この高度感がなんとも気持ちいい
5月25~26日
明星山・【五月ルート】&【マニフェスト】
メンバー:けんちゃん・山猿
最近、クライミングをあまりしていないので、手ごろなマルチと思いけんちゃんを誘って明星山へ。
明星山は秋がベストシーズンだが、春の晴れ間が続いた日には非常に岩の状態も良く、
そして、あまり他のクライマーが居ないので静かなクライミングが楽しめる。
25日(晴れ)
<五月ルート>
心配していた渡渉は、空荷で大きな岩から岩をジャンプ一発!飛び越え、向こう岸へ。
チロリアンを掛け直し問題無く渡ることができた。
しかし、五月ルートへの取り付きまでが増水していて川床を歩けない。その為川の側壁をトラバース、これが意外に悪かった。
取り付きは、左岸稜と同じで分かりやすい支点が打ってある。
このルートはナチプロルートになるので、まだナチプロに慣れていないけんちゃんはセカンドで、トップを全て任せてもらった。
五月ルートライン
1P目+2P目10:20
1P目の終了点があることに気づかず、2P目もつなげて登ってしまった。(それでも45m)
脆そうな所があったり、草木が邪魔になったりとグレード以上に悪く感じる。
更に残置ハーケンを無視して登っていたらプロテクションのとれる良い場所が無く、かなりのランナウトしていた。
トラバースルートになるので、セカンドのけんちゃんにもかなり恐い思いをさせてしまいました。
1P目クラックを左上していく。
3P目
このルートの核心ピッチ。クラックに土や草が詰まっていてプロテクションがとりにくい。
けっこうステミング使って脚が張る。しかし、1P目に比べたら岩が安定していたのでそこは良かった。
3P目岩は硬いほうだろう。
4P目
下部が悪いが、ここも岩はそれほど脆くないので、安心して登れた。
4P目
5P目14:40
緩傾斜帯に出て、目の前のクラックを登る。岩がゴツゴツしていて素手ではジャミングはしたくありません。
適当な灌木で終了点を取る。
翅アリの巣に迷い込んだか?ドデカい翅アリから小さな翅アリの大群がセカンドビレーしている間、次から次に僕にアタックしてきます。
早く下りたい。
下降は同ルート3回懸垂。2回目の懸垂の時にロープが引っ掛かりユマールで登り返し。
この登り返しが本日一番疲れました。
登攀の充実感と地上に降りられる喜び
全体的に、他のルートに比べたら岩は安定していると思います。
しかし、油断は禁物といった感じでしょうか。
装備:エイリアン(緑、黄、赤)、キャメ#0.75~#2まで各2+0.5、3番、スリングとヌンチャク数本。
夜は、小谷道の駅にて温泉と食事。
釜で炊いたご飯がうまい!それもおかわり自由、さらにキャベツの漬物と野沢菜が食べ放題だった。
ここはおすすめです。
26日(晴れ)
<マニフェスト>
朝食は、けんちゃんが持ってきてくれた棒ラーメン、具にコンビニの野菜炒め用の野菜とゆで卵、ソーセージ。
野菜が前日から暑い車の中にあったのでしなびている。二人で臭いを嗅いだ結果、少しすっぱい感じもするがギリ大丈夫だろう。と意見が一致。ということでラーメンに投入。
※結果この日は腹痛になりませんでした。
当初マニフェストを登る予定だったが、結果的にはマニフェストとJADEの混合ルートになってしまった。
1P目6:30
ここは何度か登っているので余裕と思いきや、トラバースで若干手間取ってしまった。
しかし、本日のフリクションは最高に良い。
2P目
けんちゃんリード、直上すると11a、JADEのラインになるので左にトラバースして直上していく。かなり時間をかけて何とか終了点に到着。
セカンドで登ってみてなぜあれほど時間がかかったのかが分かった。マニフェストでもJADEでもないラインを登っていたのだ!
それもあやしい草付や浅いクラックにプロテクションをとっていた。
このピッチだけでかなり精神的に疲れたようで、上まで行けないかもみたいなことを言い出す始末。
しかし、「そんなの大丈夫」と適当にごまかして登りだす僕。鬼です。
2P目リードするけんちゃん。
3P目
僕リード、次の終了点でマニフェストと合流できるし、JADEラインのほうが10bとグレード高くておもしろいので、JADEラインを登る。
一か所ハングしたところがあるがガバなので思い切っていけば問題なし。
4P目
けんちゃんリード、「まっすぐJADEのライン登ればマニフェストと合流するから」とJADEのラインを薦める。
トポを見ると11aとグレードになっているが、少し左から逃げれば5.9だから大丈夫だろう。と思っていたが、どうも登りすぎたようでクライムダウンもできず11aのライン登る羽目に、騙すつもりはなかったが結果騙すような形になってしまった。
しかーし、けんちゃんここで火事場の馬鹿力というやつか、かなり時間をかけてなんとオンサイト!!
オンサイトグレードが10cだったけんちゃん、マルチでオンサイトグレード更新だ。
鷲ノ巣ハングが口を開けて待っている。
5P目
僕リード、ここはきっちりマニフェストを登ることに。
トラバースから脆そうなハング帯を越えて50mいっぱい伸ばしてピナクルまで登る。
この日、日暈が見られた。
6P目
けんちゃんリード、難しくはないが、脆い上残置が無いので草付でランナーをとって登る。
7P目
細かいカチとバランシーな感じで面白いピッチだ。リーチあると大分楽だろう。
鷲ノ巣ハング到着。
8P目16:10
順番的にはけんちゃんの番であったが、疲れている上、ナチプロでのしっかりしたプロテクションをとる自信が無いということでリード交代。
このピッチは最初一段上がるところが悪いだけで、見た目ほど難しくない。久しぶりに登ってこんなに簡単だったっけ?と思ってしまった。
草付に出ると左にトラバースして50m伸ばし終了点到着。いやー予定より時間かかったけどなかなか楽しませていただきました。
下降は、同ルート懸垂。
空中懸垂が楽しめます。
途中で落石がけんちゃんの足に当たりすごい血が流れている。
地上に着いてから治療しようと思っていたが、地上に着いた時には血も止まっていた。
見た目ほど大したことなくて良かった。
帰り際、けんちゃんが小滝川の水をペットボトルに汲んできた。
かなり濁っているので、脚に付いた血を洗い流すのならやめたほうが良いと思い、どうするのか聞いてみると
「煮沸すれば飲めると思って持って帰ります」との回答。
え~~!確かに飲めないことないだろうけどやめとたほうが良いのでは・・・。
そういえば、昨日の登攀終了してから、『この川の水飲めますかね』って聞いてたな。
その時は、「濁っているし無理でしょ」と返事したけど、
昨日から飲みたかったのだろう。
今日もけんちゃん最後までいろいろと驚かせてくれました。
登りもけんちゃんワールドもまだまだ本領発揮ではないようだ。
装備:キャメフィンガーサイズ1セット、ハンドサイズ2セット、スリング多数、ヌンチャク多数。
こんな岸壁のなかでもしっかりと咲く花、ほんのひと時の和みをあたえてくれます。