Strawberry Sunday♪

楽しいこと、嬉しいこと、悲しいこと、日々徒然・・・。

漫画を読んで考えたこと

2005-05-17 12:45:27 | Weblog
あまり漫画というものを読まない私が、一つ好きで読んでいるのがある。クラシック漫画と呼ばれるコメディータッチのかなり面白い作品なのだ。
その中で、バイオリンの天才の男の子がレッスンをしている場面がある。
その子はレッスン中に、家庭内のごたごたでの悩みや怒りを師匠にむけて思わずぶちまけてしまうのだ。
その後の師匠の言葉。
「もう今日は帰りなさい。」
男の子「え?」
師匠「なんか、すっきりしちゃったでしょう?」
そういって、師匠はその子を帰してしまう。
その場面を読んで気づいた。
芸術って、すっきりしちゃダメなんだ~~と。

悩んだり、苦しんだり、何か心の中で激しい葛藤がある。
その中から芸術は生まれてくるものなのか。
そういえば巨匠と言われる人たちはほとんどが苦悩を抱えていたような気がする。
画家なんてまさにそうだ。

私はお花を生けるけど、だいたい 気持ちが穏やかではないとき、あぁ今日はダメだっと思ってるときほどいい花が入る。
またそういうときは決まって生けるのに時間がかかるのだが。
ああでもない、こうでもないと花一輪をあっちやりこっちやり。
なにか悶々とした思いが花に投影されるのも不思議だし面白い。
でもそれでダメだしをされることは少ないのだ。
もちろん、穏やかでなければ入らない型もある。
役枝が決まっている生花などがそうだ。
でも自分の発想が求められる立花新風体や自由化などの場合は苦悩している時の方が意外な作品になったりするのだ。
そういえば、お花の世界でも、天才的と言われる先生方はだいたい繊細で傷つきやすい人が多い。
心の中にいつも葛藤を抱え、自分の弱さを見つめながらそれを作品で表現しているのかもしれない。

音楽でも絵画でも何でも、自分の中のわきあがる想いを込めてこそ作品が生きてくるものなのか。
喜びや怒り、悩み妬み、その他いろいろなものが混然となった心が
芸術を生み出す母親のようなものなのかもしれない。
すっきりと安定した場からは生み出されないのだ。

芸術家と呼ばれる人たちの足下になど及ぶはずもない私だが、その漫画の場面にはなにか納得させられるものがあった。



人の心の葛藤って凄まじい。

ほとんど狂気の世界に近いのじゃないのか。
そのどろどろぐちゃぐちゃの中から 転生するように何かが生み出されてくる。
まるで蓮の花だ。

なんてキレイなんだろうと思う。


そしてあらゆる混沌から生まれ変わったものが、他の誰かを癒しているのだ。

人って、そういう存在なんだよね~。


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