたもやタクミの品を上回るための一工夫を。
おお、「ビスキュイ・ジョコンド」ですか。
懐かしいな~その名前。
昔大好きだったテレビ番組によくその名前が出ていましたっけ。
考えあぐね、タクミは固まってしまいます。
そんなタクミの様子に、「負けるのがわかっている皿を出すのが怖いんだろ?」とせせら笑う美作。
違うから!!
勝つための策を懸命に考えているだけだから!!
むしろ、「お前もそうだろ?」と思っているあたり、負けを恐れているのは美作の方なのでは?
そんな中、ふとタクミの目に入ったのは一本のオリーブオイル。
それは、お守り代わりにいつも持っている特製の物でした。
・・・ああ、なるほど。
第72話で試合前日の夜にイサミが言っていた、必勝のお守りとはこれの事だったのですね。
これにも何か兄弟のエピソードが関わっているのでしょうか?
オリーブオイル。
そして自分と美作のこれまでの調理―――
何かを閃くタクミ。
そうして、先に品を完成させたのは美作。
あ!や~~~っとお爺ちゃまの苗字が判明しました!
大泉殿と仰るのですか!!
ではこれからは大泉のお爺ちゃまと呼ばせてもらいましょう・・・と思ったのですが少々長いので(爆)、親しみを込めてこれからもお爺ちゃまと呼ばせてもらいますね。(^^)
そんなお爺ちゃま、タクミの品を真似して、そこに勝つためだけの工夫を上乗せした美作の品を大批判。
「食戟とは何だ!?それぞれの信念を量り合う魂の激突だ!! 料理人としての信念が無いのか貴様ぁ!!」
ごもっともーーー!!
よくぞ言ってくださいましたお爺ちゃま!
これまで明朗でありながらも飄々としたイメージだったのですが、結構熱い真っ直ぐな考えを持つお方だったのですね。
いい人だな~。選抜が終わってもちょくちょく出てきてくれないものでしょうか。
ああそれなのに。
自分の信念は「微に入り細を穿つ」だと言い、勝つ努力を惜しまなかった事のどこが悪い?といけしゃあしゃあとのたまう美作。
その言い分はある意味間違ってはいないと思います。
実際美作の模倣スタイルは、自らの徹底的な調査と観察によって推測したものですからね。これでレシピを丸ごと盗み取るようなことをしていたら、それこそ救いようの無い屑でしたが。
でも・・・、「勝つ努力」というのはそういう行為に用いる表現では無いと思うのですよ・・・。
確かに文章にすればその通りではあるのですが、でも・・・。
美作のやり方は「勝つための努力」というより、「負けないための対策」と言った方が適切かと思います。
それにしても美作、もはやすっかり顔芸キャラやな!!(苦笑)
ここまで振り切れた悪役顔やギャグ顔をこなせるキャラは、この作品では中々貴重だと思うんですよね!
それでいながらコイツは、決める時はかなり格好良い表情も出来ると思うんですよ!(第74話で勝者は葉山と断言した、あの横顔で確信)
何度も言います。
あ~~~勿体無い勿体無い勿体無い!
ほんとお願いですから、料理人としての誇りに目覚めて頂戴!!(><)
どうこう言おうが、食戟はどちらの品が美味いかを決めるためのもの。
それはどうしようもない事実であるため、非常に悔しくもお爺ちゃまは反論出来ません。
そんな心境で食したリアクションはというと。
一昔前のツンデレ少女マンガ(汗)。
デザート(スウィーツ)という女心にマッチしたお題と、「認めたくない!!でも惹かれてしまう・・・!」というジレンマを「ツンデレ」として表現したわけですか。
正直笑ったらいいのか引いたらいいのか分からなくなるシュールさでしたが、ある意味これこそが附田ギャグと言えるかもしれませんね(笑)。
ここ最近は他作品のパロディネタが多かったですが、やはり私はこういう“附田先生らしい”ギャグの方が好きです。
「作詞 附田祐斗」。ツボでした(笑)。
正当な言い分さえも黙らせてしまう美作の品。これではタクミは・・・。
そこへ、遂に自分の料理を完成させたタクミ。
もはや皿を出さないだろうとさえ思っていた美作にタクミは言います。
「俺はプロの料理人だぞ 皿はなにがなんでもお出しする お客が待つ卓へ」
よく言ったーーー!!!
それでこそ創真のライバル!!
「現場」を知るプロの料理人!!
やはりこういう確固とした誇りある発言は聞いててスカッとしますね~!!
タクミの品が、事前に試作していたものとは違う事に気付くイサミ。
新たに追加されていたのは一つの薄い層。
その“一つの層”が起死回生となるのでしょうか?
う~ん、前回がとても格好良い引きだった分、今回は前回の勢いが少々たたらを踏んでしまったように感じてしまいました。
あの至高の第32話のような勢いを期待していただけに尚更だったのかもしれませんね。いけないね。
ですが、それでも美作やタクミの発言の端々に「お!」と思ったり、「ん?」と気になったりと、着目させられるポイントがしっかり組み込まれており、相応に内容のある回だったと思います。
それを考えると、前回は“助走”、そして今回は“踏込み”だったのでしょうね。
そして次回で“跳ね”となるのでしょう。(一瞬、「“ジャンプ”となるのでしょう、少年ジャンプだけに」と思ってしまったこの脳みそをどうにかしたい)
タクミにとって非常に有利と思っていた「デザート」というお題。
それが予期せぬ形で不利に働いてしまうというのは、これまでに無かった形でかなり興味深かったです。
この深い視点は毎度のことながら感嘆もの。
本当に面白いですよ、この料理漫画は。
繊細な調理における盲点。
入念にすればするほど、綿密に考えれば考えるほど、予想外の支障が起きた場合、その完璧さが一転して仇となってしまう。
今回のタクミがちょっと余裕無さ過ぎに感じられるほど終始切羽詰まった表情になっていたのは、繊細で緻密な調理法が逆にタクミの余裕や自由な発想を奪っていたのを意味していたのかもしれませんね。
そしてこういう話を目にすると、どっかの完璧主義なお嬢様が思い浮かびます。
果たして彼女の「完璧」はどう転ぶことになるのやら。
これまでの第一回戦で繰り広げられてきた対決は、それぞれ勝敗を決めた要因がそれぞれ示されていましたね。
創真VSアリス戦では、「お弁当」という“お題への着目点”。
黒木場VS恵戦では、“旨味の強さ”。
葉山VS新戸戦では、“五感への訴え”。
そして今回のタクミVS美作戦では何が勝敗を分けるポイントとなるのか。
これまでの調理の様子や注目点を見てみると、「繊細さ」にかなり重点が置かれているんですよね~。
そのことから考えると、やはりここは「繊細さ」をひっくり返す「大胆さ」で勝負を懸けてくることになるのでしょうか?
美作の品で審査員達は乙女化されてしまっていましたが、ここはいっちょ繊細さだけでなく大胆さで完全に虜にしてくれることを期待しましょう!
今回のサブタイトル【紙一重の攻防】。
“紙一重”という表現を、今回ラストにタクミが逆転を懸けた「一つの層」と掛けたのでしょう。
サブタイトルの言葉の妙も毎回楽しんで考察させて貰ってますが、その“紙一重”が「一枚上手」という言葉にも掛かってくれることを期待します!!
・・・それはさておき。
そろそろ創真のガツンとした出番が欲しいな~~~。
なんて思ったり。