昭和41年(1966年)4月から1年間続いたNHK朝の連ドラが、『おはなはん』だった。
当時、超ブレイクして、最高視聴率56.4%を記録した。
これを超える人気番組はないと思っていたら、例の『おしん』が62%越えの視聴率と大大ブレイクした。
以来だろうか、『おはなはん』は遥か昔の伝説の様な存在になってしまった。
そして、リアルタイムで楽しんだ人々もかなりの歳になってしまった。
知った風なことを言っているが、私が『おはなはん』を丸々観たのは最終回だけである。
筋書きを新聞のテレビ欄で読み、フーンと納得しただけである。
当時私は大学生、学生運動が真っ盛りで現実のドラマティックさに追われていたのである。
おはなはんは、明治大正昭和を真っ直ぐに生き抜いた強い女性である。
愛媛の女学校を出て鹿児島の軍人に嫁ぎ、東京で睦まじく暮らし、子供を二人設けるが、夫は急死してしまう。
男尊女卑の世の中を寡婦であろうと、明るさや元気さを失わない。
健気でユーモラスな女性を樫山文枝が好演した。
如何にも朝の連ドラ好みの題材で、この路線を行く必ず当たると思う。
実は、ここから本題に入る。
私は殆どの雑学を週刊誌から得ている。
エッチについても週刊誌から学んだ。
以下も週刊誌の知識である。
おはなはんは実在する女性だった。
息子の林謙一が母の一代記を物語として上梓したものである。
母への愛情と賛美が溢れた小説を書いたこの作者は母よりも早く死んでしまう。
おはなはんはなんと99歳の長寿を全うしたのである。
おはなはんの孫が作家の林秀彦である。
彼の妻だった人が女優の冨士眞奈美さんである。
非常に美貌の人で彼女が結婚した時ガッカリした男性が多かったという。
林秀彦は妻との夫婦生活を週刊誌のエッセイに書いている。
それに私の目は釘付けになった。
「彼女はとても情が濃いひとである、事後優しく丁寧に拭き取って始末してくれる」という意味の事だった。
読んでえっと思った。
はあ、そういう事なんだ、と男女の秘め事の段取りも分かった。
週刊誌は私にセックスのイロハを教えてくれた。
実際の経験が無くても想像力で体験出来る事は非常に多い。
あらゆる書物は先生であった。
ドラマの『おはなはん』とはかけ離れたエピソードだが、おはなはんと聞くとこのエッセイを思い出してしまうのだ。
あれもこれも遠い日の記憶である。
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