今晩は。緑が雨に濡れて、きれいですね。
こだまでしょうか
「遊ぼう」っていうと
「遊ぼう」っていう。
「ばか」っていうと
「ばか」っていう。
「もう遊ばない」っていうと
「遊ばない」っていう。
そうして、あとで
さみしくなって、
「ごめんね」っていうと
「ごめんね」っていう。
こだまでしょうか、
いいえ、だれでも。
3月11日におきた東日本大震災の際に
テレビのコマーシャルで流れていたものです。
今では、「金子みすゞ」の詩として
知られるようになりました。
みなさんもご存じですよね。
みすゞさんは、明治36年、
山口県仙崎町(今の長門市)に生まれ、
西條八十に「若き童謡詩人の巨星」とまで称賛されながらも、
26歳で自ら命を絶ちました。
しかし、50年後、
童謡詩人・矢崎節夫によって作品は世に出、
天才詩人として注目されました。
私も学生の頃から、大好きでした。
そして、何年前になるのでしょう。
伴奏をしてくださっていた先輩から、
金子みすゞ童謡集をいただきました。
今も大切にしています。
みすゞさんの詩には、
現代の合唱界を代表する作曲家の方々も
多く曲をつけていらっしゃいます。
その中で、今日ご紹介するのは、
若手作曲家、石若雅弥さん作曲、
「少女のまなざし」より「わたしと小鳥とすずと」を、
指揮:寺尾正さん、ピアノ:槇原聡子さん、
合唱「アンサンブル・ダッフォディル」さんの演奏です。
わたしと小鳥とすずと 詩:金子みすゞ
わたしが両手をひろげても、
お空はちっともとべないが、
とべる小鳥はわたしのように、
地面(じべた)をはやくは走れない。
わたしがからだをゆすっても、
きれいな音はでないけど、
あの鳴るすずはわたしのように
たくさんなうたは知らないよ。
すずと、小鳥と、それからわたし、
みんなちがって、みんないい。
みすゞさんの心はなんて深い愛情で
溢れているのでしょうか・・
こんな人がたくさんいたらいいのに。
そのみすゞさんの詩に、
更にやさしさを加えた石若さんの作曲。
そして、清潔で余分なもののない寺尾正さんの指揮と、
「アンサンブル・ダッフォディル」さんの澄み切った
みずみずしい声に繊細な槇原さんのピアノが
こころを震わせてくださいます。
私もみすゞさんのようになれるかな。