左岸壁左ルート
1月26~27日
大谷不動・アイスクライミング
メンバー:m本・山猿
一度訪れてみたかったヴァーチカルアイスの道場『大谷不動』へ、数回来ているm本さんの案内のもと行ってきた。
期待通りの、美しくも厳しいヴァーチカルを堪能してきました。
26日(一日中雪)
3時に僕の家に集合。強い冬型の為、強風と吹雪で高速道もとばすことはできない、途中ヒヤッとする場面も二回ほど。
結局、峰の原スキー場へ着いたのは8時半過ぎ。
この日は、それほど冷え込みは厳しくなかったが朝から晩まで雪が降り続いていた。
大谷不動まで約1時間半の道のり、今日は先行者はいないようで、先週のトレースらしき跡をひざ下ラッセルで辿っていく。
着いてすぐさま準備を整え、m本さんがまだの登っていないという『不動前の氷瀑』へ。
デカい!50mの大氷瀑だ。
不動前の氷瀑50m
ここはm本さんにリードを任せます。
この滝、下部はそれほど傾斜は無いものの上部で垂直約10mの部分が出てくる。
これをどうクリアしていくのか楽しみに下から見物。
今シーズン、初のアイスクライミングとあって慎重に登っているようだ。ちょっと下部でスクリューを使いすぎでは?と思いつつも、まー何とか乗り切ってくれるだろうと、寒く凍える体をゆすりながらのんびり見守る。
しかし、悪い予感的中上部核心部でスクリューが少なくなり、抜け口の状態が分からないままでは突っ込めず残念ながらテンション。
その後、スクリューを間引きしてもう一度登りだすも、僕のミスで大きくランナウト。腕の張りがとれないということでm本さん垂直部でハンキングビレーをしてセカンドの僕が登りだす。
m本さんがテンションのかかった所までやってくると驚き!少し右から回り込めば楽なラインだったのを、難しいラインをとっていた。
これはきついわ!!
そのまま、終了点まで僕がロープを引っ張っていく。
すでにいい時間になっていたので本日は終了。
一本とは言え、なかなかの充実感でした。
核心部を見上げるm本
この日の晩御飯は、二人とも正月山行の余りもの、グリーンカレーと棒らーめん。そしてお互い半年近い賞味期限切れ。大丈夫?
27日(晴れ)
晩御飯の影響もなく、無事朝を向かえることができた。
懲りずに朝食も僕の賞味期限切れの棒ラーメンを二人で食べる。
今日も雪模様かと思っていたが、テントから出てみると青空が広がっている。そのかわり昨日よりかなり冷え込んで手がかじかんで痛い。
本日の目的のルート『左岸壁左ルート』に辿りつくと、でました完璧なヴァーチカルアイス!
不安と共に胸わくわく心躍ります。
トップを譲ってもらい準備して取りつくと、離れて見ていた時にはわからなかったしずくが体中に降り注いできます。
この状態は上部へ行っても続きそうとのことで、あまり無理せずここはクライムダウンして撤退。
少し離れた『左岸壁中央ルート』へ。
しずくもなくしっかりとつながっている。
仕切りなおして取りつく、F1下部は傾斜が緩くサクサクと登り、上部垂直部は短い上に凹角を使って大レストできるのでそれほど難しくなかった。
左岸壁中央ルートF1
そして楽しみにしていたペンシル状の核心F2、ばっちりつながっています。(写真が無いのが残念)
かっこいい~、登りたい気持ちが湧きあがってくる。
そしてここもトップで登らせてもらう、下部は傾斜は緩いが穴ぼこだらけでランナーを取れない。
中間部約15mが垂直できついがゆっくりじっくりレストしながら登り詰める。
上部でスクリューを落としてしまい、残り一本となってしまったが、もう傾斜も緩くなって大丈夫だろうと読み突っ込む。
予想通り、上部は左側から行くと傾斜も落ちて問題なく登れた。
あとは終了点まで10mほど伸ばして終了。
納得のいく登りで大満足の一本となった。
時刻は14時を過ぎていたので、急いで下降してテン場に戻る。
スキー場に着いた時には(17時過ぎ着)、スキー場の営業は終わりお客さんも居なければ従業員の方もいなかった。
人の居なくなったスキー場、静かでさみしさもありますが、僕の心は充実感で満たされていた。
トレーニング不足で登り的にはまだまだだが、一年ぶりのアイスクライミング楽しいひと時が過ごせた。
パートナーのm本さんと大谷不動の美しきモンスター達に感謝です。