葵から菊へ&東京の戦争遺跡を歩く会The Tokyo War Memorial Walkers

パソコン大好き爺さんの日誌。mail:akebonobashi@jcom.home.ne.jp

『1945ヒロシマ連続講座2016』「ウクライナを考える」

2022年03月20日 | 外交問題

[2022-3-20]『1945ヒロシマ連続講座2016』「ヒロシマ通信」メンバーのみなさんへ

【今日の通信】

今度のウクライナの問題では「情報戦」という言葉が大きく取り上げられています。
インターネットの存在が戦争にどう関わるのか? 私たちは何を見ているのか・・・? 何をどう信じればいいのか・・・? 

今日の通信はあるブログからの引用ですが、ここに書かれた内容に反論もあるでしょう。ウクライナから距離としては遠く離れた私たちのこの国ですが、地理的な距離ではなく心理的な距離としてはどうなのか? 論争よ起これ、気持ちでいます。

<文字お越し>

  ウクライナを考える
                                    ・・・・・・あるブログから
 どうも≪反米であれば何でもいい≫と言わんばかりに、ロシアは米国・西側陣営に圧迫された弱者であるかのように擁護する言説がちらほら見受けられます。途方もない「歴史修正主義」言説だと言わざるを得ません。
 ロシアが米・仏・英・日などと大差ない、一方の帝国主義国家であったことは、ロシア/ソ連の歴史を振り返れば一目瞭然です。
 1858 年のアイグン条約と 1860 年の北京条約で満州のかなりの部分を清朝(中国)から奪ったのは誰か? → ロシア帝国です。
アイヌ民族などの土地であるクリル/千島列島を日本とともに分割したのは誰か? → ロシア帝国です。
 1939 年にナチス・ドイツと独ソ不可侵条約を締結し、ナチスの欧州侵略を放任したばかりか、ポーランドをドイツとともに分割占領し、フィンランドからカレリア地方を戦争で奪い取り、ついにはバルト 3 国を併合するまでに至ったのは誰か? → スターリン率いるソ連です。
 日本敗戦後の朝鮮半島を米国と共に南北分割占領し、今日の分断をもたらしたのは誰か? → スターリン率いるソ連です。
 共産圏に加わったハンガリーとチェコスロヴァキアにおける体制内改革の動きを危険視し、軍事侵攻して潰したのは誰か?
                                                    → ソ連共産党体制です。
 アフガニスタンに侵攻し傀儡政権を据え付け、ムジャヒディーンの激しい抵抗を引き起こし、今日の混乱の源を作ったのは誰か?
                                                    → ソ連共産党体制です。
 ロシア/ソ連が弱者でも被抑圧者でもなく、その逆であることは一目瞭然でした。少なくとも中華民国成立前の清朝末期以来、帝国主義列強から領土(香港、遼東半島、満州など)を奪われこそすれ、他国を侵略したことのない中国と同列に「米国から不当な圧迫を受ける国」として描き出すことは、全く見当違いなのです。
 NATO は本来解体すべきであったし、少なくとも東方拡大するべきではなかったと私も思います。バルト 3 国や旧共産圏の東欧諸国は、スウェーデンやフィンランドと同様の中立国に留め置かれるべきでした。NATO によるセルビアやリビアに対する極めて一方的な軍事介入を批判せず、現在のロシアのウクライナに対する攻撃を批判するのが二重基準であることは言うまでもないことです。
 しかし、なぜバルト 3 国や旧共産圏の東欧諸国が NATO 加盟を切望し、ロシアの望まない東方拡大に至ったのか、そのことも考える必要があります。それは、ひとえにこれら諸国がロシアに強い不信感と警戒心を抱き、ロシアに対する万が一の備えとしての安全保障システムを NATO に求めたからです。特に、過去 1 世紀以内にロシア/ソ連の侵略・軍事侵攻にさらされた歴史のあるバルト 3 国やポーランド、チェコ、スロヴァキア、ハンガリーが NATO 加盟を求めたのは、善し悪しを別にして理解可能なことです。
 要するに、ロシア側はこれら諸国の歴史的不信感を拭い去る努力をしなければならなかったし、それをしなければ、これら諸国が別の安全保障システムを求めることを、止めることはできないのです(日本が朝鮮半島の植民地化も朝鮮戦争の後方基地としての役割も何ら反省せず圧力ばかりかけるがために、DPRK(朝鮮民主主義人民共和国)が日本の安全をも脅かしうる重武装に進んだことを批判する資格がないのと同じことです)。
 現に、バルト 3 国や旧共産圏の東欧諸国が NATO に加盟したのは基本 的にプーチン政権発足後の 2004 年以降であること、先行したポーランド、ハンガリー、チェコでさえエリツィン政権末期の 1999 年(プーチンが首相に就任した年)に加盟していることに、よく留意する必要があります。
 つまり、ロシアにおける大国主義が政治的に復権し始めてから、これら諸
国は NATO に雪崩を打つように加盟していったのです。これまた善し悪しは別に純粋に国際法的な問題として、たとえ隣国が気に入らない軍事同盟に加盟したからといって、一方的に軍事攻撃するのは、まぎれもない違法行為です(外交関係の選択は国家主権の問題だからです)。ましてや加盟を申請しているだけの段階で攻撃するなど論外です。それは当たり前の常識として押さえておくべきことです。
 例えば日本のように、停戦中とはいえ今も継続している朝鮮戦争の一方の当事者である朝鮮≪国連軍≫とその主力たる米軍の軍事基地を置かせている後方基地国家が仮に DPRK から攻撃されたとしても、日本は残念ながら文句を言える立場ではありません。日本は DPRK にとって現実の戦争基地であるからです(ましてや「敵基地先制攻撃」などという戯言を言い出せば、なおさらでしょう)。
 しかし、ウクライナはロシアを軍事攻撃していないし、NATO に加盟すらしていません。にもかかわらず今回のような攻撃に踏み切ることは違法行為以外の何物でもありません。
 ウクライナを NATO に加盟させたくないなら、ドネツク、ルガンスク はもちろん、クリミアも高度の自治と引き換えにウクライナに返還し、不可侵を保証するべきでした。そのための外交を放棄し攻撃に踏み切った時点で、プーチン政権はウクライナが NATO に加盟する道を自ら開いたようなものです。
 
  ↑には、プーチン大統領が1年以上前からウクライナ侵攻を準備してきたが、その一方で、対抗してアメリカ・イギリスはウクライナで軍の作戦指導や兵器提供などをおこなってきていたとあります。とするなら、“大国”ロシアのプーチンが急に「悪者」として“かわいそうな小国”ウクライナに攻め込んだ・・・なんとひどいことを、という論調にはちょっと距離を置いて考えた方がいいことを教えてくれます。遠く離れたこの日本という国に住む私たちに何が出来るか?何をするべきか? じっくり考えたいと思います。

(了)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 爺にできるウクライナ支援 | トップ | 「兵站に欠陥がある露軍は、... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

外交問題」カテゴリの最新記事