Notes3~ヨミガタリストダイアリー

名古屋市在住の俳優/朗読者・ニシムラタツヤの演(や)ったり読んだりの覚え書き

演劇企画KIMYO Project'NICK'vol.1「カチ」

2011年10月07日 | 舞台特に演劇


■観てきました初日。ネタバレを避けながら簡単に。直後の感想としては、決して見て金返せだとかは思わない作品に仕上がっていると思いました。天白原駅から歩いてナビ・ロフトへ。そういえば前週に続いて、ここも観客として観るのは初めての団体でした。その昔「カラフル3」の武豊ラウンドに出ているんです。だから主宰にして作・演出の宮谷さんや、昔共演した山本一樹君は知っていても、スタッフとして裏に詰めっぱなしの自分は一体どういう作品をやっているところか分かっていませんでした。ただちらしを事前に見ていたので、ビジュアルには気遣いのあるカンパニーだなとは感じていました。
■多少緊張し過ぎていた開演前のご挨拶はありましたが、それ以外は前週とは大きく異なり、非常にシームレスな入場から開演までを待ちます。60名くらいのお客様の入りとみました。建て込みの大きさ、2層構造の舞台は手が込んでいました。そこを6つにブロック分けし、明かりと映像を分割して当ててゆく方法などは昔のシス・カンパニーの作品にも見られたものですが、スキルの高さに感心。2層×3コマの枠が、キャストを個人で分ける、トイレのパーテーションで分ける、檻で分ける…その他たくさんありました。全部は是非劇場でご覧下さい。
■評する言葉を今の時点で考えるならば、「若くて達者」だけど「達者、でも若い」という2つの面が両方とも目立った公演だろうと感じました。前者は舞台美術や音響、照明といった空間把握の能力と、それをきちんと生かそうとした演出に対してであるし、後者は主に出演者に向けられるものであろうとは思います。後半に進むに従って、時折会話の冒頭部分において、役者間の呼吸がズレる瞬間が若干目立つときがありました。冒頭部分では単なるセリフ回しのミスに留まっていたので、時間の経過に従って、役者陣の、肉体面ではなく、演じるための精神的な体力の残量に警告ランプがついていたということかもしれません。しかし、そういう役者陣の動きぶりは、そんなにあげつらう程他の要素とはかけ離れていないのではないか、と思いました。個別で申し上げれば、ゲスト出演の元山未奈美さんのがんばりに他2人の KIMYO女性メンバーが良い影響を受け続けたと言えるかもしれません。
■野心を感じる舞台であると思います。名古屋の若手劇団として、引き続き奢らず弛まず進んで欲しいなと思います。明日8日は14/19時で今日と同じキャスト、10/9からは一部入れ替わっての3ステージだそうです。詳しくは公演情報詳細ページへどうぞ。

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