独り言雑記ブログ

将棋関係の一人言雑記帳

第3期マイナビ女子オープン挑戦者決定戦 その3

2010-02-21 18:31:13 | Weblog
午前中の控え室【斎田いきなり流】

関係者が控え室に戻ってきて、盤面カメラの映像をみると、一様に「え?」という反応を見せていた。週刊将棋スタッフ、中継記者、スポンサーの方々だけになった控え室の話題は、週刊将棋の挑戦者決定戦の展望欄。週刊将棋の戦型予想ももちろん「相振り飛車」だった。

戦型は、先手・斎田のゴキゲン中飛車に甲斐の丸山ワクチン。戦型が決まればあとは早いペースで進行。盤面カメラの映像が先後逆(先手の斎田が上)なこともあって、1四(実際は9六)に歩があるだけで、あとはよく見る形だ。
10時40分頃、対局中の戸辺六段が控え室に。一言二言、本局についてコメントしたあと、中飛車についてや順位戦でB級2組へ昇級した話など。対局がない合間に昇級したこともあってまだ実感はないそうだ。
そのあとも対局中の戸辺六段と窪田六段が交互に控え室を訪れる。これをみて、なんとなくこのやりとり(48手目参照)を思い出した。もっとも、今回は、そのときのように「指したよ」という会話はなかったが・・・。

後手の甲斐が位を取ったのに対して、斎田が▲2六歩と銀冠を目指す。まだしばらくは駒組が続くと思っていたらいきなりの▲8五桂!。いきなりの8五桂ポンに最初はよくびっくりしたが、感想戦によると斎田の研究だったようだ。


(1図は35手目▲8五桂まで)

▲8五桂に居飛車も△同飛や△6五歩で十分やられるようだ。このあたりは、ネット中継記者の烏記者に教えていただいた。決戦策の場合は、このまま昼食休憩もあるんじゃないかといわれていたが、甲斐はさほど時間を使わずに甲斐は△3四銀。
「玉頭方面の勝負にしたかった」そうなので、このあたりはその方針を貫いたようだが、局面としては振り飛車十分な展開に進んだ。

46手目△4五歩で、「このまま昼食休憩」(木村八段)でしょうということで、”ほそ島や”の鴨南蛮そばをいただく。(写真はこちら(名人戦棋譜速報))
実はこれ、関係者が注文するときに、「現金精算なので構いませんよ」ということで、ちゃっかり棋士・関係者に混じってお願いさせていただいたもの。メジャーなところは、いくつか行っているが”ほそ島や”は未制覇なので、今度は店のほうにいってみたいと思う。
ちなみに両対局者の注文はなし。一部で女流棋士の場合は出前の注文はとらないということも書いてあいたがそんなことはないようだ。

木村八段が去った直後に斎田は、▲5五歩を指す。休憩直前だっただけに、このタイミングの指し手はどうだったか。このあと角の目標になったこともあり、結果的に疑問手になる。

第3期マイナビ女子オープン挑戦者決定戦 その2

2010-02-21 10:27:05 | Weblog
対局開始【意表のスタート】

スポンサーの特典として、対局開始時や昼食休憩後の観戦というのがある。
9時40分頃、将棋会館に着き、係りの方に控え室に案内していただく。タイトル戦の挑戦者決定戦やA級順位戦最終局と同様に、飛燕・銀沙の間がぶち抜きで控え室に割り当てられている。

(当日の部屋割り)


着くと既にネット中継の烏記者、吟記者が中継の準備をしており、中井六段、石橋四段が毎コミのスタッフと談笑していた。
最初は緊張してとりあえず座っているしかなかったが、中井六段にお茶をいれていただいて少し緊張が解れた。長い間、女流棋界の第一人者であってもこういう細かいところの気遣いを忘れないからこそ、ファン・関係者から信頼を得ているのかもしれない。

9時55分頃、特別対局室へ。特対に入るのはこれが2度目(1回目もマイナビだった)が、対局開始前だとまた空気が違う感じがした。既に斎田は盤の前に座っていたが、甲斐は電車が遅れていたこともあってぎりぎりの入室に。振り駒の結果、斎田の先手になった。
普段の対局を見てるわけでもないうえ、ちゃんと見てたわけではないのでなんともいえないが、甲斐が先手が欲しかったように見えたのだが気のせいだろうか。
10時2分、定刻を2分ほど過ぎて、対局が開始された。対局開始時には、中井六段、石橋四段に加えて西村九段、上野五段も盤側に来られ、タイトル戦のような雰囲気だった。
斎田の初手▲7六歩をお茶を見ながら確認した甲斐は、もう1口お茶を含んでから△3四歩。次の斎田の▲9六歩を見て対局者2人を残して退室。甲斐も関係者と合わせて一旦退室した。

控え室に戻り、盤面カメラの映像をみると、8三の歩が8四に伸びていた。前記のプレビューどころか、いろんなファンサイト、そして週刊将棋も含めて戦型予想は、”相振り飛車で確定”だったが、甲斐は「予定通り」居飛車を選択した。

斎田は、ポーカーフェイスでさすがの堂々とした態度だったので、あまり分からなかったが、たったの3手だったが、甲斐はのいろんな表情を読み取ることができた。
”到着がぎりぎりだったこともあり、まだ『戦闘モード』になっていなかったのだろうか”、あるいは、先手が欲しいように見えたのは、対局後のインタビューで「居飛車は予定」と答えたのをみると、”もしかしたら、「初手▲2六歩」とかを考えていたのかもしれない”などいろんなことを想像することができる。
なかなか一般のファンが見ることができるものではないが、将棋の楽しみ方としては、こういう楽しみ方もあるのかもしれない。