九段会館が、千代田区景観まちづくり重要物件第一号に指定されていることが、千代田区公式ホームページから分かりましたので、千代田区議会の共産党幹事長木村正明議員に相談をしました。
「所有者の申出等により、景観まちづくり重要物件の指定を解除する場合があります。」となっていますので、国は「指定解除」の申し出を千代田区にしなければなりません。また解除の申し出を受けた千代田区長は、景観審議会の意見を聴き、その指定を解除することになります。
条例では「建築物、工作物その他の物件の所有者等の同意を得なければならない。区長は、第1項の規定による指定をしたときは、その旨を所有者等に通知するとともに告示しなければならない。」となっていますので、所有者である財務省関東財務局の「同意」があり、また財務省は「通知」を受領していることになります。
(景観まちづくり重要物件の指定)
第23条 区長は、建築物、工作物その他の物件で景観まちづくり上重要であると認めるものを景観まちづくり重要物件(以下「景観重要物件」という。)として指定し、必要があると認めるときはその保存等のために技術的支援その他の措置を講ずることができる。
2 区長は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ景観審議会の意見を聴くとともに、建築物、工作物その他の物件の所有者等の同意を得なければならない。
3 区長は、第1項の規定による指定をしたときは、その旨を所有者等に通知するとともに告示しなければならない。
4 区長は、景観重要物件が景観まちづくり上の価値を失ったときその他特別の理由のあるときは、景観審議会の意見を聴き、その指定を解除するものとする。
区では、区民の皆様に親しまれ、景観まちづくり上重要な建造物等を千代田区景観まちづくり条例に基づき、「千代田区景観まちづくり重要物件」に指定しています。
また、区では、指定された物件の保存等に必要な工事を行う際には、専門家の派遣や工事費の一部を助成するなど、積極的な支援を行っています。
なお、所有者の申出等により、景観まちづくり重要物件の指定を解除する場合があります。
指定物件数(平成25年7月現在):建築物等:32件38棟、橋梁:17件19橋
千代田区景観まちづくり重要物件指定一覧表(指定順)
番号 1
名称 九段会館本館
所在地 九段南一丁目6番5号
設計者 川元良一
竣工 昭和9年(1934)
歴史・文化的特徴
旧名称は「軍人会館」といい、帝国在郷軍人会の施設であった。昭和 11 年(1936 )に起 きた 二・ 二六事件の際には戒厳司令部が設置され、歴史的舞台となった。
戦後GHQ(連合国軍総司令部)に接収され 、連合軍の宿舎となった。
1953 年より国から(財)日本遺族会に無償貸与され「九段会館」と改称、ホテル・結婚式場・ 貸ホール等を運営してきた。
意匠・構造の特徴
「国粋ノ気品ヲ備ヘ荘厳雄大ノ特徴ヲ表現スル」という設計競技の要求にこたえ、最上部に城郭風の意匠を取り入れたもので、昭和初期流行した帝冠様式の代表的建物。
外観は、地形に合わせて突出部分を多くして変化に富み、外装タイルは、震災復興期特有のスクラッチタイルを使用している。建物の隅部には、細かい直線的なモチーフの繰り返しが見られ、基本的に洋風である下部と和風の最上部と調和を図っている。当時最新の設備を誇 った建物 。
周辺景観との関係
内堀通りと靖国通りの交差点に面して建っており、西側には牛ヶ淵濠が広がっている。九段坂の坂上からは建物を一望することができ、濠の水辺空間、土手の緑と建物の落ちいた色合が調和した景観を形成しいる。
周辺景観のど位置からも建物を一望することができ、地域のランドマーク的な役割を果たしている。建物のある九段周辺は、靖国神社など戦前の地域的特色を濃く残した場所であり、九段会館も地域を特徴づける代表的な建物のひとつである。
【傍線は管理人】