「マンボウのひみつ」は老輩の永年の疑問に答えてくれました。魚には身体を動かす筋肉と鰓を動かす筋肉とは働きが違うようです。普通刺身として食べている魚の筋肉は体側筋で、普通筋と血合筋です。マンボウはミオグロビンをあまり含まない白身魚の部類に入っています。ミオグロビンとは、筋肉中にあって酸素分子を代謝に必要な時まで貯蔵する色素蛋白質だそうです。マンボウは厚い皮下ゼラチン層が全身を覆っているので、体側筋は退化して殆どありません。マンボウはヒラメやカレイ縁側が美味であるように美味だそうです。
そこで前日の「兵児帯（ヘコ）を質に置いて喰わんば」という表現と赤身と白身の表現の謎が解けたわけです。けれども六十年以上もの歳月を経ていますので、今更味を思い出すよすがは有りません。