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世田谷文学館長の「永井荷風巡歴」

2014年02月28日 | 幸徳秋水・鶴彬

「大逆事件と幸徳秋水」についての文学作品に永井荷風の「花火」や徳冨蘆花の「謀反論」等があります。

区立世田谷文学館の館長菅野昭正氏の著作十数冊が並んだ書棚コーナーの中にある「永井荷風巡歴」(岩波書店刊)207Pに「・・・ときに見受けられるように、『自分の芸術の品位を江戸戯作者のなした程度まで引下げる』という思案が、大逆事件の被告をのせた『囚人馬車』を見たとき、一気に固められたと速断するのは、『花火』の筆者の巧妙な文飾に誘導されすぎるからである。実際のところは、明治末期から大正初年にかけて、さまざまな条件がからまりあうなかで、永井荷風の小説家としての位置はゆるやかな斜面を滑るように、戯作者ふうのところまで、しだいに変異していったのにちがいない。・・・」と菅野氏が評論をしています。

管理人は「筆者の巧妙な文飾に誘導されすぎるからである」との真意を館長菅野氏に質問しようと思いましたが、学芸員から著作物への質問や意見は著作者ではなく、出版社に質問・意見をしてもらうことになっていると云われましたので、「監獄署の裏」や「花火」を読み直したり、牛込区余丁町の永井荷風自宅(断腸亭)と市ヶ谷監獄・東京監獄(市ヶ谷刑務所)との地勢を再度調べてから、岩波書店に対して文書質問をすることにしました。

【注】「堺屋太一美術館問題」を審議している新宿区文化芸術振興会議の会長高階秀爾氏との共著書籍も書棚コーナーにありました。『徹底討議 19世紀の文学・芸術』(菅野昭正、平島正郎, 高階秀爾共著)青土社, 1975年

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