黒猫のつぶやき

法科大学院問題やその他の法律問題,資格,時事問題などについて日々つぶやいています。かなりの辛口ブログです。

第23回司法試験委員会

2005-12-07 14:19:16 | 司法(平成17年)
 法務省のHPで,11月8日に開催された第23回司法試験委員会の議事要旨が公表されました。
 気になったところを一部引用します。

○ 事務局から,新司法試験実施に関する考査委員主査・幹事会における協議結果について,次のとおり説明。
 前回の司法試験委員会における議論を踏まえ,本試験における短答式試験問題の出題形式・出題内容や論文式試験問題の出題趣旨の公表の在り方について委員会の意見を考査委員主査・幹事会に伝えたところ,これを受けて,主査・幹事会では,短答式試験の問題数は変更しないものの,出題形式については,本試験において,基本的な内容を中心とした出題とすること,パズル形式の出題は避けること,民事系科目では部分点のある問題を出題することについても考慮することや刑事系科目では部分点の配点についても考慮することとされたが,部分点の公表については,部分点を問題文に記載するとかえって複雑となり,受験生の混乱を招くおそれがあるとの理由から問題文には記載しないとすることなどの方向性が示された。なお,本試験における出題形式,採点・成績評価などについては,11月16日に開催される考査委員会議において申し合わせがなされ,公表される予定。

 要するに,プレテストの択一がちょっと難しすぎたから,ちょっと難易度を落として基本的な問題にする,刑事系科目では部分点も付けるということのようです。
 プレテストは,法学既習者(しかもそれなりに自信のある人)しか受験しておらず,それでも8割近くが足切りに遭ってしまうような結果だったということですから,本試験まであと半年あるとはいえ,予定していたレベルはとても維持できないだろうという考慮が働いたものと思われます。
 プレテストの択一については,黒猫も時間のあるときに少しずつ解答していますが,結構手応えのある問題です。これで全科目半分以上取れたのであれば,法科大学院出身者のレベルもそうそう侮れない,採用するならそれなりの待遇をもって迎えなければいけないなと思っていたところでしたが,肝心の法科大学院生のレベルが到底それに達しておらず,問題が大幅に易しくなるというのであれば,この考えは改める必要がありそうです。
 新司法試験の問題のレベルを安易に落とせば,その分の報いは実務に入ってから思いっきり跳ね返ってくるということは,法科大学院関係者一同肝に銘じるべきでしょう。
 私見としては,問題のレベルを落とすべきではなく,もし新司法試験で8割の受験生が合格ラインに達せず,合格点をつけられる人が400人くらいしかいなかったとしても,その400にんのみを合格者とすべきであり,残りは旧試験に回すべきだと思います。旧試験の受験生は,合格枠が約600人と噂されており生き残りに必死であるため,例年にもましてレベルは高いと言われており,その方が公平の観念には合致するでしょう。

 なお,第1回新司法試験の受験日程は平成18年5月19日から23日まで(日曜日は休み)であり,受験料は28,000円(オンライン出願だと27,200円)だそうです。
 受験料も決して馬鹿にならない金額であり,受験生にとっては結構頭の痛い問題かもしれませんね。