![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/81/50730b12c80c7314b6cedda621c9588d.jpg?1617828967)
「ロキアさん。エリカとのコミュニケーションは上手く行ったようね。」
「知り合った頃とは見違えるように暗さが抜けたわね。」
「うふふ。」
「そうじゃないとエリカが一緒に入った意味がないわ。」
「ああ。なんて云うか、吹っ切れたよ。」
「良かったエリカのマッサージが効果あって。」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/91/eb27ef8f5a5de5bc3e7f3afaf14e6ac5.jpg?1617743744)
「うむ。解った。」インカムを通し、レーダーオペレーターから告げられた。
「あと600秒で接触よ。」
「ハウンド・ドッグは発艦準備を。」
「ロキア少尉。エリカはハウンド・ドッグで待機。」
「了解。」
honey.beeコックピット内が慌ただしく成った。
稼働テスト艦:鹿嶋から航行コースを変更するように要請が飛び込んで来ていた。
操舵オペレーターが、わざとらしい演技をしている。
「ああ。此方、スペースクルーザーhoney.bee号。」
「ああ。聴こえますか?」
「無線の調子が悪いようだ。」
「貴官が何を云っているのか解らない。」
「ふざけるな!」
「直ちにコースを変更せよ!」
「此方は発砲する準備は整っている。直ちにコースを変更せよ!」
◆
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/2d/7436f32ea86abc82d214bbe857b2195c.jpg?1617789342)
「ボギー大尉。何をしている?」
「領宙侵犯なのだろ!?構わん。射て。」
「ですが真鶴大尉。船影こそ旧ジオンのコムサイですが、連邦からの落札船で相手は民間人です。」
「はぁ。生ぬるいよボギー大尉。」
「階級こそ同級ですが、艦長は自分です。パイロットの貴女の指揮下に居る訳ではない。」
「あ~ら。そう。」そんなやり取りの中、通信レーダーを担当するオペレーターから慌ただしく報告が飛び込んで来る。
「高機動物体、急接近!!」
「……モ、モビルスーツ!?」
「モビルスーツ急接近ッ!!」
「機種識別ネオ・ジオン!ザクⅢ改!」
「ネオ・ジオン!?残党?」
「ほ~ら。云わんこっちゃない!」
「ガンダム・ビーナス出るよ!」
ボギー大尉は拳を握りしめ悔しげな顔を見せた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/c0/23d71d2c53729ca7142c18c5d2dc859c.jpg?1617796605)
「コロニーのジャンヌさんと、同調まであと23秒!」通信オペレーターから飛び込む報告。
俺は加速用スラスターの噴射を緩め、時間稼ぎをした。
「・・・7.6.5.4.3.2.1同調開始!」コムサイhoney.beeが動きはじめた。
蜜を集めて飛ぶ蜜蜂のようにポイントからポイントへと回頭しながら飛翔していた。
そのhoney.beeはミノフスキー粒子を撒き散らしていた。
「コロンブス級からモビルスーツ発艦ッ!!」
「機種識別、ガンダム!」
「機影に一致する機種無し!新型だと思われる!」
「了解。」
「……ガンダムか。」
一度は手合わせしたかったモビルスーツだが、出来れば現役の時に手合わせしたかったな。
まあ。だが、このハウンド・ドッグなら、この片足が義足の俺でも、負ける気がしない。
エリカという最高に頼れるパートナーも居るしな。
「エリカさん。行けるか?」
「そうね。そろそろ格闘場(リング)も完成するわね。」
「格闘場(リング)?」
「そう。ミノフスキー粒子で囲ったリングよ。」
「外部からのビーム攻撃と通常レーダーや通信は遮断されるフィールド、、Iフィールドの格闘の(リング)よ。」
「なるほど。モビルスーツ本来の闘いが楽しめそうだな。」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/29/8f315e7111ffcc9d101e828677f21b75.jpg?1617800664)
第九話(最終話)へ
つづく。
この物語りは「機動戦士ガンダム」の二次創作外伝です。
登場する人物、企業等は全て架空です。
実在する人物、企業等は関係ありません。
使用している挿し絵的画像はイメージです。
※この物語りに登場するガンダムは「ガンダムF91」がモチーフです。