
わが子を枕にする女王様
昔、実家で飼っていた超高飛車な猫〔女王様〕(仮名)がある日、
パッタリといなくなりました。
2~3日、家を空けることはあったのですが、1週間以上も帰らないなんて・・・。
どうしたんだろう、事故にでも遭ったのかしら、それとも誰かに連れ去られたのか。
近所を探せど、姿は見えず、そうこうしているうちに月日は流れ、1年経ちました。
その日、早朝から裏庭が騒がしくて目が覚める。
「ニャーニャーニャーン!ニャーンニャー!」
あまりの騒がしさに眠い目をこすりながら、裏庭を覗くと、
そこには見覚えのあるお顔が!
「ニャーニャーニャーン!ニャーンニャー!」
(訳→ 今、帰ったわよ!帰ってきたわよ!帰りましたー!)
少し汚れているものの、そのランランとした目つきといい、三毛の混ざり具合といい、
おお!これは女王様!おかえりなさい!
私「1年間、一体どうしてたの?どこ行ってたの?」
呆気に取られている母がその問いに、答えてくれました。
母「えー!山向こうの港に捨てたのにどうやって戻ってきたの~?」
えー!どゆこと???
いなくなったのでは?
その後の調べで、父母あっさり白状。
どうやら女王様のあまりの横暴ぶりに疲れ果て、
峠をひとつ越えた港へ(一応、漁師さんや市場の人が魚をくれるだろうと期待して)
第2の人生を送っていただくため、置いてきたそうです。(そんな馬鹿な・・・)
元々、女王様を拾ってきた兄怒る、怒る。
んーでもこんなすごい猫拾ってきちゃう兄も兄・・・(^_^;)
その港から家までかなりの距離。人間でも徒歩は厳しい。
一体どうやって、帰ってきたんだろう。
そのあまりの執念に父母恐れをなし、女王様は再び実家で君臨することに。
それも以前よりさらに権力を増して、パワーアップ!!
後日、女王様がどうやって戻ってきたのか、家族で盛り上がりました。
その1.車の匂いを辿って戻ってきた。
その2.ハトのように帰巣本能で戻ってきた。
その3.放浪しているうちにたまたま戻った。
当時は、私も兄もラッシーを彷彿とさせるその健気な姿に心を打たれたものです。
TVに投書しようかと真剣に考えたこともありました。
しかし、如何せん、
父母の「捨てちゃったら、戻ってきちゃったー、エヘヘ」(エヘヘじゃないよー全く!)
という美談とはおよそかけ離れた非愛護的原因があったので、断念しました。
これが、知り合いのお家に預けたら、家恋しくて、
知らない道を何十キロも彷徨って戻ってきました!
だったらかなり感動的なのですが。
しかし、最近になって第4の説が浮上してきたので、
あえて動物愛護協会からのクレーム覚悟で(これ読んでないと思うけど)
この話を書くことに。
その4.
女王様を置き去りにした港町の漁師さんが
女王様のあまりの横暴ぶりにほとほと困り、(偶然にも)実家の近くに捨てにきた・・・。
おそるべし女王様!