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Curse priest

Trigger Happy 出張所。D.Gray-manとシャドーハウスのネタバレ感想、アニメ感想を書いてます。

鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST 第30話「イシュヴァール殲滅戦」

2009-11-01 18:07:31 | 鋼の錬金術師
原作では1巻かけて描かれた、ハガレン最大の原罪。
目を背けるな、と繰り返しながら、何故この話を1話でまとめるのだ。
エンターテイメントとテーマ性を取り違えるな。
かなり残念だった、ハガレン第30話

鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST 第30話「イシュヴァール殲滅戦」

エド達主要キャラには三つに分かれた原罪がある。

エドとアルには人体錬成。
ロイやホークアイ達軍部やスカーには、イシュヴァール。
そして、ホーエンハイムには、まぁ、それはおいおい。

最も大きいのは、最も関わった者の多いイシュヴァール殲滅戦だろう。
恐らく上層部以外の軍部の者にとっても、何故、地方の内乱に過ぎないものを
ジェノサイドにしなければならないのか、解らないまま終っただろう。

上層部はイシュヴァール人で賢者の石を作る。
お父様は血の紋を国に刻む。

理由として、実はたったそれだけで、特に産業も埋蔵物もないイシュヴァールを多大な戦費を費やして潰しても、アメストリス国自身にとっては消耗するだけの何の益もない戦いである。
お父様はどーせ潰しちゃうつもりの国だから、国が疲弊しようとちっともかまわなかったんだね。
7年もかかってるんだから、疲弊したのをいい事に他国にいいように侵略されたら困ると思うけど、そこは何とか出来ちゃう自信があったからやったんだろう。

それはいい。
が、恐ろしいのは、この何の益もない(一応「東部の平定」という国民へのお題目はあった)戦いが何の疑問も反対もなく遂行され、誰一人食い止められないまま終了してしまった事だ。

勿論、その中で個人個人にドラマはあった。
戦争の中で磨り減っていく精神、狂気、憎悪、小さな小さなドラマ。逸話。
それは一つとして、この内乱を覆す事も世論を揺るがす種にもならなかったが、各々の中に残った。

それは今のロイやホークアイやスカーの原動力になっている。
ヒューズがロイに残した言葉に重みが出る。
守る事、憎む事。捻じ曲げられた人生に、それでもそれを受け入れてその上に人生を築こうとする彼らに説得力が出るのだ。

だからこそ、もっと丁寧に、それこそオリジナルを含めてもいいからやって欲しかった。

私達は戦争を知らない。
TVだの映画だの見はするが、何処まで行ってもエンターテイメントでしかなく、ああ、ひどいね、戦争はやっちゃいけないね、と言いつつも、銃を乱射するシーンを爽快だと思い、敵を薙ぎ倒すシーンに心を躍らせるような作りになっている。
(紅蓮の錬金術師さんは思い切りヘルシングの誰かさんを思い出させてくれたし(笑)

今回のハガレンもそういう人間の暗さ、その中での足掻きを何故か全部そぎ落としてしまって、ラストで本編に戻してしまった。
既に分散して使ってしまったシーンもあるし、各々のキャラ個人のエピソードとして描くつもりでいるかもしれない。

戦争はごく個人的な体験である、という観点であれば。

でも、今までのスルースキルをこの1話に限っては何故駆使したの?って残念でならない。
ホーエンハイムパパに1話オリジナル入れる余裕があるなら尚の事、ここで使って欲しかった。
原作通りで描いて欲しかった。

キライなんだけどさー、イシュヴァール殲滅戦。
久しぶりにヒューズに会えた!にしても、キライであるし、キライである事が人間として当たり前だと思う。

でも、目を背けるなと言うなら、真正面で見るつもりだった。
今まで散々グログロしいシーンはやりすぎ(笑)までやってきたのに、戦争となるといきなり大人しくなるってどうだろうね。

そういう訳で残念でした。
お医者様が「俺は人同士で争うのはもう見たくない」ってランファン達に言って欲しかった。

あの苦さが今回はなかった。教科書ガイド並みだった。単なる経緯だった。
アニメしか見ない、知らない派には「まー、大変だったのねー」程度に終ってしまって、これからの戦いも踏まえて、「お綺麗」に描こうとしてしまった今回の軽さがとっても残念です。


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