話を聞くとエリカさんは、このチームに参加するまで、お父さんとお風呂に入っていたらしく、特に恥ずかしくはないとの事だった。
「ロキアさん。タオルは取って下さい。」
「私、実は視力が弱くて「ボャッ。」としか見えてないので。」
「えっ!?」
「網膜色素変性症っていう病気なんです。」
「ですが、今度、人工網膜の手術をすれば健常者の方、同様に見えるようになります。」
「……そうだったんですか。俺……。」
「お気になさならいで下さい。」
俺は妻、ルーシーにも背中を流して貰った事すらなかった。
流して貰っている内に妙な恥ずかしさは、消えていた。
逆にリラックス出来た。
その事をエリカさんに伝えると、意外にもお父さんと同じ答えだった。
何時しか俺の中に、安らぎすら感じられ、この娘ならパイロットとして、「任せられる。」そんな気が芽生えていた。
「今度は前を向いて下さい。」俺は云われるまま、前を向いた。
立ち膝を付いたエリカさんはボディーソープを手の掌で泡立て、柔らかいスポンジタオルと手のひ掌を使い、胸周りから優しく洗いはじめた。
ニコリと笑顔を覗かせていた。
そして、再び後ろを向いて軽く足を開くよう云われた。
「ここに足と腰に効くツボがあるんですよ。」
「マッサージしますか?」
「今は亡き父も毎日、ここを刺激して元気にしていたんですよ。」
「そうなんだ。じゃあ。お願いしようかな。」
尻を洗いはじめた。優しい手の掌の感覚が細やかに伝わる。
「ツボの刺激に入りますね。」
「うぉっ。」
「痛かったですか?」
「……いいや、なんて云うか、大丈夫。」
「まっいいか。エリカさんも俺を思っての事で、断れば傷つくかもしれんからな。」俺は苦笑いしながら誤魔化した。
「リラックスして、我慢し過ぎないで下さいね。」
「このツボと、ここを優しく刺激すると最高に気持ち良いって、お父さん喜んでたの。」
「……お、おい。その刺激、ヤバい!」
「ゾクゾクしちまう!て、云うか、お父さんと同じ反応が欲しいのか!?」俺は心の中で、そう叫んでいた。
気が付けば、髪の毛から足の指先まで全身を優しく洗って貰った。
「気持ち良かったですか?」
「ありがとう。」
再びエリカさんは笑顔を覗かせてた。
俺は一人先にシャワールームから出た。
どうやら今はコムサイを停船させているようだった。
万全な体制で挑まなければ、成功はあり得ないからだ。
俺がシャワーを済ませた30分後、エリカさんがシャワーを終えた。
その間、ザクⅢ改=ハウンド・ドッグの整備と武器などオプションパーツの整備が、行われていた。
あと20分くらいで完了するとの事だった。
◆
「御姉様。準備、整いましたわ。」
【ミズハヤ・キイコ(姉)】
【ミズハヤ・ユウカ(妹)】
※第三話参照。
「では、これより第二種戦闘配置で抜錨せよ。」
「では、これより第二種戦闘配置で抜錨せよ。」
「通信オペレーター。ジャンヌに連絡を。」
「あと40分後に開始すると。」
「了解。」
第八話へ
つづく。
この物語りは「機動戦士ガンダム」の二次創作外伝です。
登場する人物、企業等は全て架空です。
実在する人物、企業等は関係ありません。
使用している挿し絵的画像はイメージです。
※この物語りに登場するガンダムは「ガンダムF91」がモチーフです。