人を呪わば穴ふたつ

オバサンだけど、小心者なんで
囁き程度に呟いてみる・・・・

二男の育て方を考えるきっかけになったこと。

2011-02-26 | 母として

 二男は就学相談の時、医師には普通学級を勧められ、

教育委員会でも、どちらでもいいですよと言われた自閉症児です。

でも、私は日常の様子から支援学級(当時は特殊学級)を選んだ。。。

 こう書くと、二男はとても軽度のように感じるが

当時二男の言葉はオウム返しが殆どで

たまに自分から発語しても

伝えたいことと単語が一致しない暗号状態。

多動、常同行動、自傷・・・

自閉ッ子ならではのオンパレード。

でも、主治医は

「普通学級でたくさんの子供とかかわれば

伸びることもたくさんあるし

学級の子どもたちにとっても良いことだ」

と仰る・・・・ちょっと待ってよ・・・

私の子供は他の子供の為に

彼にとって一番苦痛な騒音のなかに入れというの・・・?

ついていけない授業時間を

ただ過ごしていけばいいの・・・?


 当時は「どんな子供も地域の学校へ」という

保護者の運動がとても広がっていて

教育委員会での就学相談の会場前で

教育相談の反対のビラまきがされていたりしていた。

保育所でお世話になった保育士さんから突然電話がきて、

「絶対就学相談を受けてはだめよ。

何も言わないで入学させればいい。」とも言われたし

のちのちこっそり教育委員会に行ったら

「今は親御さんの自由ですから・・・」と言われ

「私たちは子供をお客さん状態で過ごさせたくないんです。」

と話したら、逆に珍しいものを見るような目でみられた。

入学したら、先に入学していた障害のあるお子さんの母たちに

「私たちが苦労して道を作ってきたのに

逆行するようなことをして!」と噛みつかれもした。

でも、私たちは二男には普通学級にメリットは感じず

デメリットばかりに思えたのだった。

 入ってみたら、担任と一対一のとても贅沢な状況の一年目。

担任がとても真摯に障害児教育に向き合っている方だった幸運。

二男はすこしづつ彼のスピードで歩きだし、

私も一緒にたくさんのことを教えていただいた。

長男が支援教育を目指し始めたのも

この先生との出会いがきっかけだったらしい。


 今になって、二男自身も勘違いしたようなことを言い

「私立の高校なら入れたんじゃない?」と言う方もいるけれど

社交辞令にしてもそう言っていただける風になったのは

ゆっくりゆっくり二男のペースで教育を受けてきたことによると思う。


 親の思いはさまざまだ。

支援学校・学級に入れたことで

将来の道筋が作業所にいくしかない。

好きなことを仕事にすることが出来ない。

可能性をつぶしてしまう・・・と憂う方たちもいる。

中には、「ちょっと変わった子ですむのに

支援学校に入れたら将来差別される。」と言う人もいる。

でも…支援学校に行くことが

作業所に行くことが、それで夢を終いさせることなんだろうか。


 好きなことを仕事にできる人が

世の中にどのくらいいるのだろう。

好きなことは好きなこととして

一生懸命働いて

余暇にそれらを楽しむためにお給料を頂ける人になるって

とっても素晴らしいことだねと、二男に言っている。

「自閉症児は天才的なところがある」って

よく言われる言葉で、

本気で子供の芸術的才能を

見つけよう、育てようとしている親御さんがいるけど、

だけど生活力を積んでいかなければ

どんな天才も親亡き後は・・・?

『障害があるけれど…』という冠がついた天才は

一時のことで続いてはいかない。。。


 退屈をしないように

余暇を、人生を楽しめるように

夢中になれることを探すのはとても大事なことだろうけれど

まずは、生きて行く術を身につけさせたい。

母子通園施設でお世話になり

保育所の統合保育に通わせて頂き

地域で義務教育を受けさせてこれたのも

支援があったからこそ。


 。。。。長々書き綴っていたら

すごく散漫になってまとまんなくなった…


 こんな風に考えてきたきっかけというか、

ずっと胸の隅に残っていたのが

「僕は、養護学校に行きたかった…」という

知的障害のある青年の新聞投書。

「おとうさん、おかあさんは、養護学校はだめといいました。

僕は養護学校で勉強して

もっとたくさんのことができるようになりたかった」

と言う風な内容だったと思う。

これだけのことが言えるのだから

知的にもそんなに低くはないのでしょう。

そんな青年の言葉に

逆のパターンで子供の可能性をつぶすこともあるのだと

思わせられたのでした。。。


 親に必要なのは、冷静に客観的に

子供を見守られる目。

そう感じさせられました。


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