裏山赤太郎~ゲイでエイズで、でも生きてくよ!~

ゲイとして生きて、50代でエイズを発症したけど、自分らしく生きていくことには変わりないないんだよってブログ。

ただ残念としか思えなかったこと

2015-11-14 21:23:39 | 日記
先週末の出来事です。
午前中からトレーニングをして、
ある街の中華料理店に昼食に一人で入りました。

店内は混雑していて、
私は小さなテーブルが並ぶ隅の席に座りました。

私が座った隣のテーブルには30代前半くらいの男性が三人、
食事をしながら昼間から酒を飲んでいました。

私が定食を選んでいると、
隣のテーブルでは酒を追加注文しています。
やたらと声がでかい。
どうやらすでにかなり良い気分のようです。
焼酎の他に、日本酒まで注文していました。

三人のうち、ガチムチのゲイ受けしそうな男は妻帯者、
どうやら子どもが近々生まれるようです。
他の二人は独身で女生との出会いを求めているようです。
なにしろ声がでかいので、会話が全て耳に入ってきます。

注文した定食がテーブルに運ばれて食べ始めると、
隣のテーブルの話題は先日のハロウインでの出来事になりました。
独身二人は友人達と仮装し、渋谷へ繰り出したようです。
渋谷で仮装した見知らぬ女性達に声を掛けては画像に残し、
何とか一緒に食事をしたようでした。

「そんなことしてるから梅毒になるんだよ!」
と、既婚ガチムチ君。
「話が飛び過ぎだろ!」
と独身の一人が言い返すと、
「そんなパーティ出てる奴はすぐ梅毒!」
と、でかい声で更に返しています。
そして「画像撮ったんだろ、見せろよ!梅毒女!」
と追い打ちをかけます。

どうやらガチムチ君は体育会出身のようで、
午前中にフットサルか何かをやってきた流れのようです。
独身男の一人がスマフォを出して画像を見せています。
「この娘達は写真は撮らせてくれたんだけど、LINEはダメだったぁ」
などと言いながら画像を見せていました。

「なんだよ、これ!梅毒だ!梅毒だ!」
どうやらホラー映画のようなメイクをした女性達の画像のようです。
「メイク、すごかったなあ。次はこの娘達・・・」
独身男が別の画像を出したようです。

「なんだよ、こいつら、エイズ!エイズ!」

自分はその瞬間、
アツアツのおこげあんかけご飯を口から出しそうになりました。

「ひでえなぁ、気持ちわりい!」
とガチムチ君が酒を飲みながら画像を眺めています。

まあ、酔っ払いの会話です。
自分は呆れながら、
おこげあんかけご飯の味覚に集中しようと努めました。

その努力とは裏腹に、
ふと私の頭の中には
矢印型の尻尾を付けた黒いタイツ姿の自分が現れました。

黒タイツの自分がそのガチムチ君の上に被さり、
抵抗する手を押さえつけながら正上位で犯した挙句に、
肛門の奥にドクドクと種付けをした後、
放心している彼の耳元で囁くのです。

「ようこそ、エイズの世界へ・・・・」

そんな妄想で復讐しながら、
自制心を保つためにむしゃむしゃと食べ続けました。
自分の食事が終わる頃には、
独身二人は結局女性に食事をおごったが連絡先を貰えず、
既婚ガチムチは合コンするときは俺も呼べと言いながら
次はどの女性を口説くかなどと算段をする会話をしていました。

この人達は何も知らない。

無知は罪だなぁ。

なんとなく彼らが憐れにも思いつつ、
水を一口飲んで勘定を払い、店を出ました。

口は災いの元。
何気ない言葉が他人を傷づけることもあります。
自分ももしかしたら、
昔は彼らと同じような冗談を言っていたのかもしれません。

そう思えば怒りはすぐに消えて、
彼らを恨んだりする気にもなりません。


ただただ、残念だなぁと思うだけでした。



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