産業の世代交代が起きているような気がします。
かつて「鉄は国家なり」と言われた時代があって、その当時のトップクラスの学生たちは「これからの日本を支えるため」という高い志をもって、新日本製鉄や日本鋼管などに就職したと聞きます。しかし時代は移り、産業の主役は自動車や電気に移りました。もちろん今でも新日鉄は大きな、立派な会社であることは変わらないけれど、トヨタやホンダ、パナソニックやソニーなどの企業に主役の座を譲ると、少なくとも今、現在に至るまで一度も「主役の逆転」は起きていないと思います。
そして長い間、主役の座を演じてきたトヨタ、ホンダ、パナソニックやソニーなどの企業もまた、今、その座を降りたような気がします。
これからの「産業の主役」は、ドコモやソフトバンクなどのデジタル情報のインフラ産業。それからヤフーや楽天のようなWebサービス産業。さらにミクシィやDNA、グリーなどの新しいプレーヤーたちが続々と名乗りを上げ、業界は注目を集め、華やかさを増し、規模を拡大していきます。自分は他の業界を知らないからかもしれませんが、そのように映るのです。デジタル情報のインフラやWebサービス市場は裾野が広く、自動車産業や電気産業による「主役の逆転」は、もう当面はないのではないかと思えるのです。
ただ、デジタル情報インフラ産業も、Webサービス産業も、自動車産業や電気産業がそうであったような、国際的な強さはまだ持ちえていないような気がします。またかつてのように、ひたすら輸出を増やせばいいという時代でもなくなってきています。日本の産業の牽引役として難しい舵取りを強いられますが、ソフトバンクやドコモは、それも乗り越えていくような気がします。ポイントとなるのはやはり中国か。今、確かに産業の世代交代が起きていますね。
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現行のテレビ放送がデジタルに移行する事に伴い、高画質・高音質に
対する欲求が自然に高まる事を見越してソニーはBlueRay関連
事業を展開している、との事でした。技術が高度になればなるほど、
その相互の連関と連携が必要不可欠になり、逆に「頂点」は見えにく
くなると思います。IT業界に覇を唱えているマイクロソフトにして
もその橋頭堡になったWindows3.Xの発売からまだ20年もたたないう
ちにGoogleやApple(の反攻)などライバルが目白押しですし、これ
からはむしろ主役(頂点)の見えない八ヶ岳型の産業構造になるので
はないかと思います。
BlueRay関連の事業は技術的な深みはあると思うのですが、事業としての市場の大きさをみると、デジタル情報のインフラ事業などには及ばないような気がします。もちろんソニーはBlueRay関連事業以外のことも手がけると思いますし、引き続き大企業であり続けるとは思います。
MS、Google、Appleなど、アメリカの情勢になると確かに頂点は見えにくいですね。中国に目を転じると百度などもいて、群雄割拠って感じです。上記の文では、日本の産業の世代交代について書いたつもりでした。わかりずらくて申し訳ありません。「日本はものづくりの国だから」とか、よく言われるのですが、その象徴ようにして登場する自動車と電気業界の大企業が、今回の不況でとてつもない決算を発表しましたが、その実績がどこまで回復してくるのか、もちろん再び大きな利益を生み出せるようになると思うのですが、今までのように「主役」と言われるところまでは戻らないような気がしたのです。一方 アメリカではGMが国有化されてしまったり、産業の世代交代が日本より進んでいるように思えたのです。
自分の会社の舵取りを考えていたとき、ふと上記のようなことを思ってしまったので、つらつらと書いてしまいましたが、貴重なご意見をどうもありがとうございました。
つたない文言に誠に丁寧な返信恐縮です。
自身は情報産業と企業の関係を多分に直線的に捉えていたようで、松田様の
産業交代を国家レベルの範囲と御自身の経営の体験から見た視点は大変新鮮
でした(中国の産業に松田様が持たれている視点は三国志にも似ている感じ
がします。最も私は横山光輝版の方ですが(お恥ずかしいです)。自分も視点を広げた見方ができるよう心がけねばと改めて感じました。
ありがとうございました。
横山光輝さん、懐かしいですね。自分は「鉄人28号」と「伊賀の影丸」が大好きでした(歳がバレますね。本当に昔の作品なのでご存じないかもしれませんが)。
中国でのWebサービスも、いつかは取り組みたいと思っています。