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国・都・JR東日本の「民間都市再生事業計画」に突然立ちはだかった「国特別史跡級の高輪築堤」に信号機跡が出土

2021年04月06日 | 鉄道の歴史と高輪築堤問題

内閣府が推進している『都市再生緊急整備地域及び特定都市再生緊急整備地域の一覧』に「【特定地域】品川駅・田町駅周辺地域品川駅北開発計画」があり、東京都は「東京サウスゲートの形成」として「品川・田町開発計画」があり、JR東日本が主な事業者となっています。

明治末期以降に埋め立てられた際に撤去されたとも考えられていた「高輪築堤」が、2019年にJR品川駅改良工事の現場から石積みの一部が見つかりました。20年7月にはJR東が再開発を進める高輪ゲートウェイ駅前の車両基地跡からも発見され、これまでに確認された遺構は計約1・3キロに及びます。

日本考古学協会は「高輪築堤跡は近代日本の至宝です。遺構全体を現地で保存する以外の選択肢はありません。これを高輪一帯の新たな街づくりの中心に据え、先人の努力に市民がじかに触れられるようにすること、それが現代を生きる私たちの使命と考えます。」と「高輪築堤跡の全面保存を求める会長声明」を発表し、JR東日本に申し入れをしました。更に日本史研究会・日本歴史学協会・秋田近代史研究会・大阪歴史学会・関東近世史研究会・京都民科歴史部会・交通史学会・専修大学歴史学会・総合女性史学会・地方史研究協議会・中央史学会・東京歴史科学研究会委員会・東北史学会・奈良歴史研究会・日本考古学協会埋蔵文化財保護対策委員会・日本史研究会・日本風俗史学会・文化財保存全国協議会・宮城歴史科学研究会・明治大学駿台史学会・歴史科学協議会・歴史学研究会が「高輪築堤全面保存の声明」を出しました。

こうした歴史専門学会等の動向を受けて、萩生田文科大臣も現地視察をしました。日本で初めての鉄道を軍部の反対を押しのけ、海側に築堤を築き線路の敷設することで鉄道事業を推進してきた郷土の偉人大隈重信候の功績である「高輪築堤」を保存したいと佐賀県山口祥議(よしのり)知事が上京して萩生田文科大臣に面会しました。山口知事は職員を文化庁に派遣し、築堤保存に全力を挙げると意気込んでいました。

4月4日、港区教育委員会はJR高輪ゲートウェイ駅前の4街区から「信号機」跡の石垣が出土したと発表しました。

港区教育委員会「高輪ゲートウェイ駅前の出土状況について

(作図は管理人)

日本考古学協会会長は、直ちに『報道によりますと、3街区の第7橋梁を中心に現地保存が検討されているとのことです。しかし、この築堤は日本の伝統的な技法にイギリスの先進技術を加えた最先端の土木工学により、世界的にも珍しい海上築堤という方法で造られたものであります。今回の事業区間内で検出された遺構を全面的に保存しなければ、その意義を根底から覆すことになってしまいます。また、信号機跡と推定される遺構の発見は、築堤全体の意義をさらに高めるものと考えております。』との「高輪築堤跡4街区調査成果公表にあたっての日本考古学協会長コメント」を発表しました。

(了)

 

 

 

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