独り言雑記ブログ

将棋関係の一人言雑記帳

第3期マイナビ女子オープン挑戦者決定戦 その4

2010-02-25 14:39:12 | Weblog
午後の戦い【方針】

レポーターについての説明を受けたあとに今日二度目の対局室へ。

甲斐はレポーターの人数に最初は戸惑ったようだが、局後のコメントの通り、盤に集中してしまえばもう気にならないようだ。
斎田は朝昼とも堂々としており、挑戦者決定戦という舞台でも普段通りといった感じだ。

再開後の一手は、△3三桂。昼休み中の検討にも出ていた手なので驚きはしなかったが、これが疑問手だったかもしれない。
△3三桂をみて退室。この直後に「斎田いきなり流」の一手がでたようだ。


(2図は49手目▲9三桂成まで)

控え室に戻って盤面カメラの映像を見たがすぐには手順が分からず、控え室の石橋四段に教えていただいた。
斎田の49手目は、▲9三桂成。いきなり桂馬を成捨てたが、これがあるのならば△3三桂が疑問だったかもしれないというのが甲斐の感想だ。
▲9三桂成△同香に「まさかこれ(▲8五歩)はないよね。矢倉なんかだとときどきあるけど…」と控え室で話していたら本譜もじっと▲8五歩。
午後に入り、控え室の検討も盛り上がってきた。


(3図は51手目▲8五歩まで)

午前中に引き続き、戸辺六段と窪田六段が「交代」で控え室を訪れているほか、勝又六段、石橋四段、中井六段が控え室で検討。
ここまでは先手の模様がいいようで、後手としては勝負手が必要なようだ。先手をもった石橋四段が
 「じゃあ、こうですか?」(石橋四段)
といいながらいろんな勝負手を試してみる。
 「え?そこ(△7四歩)いくの~?」(中井六段)
というツッコミもあり見ていて楽しいやりとりだ。
そんな中指摘されたのが△9二飛だった。本譜には現れなかったが、研究してみるとけっこう面白いようだ。
本譜は甲斐が△2五歩と当初の方針通り玉頭方面で勝負していった。
勝又六段はこの日はテレビ棋戦の対局日で、午前中に対局があり、勝てば引き続き後手も対局の予定だったが、残念ながら敗れてしまったとのこと。
レポーターの方がいるということで、「後手の予定が空いちゃったから」といいながら、急遽解説会を開いていただいた。
勝又六段のように、パフォーマンスや口先だけではなく、本当にファンを大事にしてくれる棋士はありがたいし、強さだけが基準ではない、勝又六段のような人が正当な評価を得る将棋界であって欲しい。


(4図は55手目▲2六歩まで)

さて、本譜は△2五歩から甲斐が1歩交換に出た。図で△8八歩と行く変化を検討されたが、甲斐はじっと銀を引いた。
振り返ってみれば、本局の甲斐はじっと力をためて玉頭戦で勝負という方針がしっかりしていたかもしれない。