まもなく衆議院議員総選挙が16日(日)に行われようとしております。
私は先日不在者投票で既に投票を行いましたが、ふと先の国会で話題となっていた「一票の格差」という言葉について思うところがありましたので、総選挙前に記しておこうと思います。
Wiki 一票の格差より抜粋
一票の格差(いっぴょうのかくさ)とは、選挙などで有権者が投じる票の有する価値の差、一票の重みの不平等を指す用語。主に国政選挙で用いられる。
何の差を基準として格差を判定するか
人口
選出議員および非有権者を含む全ての住民(国民)の代表とする考え方に基づく。非有権者(子供など)も含めた人口による議席配分である。アメリカほか多くの国で、この説に基づき選挙区の区割りが行われる。日本でも、衆議院議員選挙区画定審議会設置法が人口を基準にしてその均衡を図ることを規定している。
有権者数
選出議員を有権者の代表とする考え方に基づく。イギリスではこの説に基づき選挙区の区割りが行われる。
投票者数
選出議員は実際に投票した有権者の代表とする考え方に基づく。ドイツでは、この説に基づき、州選挙区の投票数に応じて開票後に定数配分が行われる。
ここにありますように、大方の判定基準としては、有権者の人数により選挙区を設定することで、格差を無くした選挙を実施することが望ましいのですが、日本では選挙区の割り方によって有権者の一票の重みが異なることが問題となっているようです。
数に関する議論は、国会や司法で議論されているようなのでここでは取り上げませんが、私が個人的にふと思ったのは、現在の日本の選挙では、有権者ひとりひとりの票に、「質」の格差が内在しているのではないか?ということです。
「質」といっても学歴や職業などのことではなく、有権者が政党や立候補者を選ぶ上での「判断基準」の違いというものがあるのではないか?と感じるのです。
こちらのブログをご覧の方々は、インターネットを使用している方と思われるので、「判断基準」としては、個人としてのポリシーとテレビや新聞、そしてインターネットからの情報などが挙げられると思います。
現在の日本はインターネットが普及しているとはいえ、まだまだ利用者年齢層は20代~50代程度までで、さらに世界情勢やニュースなどの情報源として使用しているケースはその50%強程度というデータが出ております。
インターネットの利用状況(総務省平成22年版 情報通信白書より)
インターネットの利用目的(総務省平成22年版 情報通信白書より)
仮に、20歳以上の有権者数101,236,029人(総務省 都道府県別有権者数、投票者数、投票率(選挙区)より)について、大雑把に20~54歳までがインターネットを利用しており、その50%が政治・経済などの情報源として利用している場合、以下の表から、およそ2800万人となり、全体の有権者数の約28%となります。
総数 0~14歳 15~19 20~24 25~34 35~44 45~54 55~64 65歳以上
全国 128,057 16,803 6,063 6,426 15,635 18,528 15,678 18,701 29,246(千人)
(統計局ホームページ 第2章 人口・世帯 年齢各歳別人口より)
逆に、残りの72%がインターネット以外の媒体から情報を得て、それを材料に投票の判断基準としていると考えられます。
インターネット以外の媒体としては、主にテレビ・新聞・本・雑誌・知人関係などで、中でもテレビや新聞がその影響力の大半を占めると思われます。
さて、その影響力のあるテレビ・新聞などのメディアがどのような報道をしているかと言えば、例えば、
衆院選中盤情勢:自公 300議席超す勢い
毎日新聞 2012年12月10日 21時26分(最終更新 12月10日 22時42分)
世論調査―質問と回答〈12月8、9日実施〉朝日新聞デジタル 記事2012年12月10日21時51分
など、世論調査の結果を大々的に報道しているのが実態です。
世論調査の結果が正しいとすれば、有権者の約72%が主にテレビ・新聞などのメディアの影響を受けていれば、当然世論調査の結果はテレビ・新聞が報じた部分が影響されていると言え、皮肉にも世論調査というのは、ほとんどメディアが報道した通りの結果しか出ないことになり、その結果をまた報道するという、奇妙な循環が起こっている、とも言えるかもしれません。
