■ 登別出身の知里幸恵が著した「アイヌ神謡集」英語版完成
【2011年11月17日(木)朝刊】
登別出身の知里幸恵(1903~22年)が民族の手で初めて著した「アイヌ神謡集」の英語版が刊行された。米国・ベイツ大学のサラ・ストロング教授が約8年がかりで執筆、A5判320ページに及ぶ大作に仕上げた。関係者は「幸恵の功績がまた世界に広まる」と期待している。
英訳版はハワイ大学出版局から出版された。全6章で構成され、アイヌ神謡集の英文訳のほか、幸恵と知里家を含めた歴史、アイヌ民族の世界観を詳しく紹介。今月1日に「銀のしずく記念館」(登別本町、横山むつみ館長)に届けられた。
表紙に横山館長の夫で漫画家・孝雄さんが撮影した白老町アヨロ海岸のカムイミンタラ(神々が遊ぶ庭)の写真を掲載。本文内には、海洋生物調査員の笹森琴絵さんや自然愛好グループ・ヨシキリの会の伴野俊夫代表が撮影した動物の写真も使われている。題名に「AINU SPIRITS SINGING」と記し、継承されるアイヌ民族の精神を訴え掛けた。
ストロング教授はメーン州ルイストン市にあるベイツ大学アジア研究学部日本語・日本文学学科教授。専門は「宮澤賢治」で、宮澤文学研究では欧米の第一人者として知られる。
幸恵生誕100年の平成15年などこれまで3度登別を訪問。横山館長宅での聞き取りや登別市立図書館などで文献を熱心に調べ上げ、幸恵ゆかりの地にも足を運び“息吹”を感じたという。
ストロング教授は「メーン州と北海道の風土がよく似ており、親しみを持って仕事ができた」と感想。初版本に同封された書簡には「やっと本が出ました」と日本語で書かれており、感慨深げな様子だ。
横山館長は記念館の完成などに触れ「(NPO法人知里森舎と)ストロングさんの活動が実りうれしい。世界に幸恵さんの功績を伝えることができる」と敬意を表していた。
一般公開はフランス語、ロシア語、エスペラント語など世界各国で翻訳された本などと一緒にお披露目される予定。問い合わせは同記念館(電話0143・83局5666番)へ。
(粟田純樹)
http://www.muromin.mnw.jp/murominn-web/back/2011/11/17/20111117m_05.html
【2011年11月17日(木)朝刊】
登別出身の知里幸恵(1903~22年)が民族の手で初めて著した「アイヌ神謡集」の英語版が刊行された。米国・ベイツ大学のサラ・ストロング教授が約8年がかりで執筆、A5判320ページに及ぶ大作に仕上げた。関係者は「幸恵の功績がまた世界に広まる」と期待している。
英訳版はハワイ大学出版局から出版された。全6章で構成され、アイヌ神謡集の英文訳のほか、幸恵と知里家を含めた歴史、アイヌ民族の世界観を詳しく紹介。今月1日に「銀のしずく記念館」(登別本町、横山むつみ館長)に届けられた。
表紙に横山館長の夫で漫画家・孝雄さんが撮影した白老町アヨロ海岸のカムイミンタラ(神々が遊ぶ庭)の写真を掲載。本文内には、海洋生物調査員の笹森琴絵さんや自然愛好グループ・ヨシキリの会の伴野俊夫代表が撮影した動物の写真も使われている。題名に「AINU SPIRITS SINGING」と記し、継承されるアイヌ民族の精神を訴え掛けた。
ストロング教授はメーン州ルイストン市にあるベイツ大学アジア研究学部日本語・日本文学学科教授。専門は「宮澤賢治」で、宮澤文学研究では欧米の第一人者として知られる。
幸恵生誕100年の平成15年などこれまで3度登別を訪問。横山館長宅での聞き取りや登別市立図書館などで文献を熱心に調べ上げ、幸恵ゆかりの地にも足を運び“息吹”を感じたという。
ストロング教授は「メーン州と北海道の風土がよく似ており、親しみを持って仕事ができた」と感想。初版本に同封された書簡には「やっと本が出ました」と日本語で書かれており、感慨深げな様子だ。
横山館長は記念館の完成などに触れ「(NPO法人知里森舎と)ストロングさんの活動が実りうれしい。世界に幸恵さんの功績を伝えることができる」と敬意を表していた。
一般公開はフランス語、ロシア語、エスペラント語など世界各国で翻訳された本などと一緒にお披露目される予定。問い合わせは同記念館(電話0143・83局5666番)へ。
(粟田純樹)
http://www.muromin.mnw.jp/murominn-web/back/2011/11/17/20111117m_05.html