鹿嶋少将の航海日誌second

宇宙戦艦ヤマト新作情報・二次創作他、気になったものなどをお届け(^-^)

女神ネメシスの唄◇機動戦士ガンダム外伝◇前編

2021-04-18 08:36:00 | 機動戦士ガンダム外伝

宇宙世紀0079年11月1日
月都市グラナダ
ージオン公国軍グラナダ基地上空ー





【パプア級輸送艦:コウノトリ】

月都市グラナダ基地の上空にワタシは指示通り、自艦コウノトリを停泊させた。
ワタシは現在、ジオン公国突撃機動軍第072補給隊に所属し、後方支援を主に任務とする部隊に所属している。
階級は大尉(※最終階級中佐)。年齢は24歳。
士官学校を卒業と同時に補給隊の士官として配属されたのだが、任務遂行中に連邦軍:サラミス級二隻と遭遇、モビルスーツのパイロット訓練を受けていた事もあり、ワタシは搭載されていたザクⅡで出撃、このサラミス級二隻の内一隻を轟沈、残り一隻を大破させる事に成功、補給物質は無傷のままドズル中将の待つ前線要塞基地ソロモンへ届けた事が認められ、大尉に昇進、現在の自艦:パプア級コウノトリの艦長に就任し、小隊隊長を任せられた。
名前はマウコウ・ヴィラ。
サイド3(スリー)コロニー・マハル出身。
今はこのコロニーに暮らす事は出来ないが、このコロニーが故郷(ふるさと)だ。


【マウコウ・ヴィラ】

ワタシはキシリア機関を介し、キシリア閣下と直接お会いし、二階級特進の辞令と重要な作戦を頂戴した。
重要な作戦とは、地球に降下し、地球占領軍重要拠点:オデッサ鉱山基地で基地司令マ・クベ中将のもとに試作モビルスーツを届ける。
そして、もう一つ。
どちらも重要な作戦なのだが、本命はもう一つの方だ。


【キシリア・ザビ】

「貴公にやって貰いたい事がある。」
「それなりの報酬も用意してある。」
キシリア閣下は作戦内容を伝える前に、報酬を提示した。
その内容は、こうだ。
「貴公と貴公の部下を二階級特進させようと思う。」
「それに伴い、ザンジバル級一隻を貴公に与える。」

「頼み事は二つある。」
「一つは地球へ降下し、重要拠点であるオデッサ鉱山基地のマ・クベ中将に試作モビルスーツを届けて欲しい。」
「そして、もう一つは、このmapを見て貰おう。
キシリア閣下は、手に持っていたタブレットに現、地球の勢力図が映し出した。

「赤く塗られた地区が我、ジオンの占領地区で、ヨーロッパ地区の東、濃い赤で塗られた場所、ここがオデッサだ。」
「青く塗られた地区が連邦である。」
「見ての通り、ベルファスト、ヨーロッパ地区、北大西洋、南大西洋と連邦が占めている。」
「注目して欲しいのは、この地区だ。」と青く塗られた地区の上にグリーンで点滅する場所を指さした。
そこには南大西洋が示されていた。
ここには連邦の海洋拠点基地が存在する。
一目瞭然だった。
正しくそこが現在、地球連邦軍にとっては基地の規模こそ小さいが、重要な生命線。
ここを経たれれば、援軍や増援は愚か、補給も儘(まま)ならない。



「貴公には、この海洋拠点を制圧して貰いたい。」

「……ザンジバル単艦で、ですか?」

「そうだ。ザク(Ⅱ-type.F)改良型、五機も貴公らに与える。」
「制圧が無理と判断したなら壊滅でも構わん。」

「我、諜報機関の情報からして、そう遠くない日にオデッサに対し、大規模な反攻作戦が開始されるとの情報を掴んでいる。」
「なんとしても、阻止せねばならん。」

「改良型のザクは戦術核装備の機体と、その護衛的な機体の二種類だ。」
「核装備の機体にはバックパックに高機動用プロペラントタンクが1基と大型バーニア2基が備わり、脚部下には高機動ザクから転用したスラスターが3基が備わる。」
「他の機体との違いとしては、バックパックにプロペラントタンクと核バズーカの装備くらいだ。」
「共通の武器としては試作ではあるが小型ビームマシンガン及びグフ・カスタムにも装備されたヒートサーベルが装備される。」