このような現状から考えると、テレビ・新聞などから投票の「判断基準」を考える約72%のすべての人が影響を受けないまでも、大半がマスメディアの影響を受けた選挙結果になってしまう、というのが日本の現状、ということになってしまいます。
このような偏った情報統制(?)が敷かれている状況では、やはり「質」という「一票の格差」が存在するのではないか?と思うわけです。
ひとつの例として、衆議院議員総選挙公示後の首長選挙となった三重県桑名市長選挙では、通算5期の現職・水谷元氏を前市議の伊藤徳宇(なるたか)氏が倍以上の大差で破るというものがありました。
伊藤さん、県内最年少市長に(2012年12月3日 読売新聞)
桑名市長選挙(2012年12月2日投票)候補者一覧|政治・選挙プラットフォーム【政治山】
当選した伊藤氏は、日本未来の党代表の嘉田由紀子氏が塾長を務める未来政治塾の塾生で、本選挙でも未来の党の推薦を受け、民主、自民、公明、維新の推薦を受けた水谷氏を大差で破ったというのは、衆議院議員総選挙前としては非常に大きなものであったように思うのですが、この結果を各メディアは大々的には取り上げていないようです。
しかしこの結果から、前職の水谷氏が在職時に職員の不正があったものの、少なくとも三重県桑名市の民意が世論調査を超えて伝わってくるように感じました。
現在の日本の状況では、一部のメディアからでは公正な情報が得られない可能性を考えると、「一票の質の格差」を是正するためには、やはり国民ひとりひとりがこのような現状に目を向け、幅広く情報を得る努力とその環境づくりを進めていくことが必要であると考えます。
また、当ブログでもお伝えしてきましたように、未だ収束に至っていない福島第一原子力発電所や、未来へ重い負担を残すその他の多数の原発を抱える今の日本には、未来の選択肢はそう多くは残されていないのかもしれません。
ぜひ投票の前のご参考にして頂ければ幸いです。
私は先日不在者投票で既に投票を行いましたが、ふと先の国会で話題となっていた「一票の格差」という言葉について思うところがありましたので、総選挙前に記しておこうと思います。
Wiki 一票の格差より抜粋
一票の格差(いっぴょうのかくさ)とは、選挙などで有権者が投じる票の有する価値の差、一票の重みの不平等を指す用語。主に国政選挙で用いられる。
何の差を基準として格差を判定するか
人口
選出議員および非有権者を含む全ての住民(国民)の代表とする考え方に基づく。非有権者(子供など)も含めた人口による議席配分である。アメリカほか多くの国で、この説に基づき選挙区の区割りが行われる。日本でも、衆議院議員選挙区画定審議会設置法が人口を基準にしてその均衡を図ることを規定している。
有権者数
選出議員を有権者の代表とする考え方に基づく。イギリスではこの説に基づき選挙区の区割りが行われる。
投票者数
選出議員は実際に投票した有権者の代表とする考え方に基づく。ドイツでは、この説に基づき、州選挙区の投票数に応じて開票後に定数配分が行われる。
ここにありますように、大方の判定基準としては、有権者の人数により選挙区を設定することで、格差を無くした選挙を実施することが望ましいのですが、日本では選挙区の割り方によって有権者の一票の重みが異なることが問題となっているようです。
数に関する議論は、国会や司法で議論されているようなのでここでは取り上げませんが、私が個人的にふと思ったのは、現在の日本の選挙では、有権者ひとりひとりの票に、「質」の格差が内在しているのではないか?ということです。
「質」といっても学歴や職業などのことではなく、有権者が政党や立候補者を選ぶ上での「判断基準」の違いというものがあるのではないか?と感じるのです。
こちらのブログをご覧の方々は、インターネットを使用している方と思われるので、「判断基準」としては、個人としてのポリシーとテレビや新聞、そしてインターネットからの情報などが挙げられると思います。
