裏山赤太郎~ゲイでエイズで、でも生きてくよ!~

ゲイとして生きて、50代でエイズを発症したけど、自分らしく生きていくことには変わりないないんだよってブログ。

障害者雇用枠で働き始めて2か月

2016-02-07 21:42:21 | 日記
障害者雇用枠で働き始めて2か月が経ちました。

私はエイズを発症し、
瀕死の状態で入院しました。
病室のベッドの上で、
自分の生き方を改めて見直しました。

これからは、頑張らない生き方をしよう。
自分の身体と心を第一に考えて、
大切にしよう。
そして、それでも可能な限り幸せに生きよう。

そう考えたのです。

そのためのひとつの方法として、
障害者雇用枠での転職を決めました。

自分はこれまで、
自分で意識している以上に、
周りの評価を気にしていたし、
少しくらい無理をしても頑張ることを美徳のように考えていました。

ダメな自分、
人より劣る自分を、
どこかで許せなかった。
仕事はちゃんとやり遂げることが、
最低限の責任だと思い、
身体がボロボロなのに頑張ってきました。
ギブアップすることが許せず、
心まで病んでいました。

エイズ発症の告知は、
そんな自分にブレーキをかけてくれたのです。

8か月の転職活動の末にやっと決まった採用、
でもそれは当面、3か月の契約社員という条件でした。
そう考えると、一か月後の身分保障はない状態でもあります。

慣れない環境で、
初めて取り組む業務。

今のところ、単純な業務ばかりです。
それでも当惑することはたくさんあります。
馴染めない人もいます。

郵便物や宅配便の受け取りや配布、発送、
会議室の掃除などの雑務がルーチンな業務だったりします。

年齢的には管理職に就いていてもおかしくないのに、
いったいなんだろう、この人は?

周囲からはそう見られているのかも知れません。

職場での私は、ほとんど仕事以外の会話をしません。
なるべく目立たないようにしています。

自分の障害を知っている同じ部署の人達とも、
気軽な会話をすることは控えています。

下手に親しくなると、
プライベートな話題になりやすいものです。
家族は?
独身なんだ・・・・
付き合っている人はいるの?

そんな会話から、
障害について、
セクシャリティについて、
不要な憶測や噂が流れる可能性は充分考えられるのです。

そんなこともあって、
必要以上に頑張って評価を得ようとしたり、
親しみやすい人柄をアピールすることも控えています。

それでも2か月も経つと、
次第に周囲も私の顔を覚えてくれて、
挨拶や声を掛けてくれる人が増えてきました。

そんな嬉しいはずの変化も、
どこか素直に喜べないでいます。

私達の障害は見た目には健常者と変わらないことから、
当人と周囲の認識が異なることも多いようです。
また、陽性者に対して偏見を持っている人、
面白おかしく噂する人などもいるでしょう。

特に自分の職場は女性が多く、
自分がいる部署が人事課ということもあって、
人にまつわる様々な情報や問題、
噂話が耳に入ってきます。

HIV陽性者が障害者雇用枠で働くことで感じる、
微妙な困惑、悩みの一片を、
じわじわと実感しているこの頃です。