「……。」

「……ですが、閣下。南極条約に違反するのでは?」

「さよう。違反だ。」
「作戦終了後、貴公らは軍籍から抹消されるが、一生、遊んで暮らせるだけの恩給が支給される。それと、第二の故郷としてフォンブラウン市で暮らせる。」

「極秘にな。」

「やって貰えるな!?
「無理にとは云わんが断れば、この作戦を知った貴公には、我、機関が張り付く。24時間な。小隊は解隊。最前線送りだ。」

「……解りました。この作戦、受けます。」
「ですが、前金で一部、頂きたい。それと部下には24時間の休暇を頂きたいのと機体をチームカラーに。」

「よかろう。」

こうして、ワタシはこの極秘作戦を決行する事となった。
ワタシは辞令書と一晩では使いきれない前金を部下1人1人に手渡した・・・

◆24時間後・・・


【ザンジバル級:ネメシス】

24時間後、我々の小隊は降下ポイントを目指した。
これは後から知った事だが、我々が降下ポイントを目指す中、地球連邦高官エルラン中将と部下のジュダックがスパイ容疑で逮捕された。

機体は膝から下が紅く、他はブルーグレーに塗られ、隊長であるワタシは左のショルダーを紅く塗られた機体だ。

「隊長。俺たち大出世で、補給艦から機動巡洋艦なんて、月とすっぽん位の差があるな。」

「しかも、モビルスーツもチームカラーなんて待遇良すぎだね。」

「大金まで貰ったし。」

「でもよ。裏返せば、それだけヤバい仕事(作戦)だって事だろ!?」

「まぁな。キシリア閣下、直々の作戦だからな。」
部下たちと、そんな会話中、予定外の戦闘に突入した。
連邦の宇宙戦艦マゼラン級と遭遇した。

「マウコウ艦長!10時の方向からマゼラン級接近!」

「ちっ!」
「予定外だな。」

「全艦第一種戦闘配置!」
「主砲、射撃準備!
「続いて両舷、メガ粒子速射砲射撃準備!及び対空機銃射撃準備!」

「各砲、ミサイル発射準備完了!」

「うむ。」
「機関、最大戦速!」

「各砲、ミサイル自動追尾レーダー同調!」
「目標!連邦戦艦マゼラン級!」
「砲撃はじめッ!!」

「艦長!あと24秒でマゼラン級と交差しますッ!!」

「うむッ!」

「怯むなッ!!」

蛍光グリーンやピンクの輝かしい光弾が幾つも、凄まじく飛び交わる。
激しい揺れ、爆音、黒煙が次々と寄せては返す波のように、ワタシたちに襲い掛かる。




「艦長!マゼラン級、上部構造物の損壊が激しい様子!」
「反撃を認められず!」副長、レーダー士を兼任するダンジュ・ロウ大尉が告げて来た。

「よし!」
「進路、速度、そのまま!」

「我々はダメージコントロールを急げ!」
「大気圏突入を可能にせよ!」

「了解!」

降下ポイント到達と同時に我々はネメシスの修復作業に入った。
6時間後、なんとか大気圏突入が可能なくらいまでにダメージを修復したネメシスは、大気圏へ突入、地上最重要拠点オデッサ鉱山基地を目指した。


※ザンジバル級機動巡洋艦【ネメシス】

所属:ジオン公国軍 全長:255m 全幅:221.8m 全高:70.5m 全備重量24,000t 推進機関:熱核ジェット/ロケット・エンジン ×4

武装 主砲(実態弾式連装砲)×1 艦尾メガ粒子砲速射砲×2(左右舷側) 連装対空砲×7(艦首下、左右舷側) 対艦・対MS多弾頭ミサイル発射管×2(両舷)

艦長 マウコウ・ヴィラ(中佐) 副長 ダンジュ・ロウ(大尉)

後編へ
つづく。

この物語りは「機動戦士ガンダム」のオリジナル二次創作外伝です。

登場する人物、企業等は全て架空です。 実在する人物、企業等は関係ありません。 使用している挿し絵的画像はイメージです。

※この物語りに登場するザクⅡ(type.F改)及び、ザンジバル級設定は私的設定が混ざってます。