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歌舞伎「遠山桜天保日記」を観る

2023年02月13日 | 歌舞伎

NHK・BSプレミアム劇場で放映されていた国立劇場での通し狂言「遠山桜天保日記」(歌舞伎の恩人・遠山の金さん)を録画して観た。六幕十一場で構成されている。国立劇場は建て替えのため今年の10月で一旦閉鎖となる、初代国立劇場のさよなら公演でもある。

竹柴其水=作
尾上菊五郎=監修
国立劇場文芸研究会=補綴

この演目は今年の1月に上演されたばかりで、遠山の金さんこと遠山金四郎景元は江戸時代に実在した人物、天保から嘉永にかけて町奉行を務めた。この遠山金四郎は天保の改革でお取り潰しの危機に立たされた芝居や寄席を救うために尽力したと伝えられている。このことから明治以降、金四郎を描いた芝居や講談が数多く演じられた、今回の歌舞伎の演目もその一つだ。この演目の副題に「歌舞伎の恩人・遠山の金さん」と入っているのはそのわけだ。明治26年に初演され、国立劇場では平成20年に上演され今回は14年ぶりの再演だ

あらすじは、江戸木挽町の芝居小屋で小競り合いがあり、そこに遠山金四郎がやってくる、仲裁に入り騒ぎを抑える、そこに幕府からの書状が届き、北町奉行に就任することに、その頃世間を騒がせていたのは元武家の盗賊生田角太夫、短筒を使い盗みを働いていた、角太夫は尾花屋の若旦那小三郎と元僧侶の佐島天学を伴い佐渡金山の御用金を略奪しようと計画を持ちかける、角太夫は女房おもとの諫めも聞こうとせず悪の道を突き進む、しかし天学の裏切りにより御用金の強奪は失敗。角太夫、天学、小三郎の三人は捕まり白洲へ、名奉行遠山金四郎が裁く。

主な出演者

遠山金四郎 尾 上 菊五郎
角太夫女房おもと 中 村 時 蔵
生田角太夫 尾 上 松 緑
尾花屋小三郎後ニ羅漢小僧小吉 尾 上 菊之助
佐島天学 坂 東 彦三郎
遠山家用人 樋口善之助/与力 大里忠平 坂 東 亀 蔵
政五郎養女おわか 中 村 梅 枝

若太夫河崎権三郎/八州廻り 咲島千介 中 村 萬太郎
待乳山のおえん 尾 上 右 近
八州廻り 宮森源八 尾 上 左 近
尾花屋丁稚 辰吉 尾 上 丑之助
河原崎座役者 寺 嶋 眞 秀

河原崎座役者 小 川 大 晴
尾花屋番頭 清六 片 岡 亀 蔵

須之崎の政五郎/座元 河原崎権之助 河原崎 権十郎
羅漢尊者 市 川 左團次

国立劇場は今まであまり行っていないがもっと行くべきだった。というのも、ここの歌舞伎公演は「通し狂言」といって、一つの演目を最初から最後まで全て通しで演じるためである。歌舞伎座公演などでは、通し狂言の一部の幕だけを上演すること、これを「見取り狂言」という、が通例になっているためである。通しでみた方が作品理解を深められる意義があるように思うが、時間が長くなりすぎ、昼の部と夜の部と両方をみないといけなくなど興行面で問題が出てくるからであろう、だからこそ、国立の劇場でこそ通しをやる意義があるのだ、というか国立劇場でないとできないのであろう。テレビに写る客席をみると若干空席も目立つようである、客の方も通し狂言にはなれていないので敬遠する人も少なくないのかもしれない。

いずれにしても建て替え後はもう少し足繁く通いたい。



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