現在の日本はインターネットが普及しているとはいえ、まだまだ利用者年齢層は20代~50代程度までで、さらに世界情勢やニュースなどの情報源として使用しているケースはその50%強程度というデータが出ております。
インターネットの利用状況(総務省平成22年版 情報通信白書より)
インターネットの利用目的(総務省平成22年版 情報通信白書より)
仮に、20歳以上の有権者数101,236,029人(総務省 都道府県別有権者数、投票者数、投票率(選挙区)より)について、大雑把に20~54歳までがインターネットを利用しており、その50%が政治・経済などの情報源として利用している場合、以下の表から、およそ2800万人となり、全体の有権者数の約28%となります。
総数 0~14歳 15~19 20~24 25~34 35~44 45~54 55~64 65歳以上
全国 128,057 16,803 6,063 6,426 15,635 18,528 15,678 18,701 29,246(千人)
(統計局ホームページ 第2章 人口・世帯 年齢各歳別人口より)
逆に、残りの72%がインターネット以外の媒体から情報を得て、それを材料に投票の判断基準としていると考えられます。
インターネット以外の媒体としては、主にテレビ・新聞・本・雑誌・知人関係などで、中でもテレビや新聞がその影響力の大半を占めると思われます。
さて、その影響力のあるテレビ・新聞などのメディアがどのような報道をしているかと言えば、例えば、
衆院選中盤情勢:自公 300議席超す勢い
毎日新聞 2012年12月10日 21時26分(最終更新 12月10日 22時42分)
世論調査―質問と回答〈12月8、9日実施〉朝日新聞デジタル 記事2012年12月10日21時51分
など、世論調査の結果を大々的に報道しているのが実態です。
世論調査の結果が正しいとすれば、有権者の約72%が主にテレビ・新聞などのメディアの影響を受けていれば、当然世論調査の結果はテレビ・新聞が報じた部分が影響されていると言え、皮肉にも世論調査というのは、ほとんどメディアが報道した通りの結果しか出ないことになり、その結果をまた報道するという、奇妙な循環が起こっている、とも言えるかもしれません。
このような現状から考えると、テレビ・新聞などから投票の「判断基準」を考える約72%のすべての人が影響を受けないまでも、大半がマスメディアの影響を受けた選挙結果になってしまう、というのが日本の現状、ということになってしまいます。
このような偏った情報統制(?)が敷かれている状況では、やはり「質」という「一票の格差」が存在するのではないか?と思うわけです。
ひとつの例として、衆議院議員総選挙公示後の首長選挙となった三重県桑名市長選挙では、通算5期の現職・水谷元氏を前市議の伊藤徳宇(なるたか)氏が倍以上の大差で破るというものがありました。
伊藤さん、県内最年少市長に(2012年12月3日 読売新聞)
桑名市長選挙(2012年12月2日投票)候補者一覧|政治・選挙プラットフォーム【政治山】
当選した伊藤氏は、日本未来の党代表の嘉田由紀子氏が塾長を務める未来政治塾の塾生で、本選挙でも未来の党の推薦を受け、民主、自民、公明、維新の推薦を受けた水谷氏を大差で破ったというのは、衆議院議員総選挙前としては非常に大きなものであったように思うのですが、この結果を各メディアは大々的には取り上げていないようです。
しかしこの結果から、前職の水谷氏が在職時に職員の不正があったものの、少なくとも三重県桑名市の民意が世論調査を超えて伝わってくるように感じました。
現在の日本の状況では、一部のメディアからでは公正な情報が得られない可能性を考えると、「一票の質の格差」を是正するためには、やはり国民ひとりひとりがこのような現状に目を向け、幅広く情報を得る努力とその環境づくりを進めていくことが必要であると考えます。
また、当ブログでもお伝えしてきましたように、未だ収束に至っていない福島第一原子力発電所や、未来へ重い負担を残すその他の多数の原発を抱える今の日本には、未来の選択肢はそう多くは残されていないのかもしれません。
ぜひ投票の前のご参考にして頂ければ幸いです。