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Facebook友達の加藤正衛氏から三回目の寄贈品「1973年6月15日号週刊朝日」の「増原発言にみる天皇と政治の危険な関係」

2021年07月18日 | 天皇制・皇室問題

Facebook友達の加藤正衛氏から三回目の寄贈品については「返上した東京オリンピック日の丸の旗」をアップしました。段ボール箱の中に「週刊朝日1973年6月15日号」が同梱されていました。

6月24日、西村泰彦宮内庁長官が定例記者会見で「国民の間に不安の声がある中で、ご自身が名誉総裁をお務めになるオリンピック・パラリンピックの開催が感染拡大につながらないか、ご懸念されている、ご心配であると拝察をいたします」と、発言したことに関連して、「1973年6月15日号週刊朝日」の「増原発言にみる天皇と政治の危険な関係」を転載します。同時に、何時も天皇問題では参考にしている「天皇陛下の全仕事」から「内奏」部分も転載します。

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  なぜ内容は公表されないのか(312頁)
  内奏や進講の内容はなぜ公表されず、また公表してはならないのだろうか。ここには、現憲法下での「象徴天皇」という存在の中で、天皇が政治的に利用されるのを防ぐ、つまり、内奏などを使つて政治家らが天皇を政治利用するのを防ぐという意味がある。
  実際かつて、内奏を使つて天皇が政治利用されようとしたのではないかという事件が起きている。昭和四八(一九七三)年五月二六日、当時の増原恵吉防衛庁長官(現在の防衛相にあたる)が、昭和天皇に所管の防衛問題について内奏を行つた後、記者団に「『旧軍の悪い所はまねせず、いいところを取り入れてしつかりやつてほしい』とのお言葉があり、防衛関連法案の審議を前に勇気づけられた」などと語つたとされている。
  この発言について「天皇の政治的利用」との批判が起き、昭和天皇の発言として報道された内容について、政府は発言自体を否定、増原氏は責任をとり、辞任した。このケースなどからいえば、自らの政治目的の達成のために、天皇陛下のご意向も自分たちと同じなのだから、ということをにおわせ、対立する勢力に対し批判しづらい方向にもつていこうとする、という危険がつきまとう。また、誤解を受ける恐れもある。このケースでいえば、昭和天皇が実際に、てのような発言をしたのかどうかはまつたく不明なのに、内奏を行つた側だけの発表によつて、天皇の発言として既成事実化してしまう危険が生じる。そのような意味からも、内奏などの内容は明らかにされないのである。ちなみに、増原発言について、当時の政府は、発言内容についてだけでなく、「天皇の政治利用」が行われたことについても否定している。

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(了)

 

 

 

 

 

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