独り言雑記ブログ

将棋関係の一人言雑記帳

第3期マイナビ女子オープン挑戦者決定戦 まとめ

2010-02-28 21:29:29 | Weblog
【終局後のコメント】

(感想戦の様子。このあとの予定もあり、あまり時間は取れなかった)

「▲9三桂成~▲8五歩とされたあたりは6三の金が負担になっているので苦しと感じていた。攻めも迫力がないので、ずっと苦しいと思っていた。(好転した局面は)ちょっと分からないです。最後の最後まで分からなかった。(五番勝負は)多くの人に見ていただける場なので、気を引き締めて頑張りたい」(甲斐)


(甲斐は2度目のタイトル戦進出)

「昼休前の▲5五歩が目標になりあまりよくなかった。玉頭を攻められ苦しかった。△2四桂打たれて分からなくなりました」(斎田)


(斎田はマイナビ女子オープンのタイトル戦登場はならなかった)

その1 挑戦者決定戦プレビュー
その2 意表のスタート
その3 斎田いきなり流
その4 方針
その5 豪華な解説会
その6 甲斐の勢い

第3期マイナビ女子オープン挑戦者決定戦 その6

2010-02-28 19:56:39 | Weblog
最終盤【甲斐の勢い】
最終盤に再び、研修室から控え室へ移動してみる。
控え室では、矢内女王、本田二段を中心に井道初段、中川七段が継ぎ盤を囲んでいた。研修室の賑やかな雰囲気とは違い、重々しい空気が流れていた。


(7図は122手目△4五角まで)

既に最終盤で形勢がやや傾いてはいたが、どうクローズさせるかはまだ簡単ではないようだ。

ふと中川七段が「人がいるのに静かだよね。まあ、あんまり騒ぐと対局室まで聞こえるから」
矢内女王も第1期第2局で控え室の悲鳴が聞こえたそうだ。


(B図は第1期決勝五番勝負第2局の終盤。結局、甲斐が勝ったものの△7八龍なら即詰みだった)

局面は形勢がほぼ決まってることもあり、話題は甲斐の勢いと斎田の粘りについて。
やはり解説会でも話題になっていた最強戦の里見-斎田戦の話になる。里見新名人の対局で注目度も高かった対局だが、序盤で大優勢を築くも斎田の粘りにあわや逆転負けを喫するところだった。


(C1図は女流最強戦2回戦▲里見二冠-△斎田四段戦。ここで▲7五馬がうっかり
C2図で「もう決まったと思って目を離したら馬の向きが変わってた」)

斎田の粘りにも甲斐は冷静に対処。「ずっと難しかった」と語るように、楽観することはなく確実に斎田の粘りをかわしていく。

終盤よくなってから勝ちきる力は女流棋士の中でもトップクラスだろう。


(投了図は166手目△7九飛まで)

17時、斎田が投了し、甲斐の2年振りのタイトル戦登場が決まった。
甲斐はこれで8連勝。矢内女王も甲斐の好調さは気になるようだ。

終局後、甲斐挑戦者が「多くの人に見ていただける場なので、気を引き締めて頑張りたい」といえば、矢内女王も「甲斐さん気持ちに負けないようにしたい」と答えていた。
第3期五番勝負は、3月28日に熊本で開幕する。
2年前の勝負から両者がどれだけ成長していたかを楽しみに「女王」を懸けた戦いを見てみたい。


第3期マイナビ女子オープン挑戦者決定戦 その5

2010-02-28 19:38:25 | Weblog
午後の戦い2【豪華な解説会】
控え室では、野田沢1級と中村二段が棋譜を並べており、梨沙帆さんも控え室を訪れていた。


(5図は63手目▲7七銀まで)

△6五歩に、斎田は▲5七銀~▲6八銀と引くのは将来桂馬に当たってくるのが気になったようで、▲7七銀(5図)と引いた。控え室ではこちらに引く手は検討されておらず、烏記者は「棋風って便利な言葉だよね」と棋譜を入力し、中村二段は「取ると何かあったんですかね?」と▲同銀と取る変化を調べていた。


(6図は68手目△2四桂まで)

そうこうしているうちに甲斐に勝負手がでた。△2四桂をみて斎田の手が止まる。
中村二段が先手をもってあれこれやってみるがうまくいかない。棋譜コメントに出てる筋はあれこれやっているうちに捻り出した手順だ。

斎田の長考中、解説会の「助っ人」を探しに勝又六段が控え室に。「振り飛車側の気持ちが分かる人が…」と中村二段が急遽解説会の応援に行くことになったので、このタイミングで研修室の解説会へ移動。


(急遽、勝又六段の好意で解説会が開催された)

中村二段が「捻り出した」手順を解説。▲4八桂△5四歩までは予想通りだったが、斎田は△7一角と打ち込んでいった。


(中井六段と中村二段)

勝又六段、中村二段に加えて、さらに中井六段も登場。
急遽開催された解説会とは思えないほど、豪華な布陣だ。


(窪田六段はなんと対局中)

解説会に、なんと対局中(!)の窪田六段が登場。ちゃっかり引き受けてしまう窪田六段もさすがである。

窪田六段のあとは「もっとうるさい人がきた」(中井六段)と石橋四段も登場。
石橋四段は「この角は(女流最強戦の)里見戦を意識したんですかね?」というと中井六段から「さっちゃん、角のことは言えないでしょ」と厳しいツッコミが入る。
当然、石橋四段の「角」とは女流王位戦のあの角のことである。


(A図は 女流王位戦第2局。この角はなんと6六から4四の歩を
飛び越えたもの。石橋女流王位(当時)の反則負けとなり話題となった)

このあとは上野五段が登場。このあたりは、各レポーターの方のほうがうまく記載してるようなので、そちらを見ていただきたい。


(PCで解説する石橋四段)