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あれこれ雑記

ハーゲンベック移動動物園

2018-04-27 14:08:19 | 日記

江ノ島水族館長堀田紀子先生の岩波新書「水族館のはなし」に、ハーゲンベック動物園について書かれている。実は福岡市の箱崎浜の広場に昭和三三年頃にやって来て興行したことがある。当時はサーカスの一行ぐらいの認識しかなかったが、前記新書によると世界的に有名なカール・ハーゲンベックによって創案された生態系展示の動物園であった。同書には詳細に述べられている。
それによると「彼は、一介の動物商であったが、すぐれた動物蒐集家でもあり、動物を取り扱うのにその心理や行動を的確につかみ、優れた飼育管理を行った人物である。そして生態展示をいち早く導入した。
「かれは「無柵放養式を創案し、人々に目障りな金属製の網や障害物を取り除いて動物が見られる方法を編み出した。」
「この天才的といわれる舞台装置の基礎には、動物の地理学が有り、例えばアフリカをテーマにした場合には、アフリカの情景を思わせる舞台を背景にその動物群を配置した。」
等々である。
箱崎浜での移動興行は推測ではあるが、あまり成績がよくなかったように思う。実は僅かな期間臨時雇をしていたからである。
しかし短い期間の経験は実に貴重なものであった。幾分にも記憶が薄れてはいるが。
例えば、猛獣には指示の鞭を振うが、決して鞭を獣の肌には触れない。鞭が発する音は、空気を切る振動音である。芸の猛獣のうち一番怖いのは白熊である。それは表情が少ない。ライオンは猫のよう仔を増やす。そこで餌は売れ行きの悪い南氷洋鯨である。芸をする獣には馬・牛肉、既にその頃の食糧事情がかなり好転していた。
ところで堀田先生の「水族館のはなし」から些か外れたようだが、少なくなった日本産の淡水魚・メダカが本筋で読み始め、ハーゲンベック移動動物園になってしまった。