独り言雑記ブログ

将棋関係の一人言雑記帳

独断で選ぶ2007年将棋界10大ニュース

2007-12-30 17:16:42 | Weblog
世間への露出が多い順のつもりですが、あくまで独断と偏見です。

1.森内名人、十八世名人に
江戸時代から続く永世名人の流れに新たに森内名人が名を刻んだのだから、1位は当然これだと思います。
いわゆる羽生世代のトップ棋士中では遅咲きの方だと思いますが、いろいろなプレッシャーがあり、けして調子がいいわけではなかったと思いますが、苦しみながら名人を防衛し、永世名人の称号を得られたことはさすがだと思います。
普通なら、あの第6局の逆転負けでそのまま崩れそうなものですが、それを盛り返しての防衛はすごいと思います。

2.渡辺竜王-ボナンザ
世間への露出ということではこれが1番だったかもしれませんが、人間対コンピューターという分かりやすく、そして、絵になる構図だったことと、結果的に一手勝ちだったことなどもあって、で、反応も大きかったみたいで渡辺竜王のブログは15万アクセスがあったとか。
渡辺竜王は自分の本の中で「接戦にしたことが悔やまれる」という意味のことを書いてましたが、1発入る力は十分あるけど、まだだいぶ差があるということでしょう。
詰む詰まないの変化は、コンピューターに頼ることもありますし、コンピューター関連の進化は早いので、今後どうなるか楽しみです。


3.遅刻、反則、不戦敗相次ぐ
あまりうれしくないニュース。反則は大きなところでは、初手△3四歩(!)が2回、公開対局での二歩が1回。とはいえ、反則は仕方がないかなと思いますが、先後を間違えるとかはさすがに気をつけて欲しいです
問題なのは、遅刻・不戦敗。今年は不戦局がけっこう多かった印象。まあ、寝坊とか台風とかは(当事者はともかく)笑っていられるんですが、ほとんど連続2回対局をすっぽかしとかいうのはさすがにまずいでしょう。
いろいろ言い分はあるようですが、プロである以上、一番大事な対局をサボるようなことをしてはならないはず。
プロ棋士のブログでも取り上げられてましたが、問題なのは、遅刻・不戦敗に対する罰則規定が緩いことと曖昧なことと。対局すっぽかしに関して厳罰規定をちゃんと決めて欲しいのと、遅刻に関しては3倍引きで1時間未満の場合はそのまま、それ以外は一律残り1時間からとかでもいいんじゃないでしょか。交通機関の遅延とかは実時間引きでいいと思いますが

4.棋界再編
いろいろ多かったのでまとめました。
・朝日オープン→朝日杯 ・順位戦共催 ・ネット棋戦創設 ・マイナビ杯創設
と棋戦関係でもこれだけ。名人戦問題の影響もあって、朝日オープンから朝日杯将棋オープン戦に。そのほかには、ネット棋戦・大和証券杯の設立。ネット経由でリアルタイムに対局や感想戦がみられるのは面白いです。将棋はネットでの再現性の高い競技だと思うので、まだまだ発展の余地はありそう。そして、女流棋戦では、マイナビ杯が新タイトル戦としてスタート。
なんといっても、一番の大きな棋界再編は、
・LPSAの設立
新団体立ち上げ当初は、いろいろ苦しいんじゃないかと思いましたが、見事なスタートダッシュ。いろんな面で関心させられました。この調子で頑張って欲しいです。


5.女流棋界、若手躍進
まあ、なんといっても里見フィーバー。前述のマイナビ杯はLPSAの設立とともに最終回となったLOTでの里見フィーバーの影響もあるでしょう。LOTでの最後のマスコミの盛り上がりは、凄いというより酷いという感じでしたが。
そして、里見初段に続けとばかりに女流名人位戦A級リーグでは甲斐二段が挑戦者争いをし、B級では上田初段がA級昇級。そして、中村初段が、清水二冠を破る活躍。
マイナビ杯は、甲斐二段、里見初段、中村初段、鈴木初段とベスト8の半分に若手が名を連ねています。この中から、何人が上にいけるか注目してます。

6.1000敗・1000勝
加藤九段が前人未到の1000敗到達。将棋界の場合は、負け数を重ねるためには強くなければならないので、負けをこれだけ重ねるのは凄いこと。そういうこともあって、「負けたにもかかわらず」大きなニュースに。これだけ負けても闘志が衰えずに戦い続ける加藤九段は素晴らしいと思います。
そして羽生二冠が史上最年少、最速、最高勝率での1000勝達成。凄いことだとは思いますが、まだまだ通過点なんでしょう。秋頃からは好調で、棋王戦は挑戦者に、A級順位戦も首位タイということで年明け以降も期待できそうです。

7.初タイトル
深浦王位が初タイトル獲得。朝日オープンでの優勝経験はありましたが、深浦王位にとってははじめてのタイトル。
A級では2回連続で4勝5敗での降級するなど、勝率のわりに苦しんだ印象がありますが、念願の初タイトル。今期のB級1組ではA級昇級マジックが1。タイトル獲得をきっかけにもうワンステップ上での活躍なるんでしょうか。
今期は、久保八段も王座戦、王将戦と挑戦者になる活躍。王座戦は3連敗で羽生王座の16連覇に貢献してしまいましたが、王将戦はどうなるんでしょうか。

8.波乱の順位戦
C級2組の佐々木五段を除いて全勝者がいない今期の順位戦。その中でも驚いたのが、佐藤二冠、谷川九段、渡辺竜王の不調。谷川九段、渡辺竜王は復調傾向を見せていますが、佐藤二冠はなんと出だしから6連敗。もちろん相手もA級なので厳しい相手ではありますが、佐藤二冠が開幕6連敗とは誰が予想したでしょうか。

9.羽生二冠、永世5冠に
羽生王将が王将戦10期獲得で永世王将に。通算10期と他のタイトルに比べて永世称号の難易度が高めということもあって大山永世王将に続いて二人目の永世称号獲得。王将戦は歴史といい方式といいもっといい扱いを受けてもよさそうな気がしますが、タイトルの序列が契約金で決まってる関係上仕方がないのかもしれません。

10.久しぶりの優勝
郷田九段が大和証券杯で、森下九段がJT杯で久しぶりの優勝。郷田九段は、昨年からの好調を維持しての優勝。ほとんどネット将棋を指したことのない郷田九段が優勝ということで話題に。今期も好調を維持。これを期にタイトルを狙って欲しいです。
森下九段は春先は病気で不戦敗になるなど苦しい時期もありましたが、そこから復調して久しぶりの優勝。