鹿嶋少将の航海日誌second

宇宙戦艦ヤマト新作情報・二次創作他、気になったものなどをお届け(^-^)

Marionette.黒き獅子の涙◇機動戦士ガンダム外伝◇第四話

2021-04-03 21:07:00 | 機動戦士ガンダム外伝
姉妹の船(コムサイ)honey.bee号は、ほぼ自動化が施されているようで、姉妹と数名のスタッフで動かしている。
とは、云え姉妹は口は出すが、動くのはスタッフだ。
俺は「ふと。」格納庫(ハンガー)が気になり、姉妹に尋ねた。
今までの経験からコムサイが重たく感じるんだよな。

「キイコさん。そう云えば、ハンガーには何を積んでるんだい?」
「まさか、モビルスーツ?」俺は冗談のつもりで尋ねてみた。

「うふ。」
「気になります?」
「護身用にモビルスーツを一機、積んでますわ。」

「当たりかよ。」と思いながらも、冗談だろ?返事を返した。

「冗談ではなくってよ。」
「見てみます?」

「本当なの?見てみたいな。」
俺はハンガーに降りて、驚いた。

「……コレって、ザクⅢじゃないか!」
漆黒のザクⅢ改良型がラックに横たわっていた。


【ザクⅢ改Hound.dog=慈悲無き追撃者】  

「この子はHound.dog。」

「バウンド・ドッグ?猟犬か。」

「そうね。私たちは"慈悲無き追撃者"と呼んでますわ。」

「慈悲無き追撃者か。格好いい名前だ。」
「それだけの名前が付いていて、護身用とまで云うからには、実はレプリカですって事はないだろうけど、コレも落札品?」

「いいえ。」

「だろうな。何処から入手したとかは聞かないが、護身用でモビルスーツを搭載しているなんて、ヤバイ仕事でも手を出した?」

「思い違いや思い込みで、逆怨み的に狙われれる事は有るわ。」

「なるほど。」
「それはさて置き、あと何れくらいでコロンブス級と接触する?」

「そうね。一時間弱かしら。」

「そうか。このザクⅢ改、俺に貸してくれないか?」

「良いけど、ピーキーな子よ。」

「さらにチューンアップされてるって事か。」

「そうね。ニュータイプや強化人間が搭乗する機体に負ける気はしないわね。」
「確かにビットやファンネルは無いけど、切り札的なものは備えてあるわ。」
「ちょっと乗ってみます?ノーマルスーツなら有るから。」
「お時間が許す限りの体験フライトですけど。」

「おお。是非。」

「そうですか。では、5分、お待ち下さい。
「サポートユニットを準備しますので。」

「解った。」
俺はノーマルスーツに着替え、準備が整うまで待った。
ハンガーでは、オペレーターたちによる準備が進められていた。
そんな中、俺は一人の少女を紹介された。


【エリカ・ミノフスキー】

「こんにちは。わたくし、エリカ・ミノフスキーと申します。」

キイコさんから紹介されたエリカさんは、16歳の少女。
なんでも、あのミノフスキー博士の子孫にあたる子だそうだ。

髪は金髪のセミショート。
瞳は薄いブルー。
身長は160cm。ももの辺りまである踵高5cmのニーハイブーツを履いている。
ちょい露出度の高いパイロットスーツが、気になるが……

「この娘が、俺のサポートを?」

「そうです。」
「あのザクⅢは複座タイプのモビルスーツ。」
「ジャンヌさんのアイデアよ。」

「詳しくは後程、体験フライトの後にでも。」
「ロキアさんが今、思うよりこの娘の腕は確かよ。」

「……解った。早速、フライトするとしよう。」

「プログラムは此方で用意しました。」

「了解した。」


こうして、急ぎ旅ではあるが、"急がば回れ"だ。
俺は我が愛娘を取り返す為、このザクⅢ改=バウンド・ドッグで奇襲する。
多少の時間より、慣れておく必要がある。
複座のモビルスーツも初体験だしな。

「メインパイロットが下段?」と思いながら俺は軽く推進スラスターを吹かした。
彼女は搭乗と同時に「カタカタ」とキーボードを叩いていた。
下段だが、視界良好だ。
軽く吹かしただけで、通常の1.5倍くらいの加速だ。
俺は隕石群に紛れた。
いずれ、地球で夜空を見上げれは流星群として、観測されるだろう。


第五話へ
つづく。

この物語りは「機動戦士ガンダム」の二次創作外伝です。
登場する人物、企業等は全て架空です。
実在する人物、企業等は関係ありません。
使用している挿し絵的画像はイメージです。