アイヌ民族教育の軌跡を出版へ 釧路(12/23 10:00)
毎週集まって膨大な日記を読み解いてきた「永久保日誌を読む会」メンバー
【釧路】明治から大正期にかけて釧路市内の春採アイヌ学校(のち春採尋常小)の教師を務め、アイヌ民族の教育に尽くした永久保秀二郎(1849~1924)の日記が来年、アイヌ文化振興・研究推進機構の助成で出版される。読解に取り組んできた「永久保日誌を読む会」(高井博司代表)は「教育史や郷土史研究に欠かせない資料」と意義を語る。(小坂洋右)
宮城県出身でクリスチャンだった永久保は、1891年(明治24年)から1920年(大正9年)までの29年間、アイヌ民族が暮らす春採に暮らしながら釧路聖公会が運営する同学校で教えた。日記は亡くなるまで33年間に及び、出版は上下巻計約千ページになる。
次第に民族の境遇に同情していく心境や地域で行われた熊の霊送り(イヨマンテ)の様子、頻繁に学校視察があったことがうかがえるほか、市内や国内の事件・災害、釧路の花鳥歳時記なども丹念に書き込まれている。
市の指定文化財として市立釧路図書館に保管されている原本を、地元高校の元国語教員らが2001年に「読む会」を結成して読み解いてきた。一昨年、けん引役の初代代表永田秀郎さんを亡くしたが、遺志を継いで原稿をほぼ完成させた。
高井代表は「当初は活字化したものをDVDに記録することを目指したが、出版助成が得られたので印刷物として出せることになった。郷土史の裏づけにも活用できる貴重な資料」と話す。2月末出版予定で、上下各100部印刷。アイヌ民族の団体や図書館、研究施設などに配布する。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki3/339515.html
毎週集まって膨大な日記を読み解いてきた「永久保日誌を読む会」メンバー
【釧路】明治から大正期にかけて釧路市内の春採アイヌ学校(のち春採尋常小)の教師を務め、アイヌ民族の教育に尽くした永久保秀二郎(1849~1924)の日記が来年、アイヌ文化振興・研究推進機構の助成で出版される。読解に取り組んできた「永久保日誌を読む会」(高井博司代表)は「教育史や郷土史研究に欠かせない資料」と意義を語る。(小坂洋右)
宮城県出身でクリスチャンだった永久保は、1891年(明治24年)から1920年(大正9年)までの29年間、アイヌ民族が暮らす春採に暮らしながら釧路聖公会が運営する同学校で教えた。日記は亡くなるまで33年間に及び、出版は上下巻計約千ページになる。
次第に民族の境遇に同情していく心境や地域で行われた熊の霊送り(イヨマンテ)の様子、頻繁に学校視察があったことがうかがえるほか、市内や国内の事件・災害、釧路の花鳥歳時記なども丹念に書き込まれている。
市の指定文化財として市立釧路図書館に保管されている原本を、地元高校の元国語教員らが2001年に「読む会」を結成して読み解いてきた。一昨年、けん引役の初代代表永田秀郎さんを亡くしたが、遺志を継いで原稿をほぼ完成させた。
高井代表は「当初は活字化したものをDVDに記録することを目指したが、出版助成が得られたので印刷物として出せることになった。郷土史の裏づけにも活用できる貴重な資料」と話す。2月末出版予定で、上下各100部印刷。アイヌ民族の団体や図書館、研究施設などに配布する。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki3/339515.html