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 秋 田 奇 々 怪 会

心霊現象、死後の世界、臨死体験、輪廻転生、古代文明、オーパーツ、超常現象、UFO等不思議大好きの会です

イザベラ・バード奥地紀行6

2018年05月12日 | 本・雑誌から
【津川から船で新潟入り】新潟で一週間ほど過ごす。新潟は美しい繁華な町と言っている。
「日光と同じ様に、ここもよく掃き清められた街路を泥靴で歩くのは気が引ける。藁や棒切れが一本でも、紙一枚でも散れば、たちまち拾い上げられて、片付けられてしまう。どんな屑物でも、一瞬間でも街路に捨てておく事はできない」
美しい繁華な町である。人口は五万で、富裕な越後地方の首都である。(中略) 病院と県庁、裁判所、諸学校、兵舎、そしてそれらすべてに劣らず大きな銀行とがあり、みなヨーロッパ風の建物で進取的で、ひときわ目立つが、けばけばしくて味気がない」

【新潟を出た後の沼というで】「あるみじめな宿屋に行くと、そこの女は出迎えて言った。”すみませんが、とても汚くて、こんなりっぱなお客さんをお泊めすることはできません”、彼女の言う通りだった」
「伊藤に全世帯の名前と数、性別を調べさせた)二十四軒の家に、307人が住んでいた。ある家には四家族が同居していた。」

「吉田は豊かに繁栄して見えるが、沼は貧弱でみじめな姿のであった。
しかし、山腹を削って作った沼のわずかな田畑も、日当たりのよい広々とした米沢平野と同じように、すばらしくきれいに整頓してあり、全くよく耕作されており、風土に適した作物を豊富に産出する。
これはどこでも同じである。草ぼうぼうの「なまけ者の畑」は、日本には存在しない。」

日暮れも近いので黒沢での宿泊を考えたが、あいにく黒沢に宿屋はなかった。更に人馬の調達に時間がかかったため、1時間程の休息を止む無くされた。
石に腰を下ろし、この地方の人々の事を考えていた。
「子供たちは、しらくも頭に疥癬で、眼は赤く腫れている。どの女も背に赤ん坊を負い、小さな子どもも、よろめきながら赤ん坊を背負っていた」
そんな様子を観察していると、一人の酔っ払った女性がよろよろと道を歩いてきた。通訳の伊藤は、イザベラに酔った女性を見られた事をひどく気にして、とても恥ずかしい事だと言って、手で顔を覆ってしまう程であった。
「休憩した所で、休息料として普通置くことになっている二銭か三銭をどうしても受け取ろうとしなかった。私が水だけで、お茶を飲まなかったからと言うのであった。無理に金を取らせると、女はそれを伊藤に返した」
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