植物好事魔多し

植物を育てる、とある趣味家の備忘録兼管理ノートです。

実生 亜竜木 Alluaudia procera(Drake) Drake

2016-10-30 15:00:00 | Didiereaceae
Alluaudia procera(Drake) Drake

Alluaudia proceraはディディエレア科Didiereaceaeの植物。
2012年6月25日播種。


我が家の自家実生品としては古株の部類。
かなり抑制して管理しているため、まだ子株。
我が家には成株(挿し木)もあるが、なかなかの生育スピードで、本来はもっと生育が早いと思われる。


「植物からの警告」(湯浅浩史、筑摩書房、2012年)によれば、
「数週間乾かすと、発芽能力を失ってしまう」
とあり、種子は比較的短命らしい。
そのためか、この後も何度か播種したもののあまり株が得られていない。
現在保有する実生株は写真の2株と別の1株、計3株のみ。
種子を入手したら、発芽能力の低下を避けるため出来るだけ早く播種すると良いと思う。

Didierea madagascariensis Baill.

2016-10-27 13:00:00 | Didiereaceae
2017年6月21日追記。枯死。耐寒性が低いか、幼苗期は耐寒性が低い可能性がある。冬季加温するか十分に成長させた上で冬を迎えるとよいかもしれない。

今年の春に実生したもの。
やや葉数も増え、刺も増えてきた。
これからの冬を無事越せるかが最大の懸念。

Dioscorea fastigiata

2016-10-18 13:00:00 | Dioscoreaceae ヤマノイモ科
Dioscorea fastigiata Gay
2016年9月16日播種。
ヤマノイモ科の植物。
チリ原産。



基本的に情報に乏しい植物。
この海外サイト(英字併記あり)によれば、塊根が生じること、秋頃涼しくなってきてから灌水を始め、葉が黄変したら灌水を止めたら良いことがわかる。

Chilefloraによれば、自生地は年間降水量100mm以下の乾燥地帯であり、日本の高温多湿な夏越しが最大の懸念材料になると思われる。
Zone11とZone10とあるので、耐寒性は-1.1℃相当。

台湾ヤドリコケモモ

2016-10-15 13:00:00 | Ericaceae ツツジ科
栽培品の台湾ヤドリコケモモ。
台湾に分布するツツジ科の常緑低木。
塊根を形成する。
恐らくは挿し木一~数年生で、まだ塊根はない。
果実らしきものがみえる。


台湾ヤドリコケモモは流通名であり、その正体はどうやらオオバコケモモVaccinium emarginatumであるらしい。
なお、Vacciniumはブルーベリー等も含む属。



本種に関する情報はあまり得られず、類似種とされるヤドリコケモモVaccinium amamianumの栽培例等を参考にすることにした。
なお、V. emarginatumとV. amamianumは分類学的に同種とする説もあり、このことは鹿児島県森林技術総合センターの「鹿児島県に固有の木本植物の収集と保存〔Ⅰ〕」(PDFファイル)に詳しい。
ちなみにITIS(Integrated Taxonomic Information System)ではシノニム扱いされている
日本の国内法(種の保存法)では、V. amamianumとして奄美大島に固有の独立種とし(即ちV. emarginatumとは別種とし)、ヤドリコケモモV. amamianumを国内希少野生動植物種に指定しており、採取、譲渡、販売等が規制されている。
したがって、いわゆる台湾ヤドリコケモモは規制の対象外ということになる(だから入手できたわけだが)。



上述の鹿児島県森林技術総合センターのPDFによると、
・鹿沼土に挿し木を試みたところ発根は容易だったが、生育は遅い
・挿し木四年生で一部に塊根が生じた
・礫で鉢植えにし、乾燥気味の管理で維持できている


手持ちの文献では、「タネから楽しむ山野草」(東京山草会・編著、社団法人農山漁村文化協会、2004年)にヤドリコケモモの記述がある。
・寄稿者は東京都墨田区の方で、室外霜除けで越冬している
・気温15℃以上があれば水道水に水挿しで2~3週間ほどで発根
・種子はごく小さい
・自家受粉でも種子を得ることができた


環境省の種の保存法に基づく国内希少野生動植物種等に追加しようとする種の概要によれば、
・腐葉等が蓄積した巨木に着生する
・本種は奄美大島の固有種であるが、同属の類似種は台湾に2種、中国雲南省、ヒマラヤ、マレーシアの高山等に十数種類知られている



以上のことから、ある程度の耐寒性があり、挿し木等の栄養繁殖が容易であるといえる。
自家採種、実生もある程度は期待できる。
自生地の腐葉の栄養度は不明ながら、着生植物は肥培に弱いものもあるため、念のため肥料は控えめで、土は水はけよく、乾かし気味に管理すると良いのだろう。
着生であるから、通風も心掛けたい。
ツツジ科は酸性の用土を好むため、本種も酸性寄りの用土に植え込むのがいいかもしれない。