今日は「ホントに?」の稽古最終日。
もうそれが日常の出来事であるかのように、稽古場で
役者の芝居を見守りながら、他の2人の演出助手と仕事を
進める。小道具の追い込み、仕込み図のチェック、普段と勝手の
違う会場の、役者の出はけの管理。他スタッフとの連絡調整、等々。
突然の出来事だった。
「ニシムラ君、ボケと突っ込みについて講義してやって」
仕事の種類としてはまさにど真ん中。でも、改めてと言われると
少々手に余る。そんな真面目に考えたことなんてなかったのだ。
しかし、
最初はあやふやだったイメージが、人に向かって話しだすと、
不思議なくらいに形作られてくる、そんな過程を実体験すること
になった。つまりこういうことだ。「突っ込みというのは、
表出する役者の状態が変わらないまま、相手との関係の位相
(つまり「ステータス」)が変化する、そのことを指摘すること」
そんな小難しい意味付けができるほど、自分の中に突っ込みに
関してのノウハウが落ちているなんて思わなかった。
★
しかし、同時に痛感したのだ。自分にはまだまだ「教わり方」
が足りないことを。伝える技術を磨くことで他人から得られる、
関係の力学、その一断面をなるべくたくさん集めよう。
心のずっと、奥の方に。
ブルーハーツの「情熱の薔薇」を思い浮かべて、今日は寝る。
さあ、明日から劇場入りである。仕事もあるけど。
《カメラを向けたらこの位のことをして芸人》